2024/04/01(月) - 14:00
圧巻のチーム力を発揮したリドル・トレックがワン・スリーフィニッシュ。精鋭集団に入ったエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア)がスプリントでニエウィアドマを下し、2015年以来2度目となるロンド・ファン・フラーンデレン女子優勝を果たした。
男子レースの開始から3時間後の午後1時40分、UCIウィメンズワールドツアー第10戦であるロンド・ファン・フラーンデレンがスタートした。午前中の晴れ間は消え、発着地点であるオーデナールデは気温12度の曇り空。そんな寒空の下選手たちは、163kmのコース上に設定された12の急坂と7箇所の石畳を越えていく。
世界王者の証であるアルカンシエルを纏ったロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)が3連覇に挑むレースは、序盤にそのコペッキーを含む10名の集団落車が発生する。このアクシデントによってマーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム)は顎を骨折し、エリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)は右腕骨折によって早々とレースを去った。
SDワークスとリドルが共に準エースかつ強力なアシストを失うなか、ジュリー・デウィルデ(ベルギー、フェニックス・ドゥクーニンク)など中堅選手たち5名が逃げを打つ。そこにジョシー・ネルソン(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)ら若手2名が合流を目指したものの、メイン集団と3分差まで拡げた先頭グループには届かない。そして一つ目の急坂であるウォルベンベルグへと近づく頃に、雨が選手と路面を濡らし始めた。
するとプロトンではエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が単独落車する。2015年以来2度目の優勝を目指すイタリア王者は素早くバイクに戻り、DSMフィルメニッヒ・ポストNLが牽引するメイン集団に復帰。急坂を越える度に逃げの人数は絞られていき、最後まで一人粘ったジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)も残り45km地点でプロトンに飲み込まれた。
そして一つに戻った集団は最大勾配20.8%の激坂コッペンベルグに突入する。落車のダメージを感じさせない軽快な走りでロンゴボルギーニやカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)ら8名が先頭で集団を組むなか、コペッキーはタイヤを滑らせバイクを押して坂を登る。またSDワークスのもう一人のエースであるデミ・フォレリング(オランダ)も遅れを取り、SDワークスからはスプリンターであるロレーナ・ウィーベス(オランダ)がなんとか先頭に食らいついた。
更に強まる雨のなか、プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)やマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)らシクロクロッサーも入った先頭はローテーションを回しながら距離を進めていく。その34秒後方の追走集団では若手のシリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック)が脚を溜め、急坂でコペッキーが遅れかけるシーンが目立つ。そしてフォレリングによる単独追走をファンアンローイがマークする一方で、先頭集団ではロンゴボルギーニが仕掛けた。
しかしイタリア王者の動きは決定打に欠き、続いてフォレリングと共に先頭集団にジョインしたファンアンローイがアタックする。前哨戦のドワーズ・ドール・フラーンデレンで2位と好調の22歳はそのまま単独でオウデ・クワレモントをクリアし、最後の急坂パテルベルグに突入。コペッキーがなんとか追いついた後続ではニエウィアドマとロンゴボルギーニが横並びでファンアンローイに追いつき、先頭は3名に。
フィニッシュまで続く下りと平坦路で3名はローテーションを回し、それをフォレリングがコペッキーのために追走する。しかしその差は10秒から縮まることはなく、勝負は先頭3名に絞られた。先にスプリントを開始したファンアンローイ、その背後についたニエウィアドマが懸命にペダルを踏み込んだものの、ファンアンローイの後ろでスプリントの時を待っていたロンゴボルギーニが先着した。
2015年以来、9年振り2度目の優勝を手に入れたロンゴボルギーニ。「私のコーチと夫であるジャコポ・モスカに感謝を伝えたい。チームの全員が今日、私をサポートしてくれた。パンクによる落車があっても、チームカーやチームメイトのアシストのおかげで勝つことができた。信じられない。(終盤にアタックした)シリン(ファンアンローイ)はまるでモーターバイクのようだった。私の優勝と彼女の3位という結果を誇りに思う」と、ロンゴボルギーニは喜びを語った。
優勝者のコメント通り、3位にファンアンローイが入ったためリドルは表彰台に2人を送ることに成功。一方、常に後手に回ったSDワークスはコペッキーの5位(フォレリングは8位)が最高位となった。
男子レースの開始から3時間後の午後1時40分、UCIウィメンズワールドツアー第10戦であるロンド・ファン・フラーンデレンがスタートした。午前中の晴れ間は消え、発着地点であるオーデナールデは気温12度の曇り空。そんな寒空の下選手たちは、163kmのコース上に設定された12の急坂と7箇所の石畳を越えていく。
