北九州メディアドームで開催されている全国高等学校選抜大会トラック最終日の3日目は、4種目で決勝が行われた。女子スプリントでは鶴葵衣(祐誠高校)が優勝し、今大会2冠を達成した。男子4km速度競争では、森下圭祐(三重高校)が新記録に迫る4分40秒台で優勝を決めた。

屋内400m競技場の北九州メディアドーム photo:Satoru Kato
全国高等学校選抜大会トラック最終日は、男子4km速度競争、男女ポイントレース、男女スプリント、男女ケイリンの決勝が行われた。この日は昼前から雨が降る天気となったが、屋内競技場の北九州メディアドームは天候に関係なく熱戦が繰り広げられた。
男子4km速度競争

各校の応援横断幕がスタンドに並ぶ photo:Satoru Kato

4km速度競争決勝 森下圭祐(三重高校)が優勝 photo:Satoru Kato
2回の先頭責任を完了することが優勝の条件となる4km速度競争は、予選・準決勝と勝ち上がってきた12名による決勝が行われた。勝負は先頭責任を完了した6名での争いとなり、最終盤に抜け出した森下圭祐(三重高校)が優勝。新記録に迫る4分40秒台のハイペースとなった。(24.3.30 訂正)

4km速度競争 表彰式 photo:Satoru Kato
森下圭祐 コメント
「スタートが5番手だったので、先頭交代しながら早めに先頭責任を取っていこうと考えていた。最後に飛び出した時は番手が良い位置にいて、前の選手が飛び出したところについて行くことが出来た。予選から安定して上位で走ることが出来ていたので、自分としては満足いく結果になったと思う。今1年なので、2年、3年のインターハイでも優勝出来るようになりたい。特にロードレースで上位に入れるようにしたい」
ポイントレース決勝

24名が出走した男子ポイントレース決勝 photo:Satoru Kato

男子ポイントレース決勝 永橋湧斗(南大隅高校)と上田涼太(日出総合高校)が前半20周を逃げる photo:Satoru Kato

男子ポイントレース決勝 永橋湧斗(南大隅高校)がフィニッシュもトップで優勝を決める photo:Satoru Kato
男子は予選から勝ち上がった24名により、60周24kmの決勝が行われた。序盤、2回目のポイント周回直後から永橋湧斗(南大隅高校)と上田涼太(日出総合高校)の2名が抜け出し、集団に半周差をつけて先行。この間に永橋が25ポイントを獲得して大きくリードする。2名は終盤に集団に戻るものの、永橋は木綿崚介(松山学院高校)の飛び出しに追従して再び先行。最後はポイントが倍になるフィニッシュも1位となって勝負を決めた。

男子ポイントレース 表彰式 photo:Satoru Kato
永橋湧斗 コメント
「周り見たら強い選手しかいなくて、でもそこで気持ちで負けたらいけないと思って臨んだ。2人で逃げてラップを狙っていたけれど、脚が足りなくて出来なかった。集団との差が詰まったり開いたりで、これは逃げ切れないなと思った。それは今回の課題。明日のロードレースも気持ちを高く持っていきたい」

ポイントレース女子決勝は14名が出走 photo:Satoru Kato

女子ポイントレース決勝 松山学院高校の2人に続く西原夕華(北桑田高校) photo:Satoru Kato

女子ポイントレース決勝 西原夕華(北桑田高校)がフィニッシュ1位で勝負を決めた photo:Satoru Kato
女子は14名が出走。スタート直後から西原夕華(北桑田高校)がリードするも、近田ちひろと江崎結衣(共に松山学院高校)が追い上げ、終盤に江崎が逆転して首位に立つ。しかしフィニッシュに向けて脚を溜めていたという西原がフィニッシュで1位を獲り、再逆転して優勝を決めた。

女子ポイントレース 表彰式 photo:Satoru Kato
西原夕華 コメント
「最初からポイントを取りに行ったが、5回目のポイントはあえて脚を使わずに、最後の倍点を絶対取りに行くつもりでいた。松山学院の2人が中盤にポイントを重ねて点差が迫っていたが、最後の10点を取れば勝てると思い、しっかり狙っていった。昨日の2kmは絶対勝ちたいと思っていたが負けてしまい、悔しかったのでポイントレースで勝てて嬉しい。今年のインターハイでは2kmで絶対勝ちたい。将来はオリンピックに出場して金メダルを取りたい」
スプリント決勝

