デカトロンAG2Rラモンディアルはフランク・ボナムール(フランス)との契約解除を発表した。同選手は生体パスポートから異常値が検出されたとして、UCI(国際自転車競技連合)により今年の2月5日から暫定的な出場停止処分が課されている。



デカトロンAG2Rラモンディアルとの契約が解除されたフランク・ボナムール(フランス) photo:CorVos

「2024年2月5日、アンチドーピング違反によりフランク・ボナムールに対し暫定的な出場停止処分が下されたとUCIから報告があった。そのためチームは同氏との雇用契約を解消せざるを得なくなった」と、デカトロンAG2Rラモンディアルは3月26日に声明を発表した。

本件が明らかになったのは今年2月のこと。UCIがボナムールの生体パスポート(バイオロジカルパスポート)*に対し、ドーピングが疑われる異常値が検出されたと発表。直後に所属するデカトロンは声明を出し「(異常値が検出された)検査はフランク・ボナムールが我々のチームに加入する2023年1月1日以前のものである」と強調した。

*ドーピング違反の検出を目的にUCIが2008年より導入した、選手の血液成分などの情報を蓄積したデータのこと。

ドーピングの事実を否認するフランク・ボナムール(フランス) photo:CorVos

2024年末まで結んでいたチームとの契約解除を受け、ボナムールは本件に関し初となる声明を自身のSNSに投稿。「ようやく自分の状況を自由に伝えることができる。私はいままでUCIの課すルールに則って活動してきた。もちろん何年もの間アンチドーピング検査に従ってきた。私は一度も禁止薬物や血液検査(血液ドーピング)に頼ったことはない」とドーピングを否認した。

また今後については「弁護士や科学者の協力を得ながら自分の弁護に取り組んでいく。私は常に正直で真っ直ぐな人間かつ、クリーンな選手だ。それゆえに不正行為で非難されることはない」とコメントしている。

ボナムールは2021年のツール・ド・フランスで総合敢闘賞に輝いたフランス出身の28歳。2023年にB&Bホテルズ KTMからデカトロンに移籍し、今シーズンは今年1月のサントス・ツアー・ダウンアンダーに出場していた。

text:Sotaro.Arakawa

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