世界王者の証であるアルカンシエルを纏ったロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)が3連覇に挑むレースは、序盤にそのコペッキーを含む10名の集団落車が発生する。このアクシデントによってマーレン・ロイサー(スイス、SDワークス・プロタイム)は顎を骨折し、エリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)は右腕骨折によって早々とレースを去った。
SDワークスとリドルが共に準エースかつ強力なアシストを失うなか、ジュリー・デウィルデ(ベルギー、フェニックス・ドゥクーニンク)など中堅選手たち5名が逃げを打つ。そこにジョシー・ネルソン(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)ら若手2名が合流を目指したものの、メイン集団と3分差まで拡げた先頭グループには届かない。そして一つ目の急坂であるウォルベンベルグへと近づく頃に、雨が選手と路面を濡らし始めた。
するとプロトンではエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック)が単独落車する。2015年以来2度目の優勝を目指すイタリア王者は素早くバイクに戻り、DSMフィルメニッヒ・ポストNLが牽引するメイン集団に復帰。急坂を越える度に逃げの人数は絞られていき、最後まで一人粘ったジュスティネ・ヘキエーレ(ベルギー、AGインシュランス・スーダル)も残り45km地点でプロトンに飲み込まれた。
そして一つに戻った集団は最大勾配20.8%の激坂コッペンベルグに突入する。落車のダメージを感じさせない軽快な走りでロンゴボルギーニやカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)ら8名が先頭で集団を組むなか、コペッキーはタイヤを滑らせバイクを押して坂を登る。またSDワークスのもう一人のエースであるデミ・フォレリング(オランダ)も遅れを取り、SDワークスからはスプリンターであるロレーナ・ウィーベス(オランダ)がなんとか先頭に食らいついた。
更に強まる雨のなか、プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)やマリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク)らシクロクロッサーも入った先頭はローテーションを回しながら距離を進めていく。その34秒後方の追走集団では若手のシリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック)が脚を溜め、急坂でコペッキーが遅れかけるシーンが目立つ。そしてフォレリングによる単独追走をファンアンローイがマークする一方で、先頭集団ではロンゴボルギーニが仕掛けた。
しかしイタリア王者の動きは決定打に欠き、続いてフォレリングと共に先頭集団にジョインしたファンアンローイがアタックする。前哨戦のドワーズ・ドール・フラーンデレンで2位と好調の22歳はそのまま単独でオウデ・クワレモントをクリアし、最後の急坂パテルベルグに突入。コペッキーがなんとか追いついた後続ではニエウィアドマとロンゴボルギーニが横並びでファンアンローイに追いつき、先頭は3名に。
フィニッシュまで続く下りと平坦路で3名はローテーションを回し、それをフォレリングがコペッキーのために追走する。しかしその差は10秒から縮まることはなく、勝負は先頭3名に絞られた。先にスプリントを開始したファンアンローイ、その背後についたニエウィアドマが懸命にペダルを踏み込んだものの、ファンアンローイの後ろでスプリントの時を待っていたロンゴボルギーニが先着した。
2015年以来、9年振り2度目の優勝を手に入れたロンゴボルギーニ。「私のコーチと夫であるジャコポ・モスカに感謝を伝えたい。チームの全員が今日、私をサポートしてくれた。パンクによる落車があっても、チームカーやチームメイトのアシストのおかげで勝つことができた。信じられない。(終盤にアタックした)シリン(ファンアンローイ)はまるでモーターバイクのようだった。私の優勝と彼女の3位という結果を誇りに思う」と、ロンゴボルギーニは喜びを語った。
優勝者のコメント通り、3位にファンアンローイが入ったためリドルは表彰台に2人を送ることに成功。一方、常に後手に回ったSDワークスはコペッキーの5位(フォレリングは8位)が最高位となった。
ロンド・ファン・フラーンデレン女子2024結果
1位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | 4:16:04 |
2位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
3位 | シリン・ファンアンローイ(オランダ、リドル・トレック) | |
4位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:09 |
5位 | ロッテ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | |
6位 | プック・ピーテルセ(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
7位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ) | |
8位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:15 |
9位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、リブ・アルウラー・ジェイコ) | +1:40 |
10位 | カーリーン・スウィンケルス(オランダ、UAEチームADQ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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