男子スプリント決勝 榊枝天旺(学法石川)が松久侑叶(岐南工業高校)を引き離す photo:Satoru Kato
男子スプリント決勝は、予選で大会新記録をマークした榊枝天旺(学法石川)と、予選3位の松久侑叶(岐南工業高校)が対戦。榊枝が2本共に松久を圧倒し、優勝を決めた。

男子スプリント 表彰式 photo:Satoru Kato
榊枝天旺 コメント
「焦りが一番良くないので、落ち着いて相手をよく見て、自分の行くタイミングで仕掛けられた。出来るだけ脚を使わないように、相手に合わせて行くことを心がけた。この大会は今までで一番緊張した大会だった。サポートや応援してくれた人たちのおかげで優勝出来たので、その気持ちを忘れずにインターハイでも優勝出来るようにしたい。8月の世界選手権に出場して金メダルを取りたい」

女子スプリント決勝 鶴葵衣(祐誠高校)が2本連取で優勝 photo:Satoru Kato
女子スプリント決勝は、500mタイムトライアル優勝の鶴葵衣(祐誠高校)と、2km個人パーシュート優勝の北中成実(倉吉西高校)が対戦。鶴が2本連取で優勝し、今大会2冠を達成した。

女子スプリント 表彰式 photo:Satoru Kato
鶴葵衣 コメント
「決勝1本目は相手に押し上げられて、それをかわそうとしたけれどうまくいかず、自分の作戦通りにはいかなかったけれど最後は差を広げて勝てたので良かったと思う。スプリントが得意種目だけれど、インターハイでは無いのでケイリンで頑張りたい。1対1のスプリントと違い、ケイリンは多人数を見なければいけないので、練習して強くなりたい」
ケイリン決勝

男子ケイリン 決勝 photo:Satoru Kato 
男子ケイリン決勝 河上駿太(松山学院)が仕掛けて最終周回へ photo:Satoru Kato

男子ケイリン決勝 河上駿太(松山学院高校)が先行逃げ切りで優勝 photo:Satoru Kato
男子ケイリンは、予選から勝ち上がった6名での決勝戦。最終周回の打鐘を聴きながら先行した河上駿太(松山学院)が逃げ切って優勝を決めた。

男子ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato
河上駿太 コメント
「決勝では逃げるつもりで臨み、それが決まって勝つことが出来て良かった。この大会では予選から全て逃げて勝つと決めていたので、それを実現出来た。最後のインターハイでは1kmタイムトライアルで新記録を出したい」

女子ケイリン 決勝 photo:Satoru Kato

女子ケイリン決勝 戸田朱音(福井科技高校)が抜け出して逃げ切り勝ち photo:Satoru Kato
女子ケイリンも1回戦から勝ち上がった6名での決勝が行われ、最終周回バックストレートから仕掛けた戸田朱音(福井科技高校)が後続を引き離して先着し、優勝した。

女子ケイリン 表彰式 photo:Satoru Kato
戸田朱音 コメント
「最後のバックストレートで集団が団子になっていたのを見て、後ろから仕掛けていった。もっと最初から自分で行くつもりだったけれど行けなくて、最後にチャンスがあったのでイチかバチかで踏んだ。昨年はケイリン5位でとても悔しかったので、今回は決勝に出ることをまず目標にしていた。不安と緊張があったけれど、調子が良かったので覚悟を決めて勝負した。インターハイではケイリンと500mで勝ちたい」
トラック3日間を終え、学校対向の総合成績では男女共に松山学院高校が2位に大差をつけて首位に立った。明日は大分県のオートポリスに場所を移してロードレースが行われる。

全国高等学校選抜大会トラック最終日は、男子4km速度競争、男女ポイントレース、男女スプリント、男女ケイリンの決勝が行われた。この日は昼前から雨が降る天気となったが、屋内競技場の北九州メディアドームは天候に関係なく熱戦が繰り広げられた。
男子4km速度競争


2回の先頭責任を完了することが優勝の条件となる4km速度競争は、予選・準決勝と勝ち上がってきた12名による決勝が行われた。勝負は先頭責任を完了した6名での争いとなり、最終盤に抜け出した森下圭祐(三重高校)が優勝。新記録に迫る4分40秒台のハイペースとなった。(24.3.30 訂正)

森下圭祐 コメント
「スタートが5番手だったので、先頭交代しながら早めに先頭責任を取っていこうと考えていた。最後に飛び出した時は番手が良い位置にいて、前の選手が飛び出したところについて行くことが出来た。予選から安定して上位で走ることが出来ていたので、自分としては満足いく結果になったと思う。今1年なので、2年、3年のインターハイでも優勝出来るようになりたい。特にロードレースで上位に入れるようにしたい」
ポイントレース決勝



男子は予選から勝ち上がった24名により、60周24kmの決勝が行われた。序盤、2回目のポイント周回直後から永橋湧斗(南大隅高校)と上田涼太(日出総合高校)の2名が抜け出し、集団に半周差をつけて先行。この間に永橋が25ポイントを獲得して大きくリードする。2名は終盤に集団に戻るものの、永橋は木綿崚介(松山学院高校)の飛び出しに追従して再び先行。最後はポイントが倍になるフィニッシュも1位となって勝負を決めた。

永橋湧斗 コメント
「周り見たら強い選手しかいなくて、でもそこで気持ちで負けたらいけないと思って臨んだ。2人で逃げてラップを狙っていたけれど、脚が足りなくて出来なかった。集団との差が詰まったり開いたりで、これは逃げ切れないなと思った。それは今回の課題。明日のロードレースも気持ちを高く持っていきたい」



女子は14名が出走。スタート直後から西原夕華(北桑田高校)がリードするも、近田ちひろと江崎結衣(共に松山学院高校)が追い上げ、終盤に江崎が逆転して首位に立つ。しかしフィニッシュに向けて脚を溜めていたという西原がフィニッシュで1位を獲り、再逆転して優勝を決めた。

西原夕華 コメント
「最初からポイントを取りに行ったが、5回目のポイントはあえて脚を使わずに、最後の倍点を絶対取りに行くつもりでいた。松山学院の2人が中盤にポイントを重ねて点差が迫っていたが、最後の10点を取れば勝てると思い、しっかり狙っていった。昨日の2kmは絶対勝ちたいと思っていたが負けてしまい、悔しかったのでポイントレースで勝てて嬉しい。今年のインターハイでは2kmで絶対勝ちたい。将来はオリンピックに出場して金メダルを取りたい」
スプリント決勝

男子スプリント決勝は、予選で大会新記録をマークした榊枝天旺(学法石川)と、予選3位の松久侑叶(岐南工業高校)が対戦。榊枝が2本共に松久を圧倒し、優勝を決めた。

榊枝天旺 コメント
「焦りが一番良くないので、落ち着いて相手をよく見て、自分の行くタイミングで仕掛けられた。出来るだけ脚を使わないように、相手に合わせて行くことを心がけた。この大会は今までで一番緊張した大会だった。サポートや応援してくれた人たちのおかげで優勝出来たので、その気持ちを忘れずにインターハイでも優勝出来るようにしたい。8月の世界選手権に出場して金メダルを取りたい」

女子スプリント決勝は、500mタイムトライアル優勝の鶴葵衣(祐誠高校)と、2km個人パーシュート優勝の北中成実(倉吉西高校)が対戦。鶴が2本連取で優勝し、今大会2冠を達成した。

鶴葵衣 コメント
「決勝1本目は相手に押し上げられて、それをかわそうとしたけれどうまくいかず、自分の作戦通りにはいかなかったけれど最後は差を広げて勝てたので良かったと思う。スプリントが得意種目だけれど、インターハイでは無いのでケイリンで頑張りたい。1対1のスプリントと違い、ケイリンは多人数を見なければいけないので、練習して強くなりたい」
ケイリン決勝



男子ケイリンは、予選から勝ち上がった6名での決勝戦。最終周回の打鐘を聴きながら先行した河上駿太(松山学院)が逃げ切って優勝を決めた。

河上駿太 コメント
「決勝では逃げるつもりで臨み、それが決まって勝つことが出来て良かった。この大会では予選から全て逃げて勝つと決めていたので、それを実現出来た。最後のインターハイでは1kmタイムトライアルで新記録を出したい」


女子ケイリンも1回戦から勝ち上がった6名での決勝が行われ、最終周回バックストレートから仕掛けた戸田朱音(福井科技高校)が後続を引き離して先着し、優勝した。

戸田朱音 コメント
「最後のバックストレートで集団が団子になっていたのを見て、後ろから仕掛けていった。もっと最初から自分で行くつもりだったけれど行けなくて、最後にチャンスがあったのでイチかバチかで踏んだ。昨年はケイリン5位でとても悔しかったので、今回は決勝に出ることをまず目標にしていた。不安と緊張があったけれど、調子が良かったので覚悟を決めて勝負した。インターハイではケイリンと500mで勝ちたい」
トラック3日間を終え、学校対向の総合成績では男女共に松山学院高校が2位に大差をつけて首位に立った。明日は大分県のオートポリスに場所を移してロードレースが行われる。
全国高校選抜大会 3日目結果
4km速度競争 | ||
1位 | 森下圭祐(三重高校) | 4分40秒992 |
2位 | 月見里 櫂(佼成学園) | |
3位 | 新谷玲依(日出総合高校) | |
4位 | 原田應佑(水島工業高校) | |
5位 | 阿部 倭(松山学院高校) | |
6位 | 野﨑優空(日大豊山高校) | |
男子ポイントレース(24km) | ||
1位 | 永橋湧斗(南大隅高校) | 38p |
2位 | 三浦一真(湘南工科高校) | 20p |
3位 | 上田涼太(日出総合高校) | 15p |
4位 | 木綿崚介(松山学院高校) | 13p |
5位 | 成田光志(学法石川高校) | 10p |
6位 | 和田侑志(都城工業高校) | 7p |
女子ポイントレース(12km) | ||
1位 | 西原夕華(北桑田高校) | 18p |
2位 | 近田ちひろ(松山学院高校) | 12p |
3位 | 江崎結衣(松山学院高校) | 12p |
4位 | 安達心晴(九州学院高校) | 10p |
5位 | 今西紗楽(榛生昇陽・宇陀高校) | 9p |
6位 | 伊藤日菜子(千葉経済大学附属高校) | 5p |
男子スプリント(タイムは予選時) | ||
1位 | 榊枝天旺(学法石川) | 10秒629 |
2位 | 松久侑叶(岐南工業高校) | 11秒022 |
3位 | 宮澤陽大(甲府工業高校) | 11秒073 |
4位 | 青谷拓摩(八王子桑志高校) | 11秒230 |
5位 | 畠山大輝(法政大学第二高校) | 11秒127 |
6位 | 城戸一掛(祐誠高校) | 11秒190 |
女子スプリント(タイムは予選時) | ||
1位 | 鶴 葵衣(祐誠高校) | 12秒098 |
2位 | 北中成実(倉吉西高校) | 12秒364 |
3位 | 齊藤 萌(別府翔青高校) | 12秒625 |
4位 | 鍋島実愛(宮崎農業高校) | 12秒571 |
5位 | 玉井葵妃(松山学院高校) | 12秒649 |
6位 | 藤川留唯(金沢市立工業高校) | 13秒120 |
ケイリン男子 | 上り参考タイム | ケイリン女子 | 上り参考タイム | |
1位 | 河上駿太(松山学院) | 11秒321 | 戸田朱音(福井科技高校) | 12秒353 |
2位 | 山崎颯大(初芝立命館高校) | 井関文月(高松工芸高校) | ||
3位 | 久貝一心(北中城高校) | 白井愛美(広島市立工業高校) | ||
4位 | 小岩虎ノ介(別府翔青高校) | 伊藤來未(日出総合高校) | ||
5位 | 永江義一(祐誠高校) | 三谷優空(松山学院高校) | ||
6位 | 宇野夢人(高松工芸高校) | 山口成美(京都精華高校) |
text&photo:Satoru Kato
Amazon.co.jp