2024/02/22(木) - 09:15
優勝候補のアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が脳震盪により棄権したUAEツアー3日目。名物坂ジュベル・ジャイスで争われた登坂バトルをベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル)が制し、区間2位のジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ)が総合首位に立った。
リゾートホテルが建ち並ぶアル・マルジャン島を出発し、ジュベル・ジャイスの頂上を目指すUAEツアー第3ステージ。176kmコースの内訳は136kmに及ぶ平坦路から徐々に標高を上げていき、最後は大会の名物であるジュベル・ジャイス(距離21.1km/平均5.4%)を駆け上がる。勝負所となるのは平均勾配が9%に上がるフィニッシュ手前2km地点からだ。
シンプルなレイアウトのレース序盤で飛び出したのは、初日にも逃げたマーク・スチュワート(イギリス、コラテック・ヴィーニファンティーニ)とシルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・ドゥクーニンク)の2人。一方、前日の個人タイムトライアルでトップスリーを独占したUAEチームエミレーツのいるメイン集団では、残り100km地点で吹き付けた横風で一気に緊張感が増した。
ヴィスマ・リースアバイクやスーダル・クイックステップのペースアップにより集団は分裂し、逃げの2人を飲み込んだプロトンは総合勢を含む約80名に絞られる。一時は40秒差をつけられた第2集団だったが、ボーラ・ハンスグローエの先導と風向きが変わったことにより第1集団に合流。直後にスチュワートがこの日2度目のアタックを決め、今度はそれにヨナス・リカールト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が付き合った。
再び逃げとそれを追う構図となったメイン集団では、残り47kmでアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が落車。大きな外傷はなく本人も「大丈夫だ」と語ったためレースに復帰したものの、記憶の混濁など脳震盪の症状が見られたため残り10km地点でレースを降りた。
総合優勝の最有力が去ったプロトンは残り29kmで最後まで逃げたスチュワートをキャッチ。UAEが牽引をはじめた集団はジュベル・ジャイス(距離21.1km/平均5.4%)に突入し、頂上まで12kmを残しエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)のアタックから登坂バトルが幕開けた。
昨年はそのままハイペースで踏み続けバースデー勝利を飾ったルビオだったが、今年はUAEの隊列がそれを許さず捉える。ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)が40名程度に絞るハイペースに、今度はヤン・ヒルト(チェコ、スーダル・クイックステップ)がアタック。しかしビョーグがこれも引き戻し、フラムルージュ(残り1km)の手前でデカトロンAG2Rラモンディアルのヴァランタン・パレパントル(フランス)とベン・オコーナー(オーストラリア)が飛び出した。
パレパントルの背後から加速し、単独先頭となったオコーナーに総合リーダージャージを着るブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)は反応できない。代わってジェイ・ヴァイン(オーストラリア)が追いかけたものの、抜群のタイミングとその脚力を見せつけたオコーナーがフィニッシュラインを通過。2位に5秒差をつけ、ジュベル・ジャイスを制覇した。
「長らく山岳レースで勝てていなかったので嬉しいよ。スプリントに持ち込まれたら勝ち目がないと思い、残り1kmで仕掛けようとチームで話し合った。しかしパレパントルの加速が強烈で遅れるところだった(笑)。だが計画通りリードを得て、追い風も味方してくれた」と2月10日にスペインで行われたワンデーレースに続き、今季2勝目を掴んだオコーナーは語っている。
この結果オコーナーは総合で2位に浮上。総合リーダージャージは14秒遅れでフィニッシュしたマクナルティに代わり、チームメイトのヴァインが引き継いだ。
リゾートホテルが建ち並ぶアル・マルジャン島を出発し、ジュベル・ジャイスの頂上を目指すUAEツアー第3ステージ。176kmコースの内訳は136kmに及ぶ平坦路から徐々に標高を上げていき、最後は大会の名物であるジュベル・ジャイス(距離21.1km/平均5.4%)を駆け上がる。勝負所となるのは平均勾配が9%に上がるフィニッシュ手前2km地点からだ。
シンプルなレイアウトのレース序盤で飛び出したのは、初日にも逃げたマーク・スチュワート(イギリス、コラテック・ヴィーニファンティーニ)とシルヴァン・ディリエ(スイス、アルペシン・ドゥクーニンク)の2人。一方、前日の個人タイムトライアルでトップスリーを独占したUAEチームエミレーツのいるメイン集団では、残り100km地点で吹き付けた横風で一気に緊張感が増した。
ヴィスマ・リースアバイクやスーダル・クイックステップのペースアップにより集団は分裂し、逃げの2人を飲み込んだプロトンは総合勢を含む約80名に絞られる。一時は40秒差をつけられた第2集団だったが、ボーラ・ハンスグローエの先導と風向きが変わったことにより第1集団に合流。直後にスチュワートがこの日2度目のアタックを決め、今度はそれにヨナス・リカールト(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が付き合った。
再び逃げとそれを追う構図となったメイン集団では、残り47kmでアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が落車。大きな外傷はなく本人も「大丈夫だ」と語ったためレースに復帰したものの、記憶の混濁など脳震盪の症状が見られたため残り10km地点でレースを降りた。
総合優勝の最有力が去ったプロトンは残り29kmで最後まで逃げたスチュワートをキャッチ。UAEが牽引をはじめた集団はジュベル・ジャイス(距離21.1km/平均5.4%)に突入し、頂上まで12kmを残しエイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター)のアタックから登坂バトルが幕開けた。
昨年はそのままハイペースで踏み続けバースデー勝利を飾ったルビオだったが、今年はUAEの隊列がそれを許さず捉える。ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ)が40名程度に絞るハイペースに、今度はヤン・ヒルト(チェコ、スーダル・クイックステップ)がアタック。しかしビョーグがこれも引き戻し、フラムルージュ(残り1km)の手前でデカトロンAG2Rラモンディアルのヴァランタン・パレパントル(フランス)とベン・オコーナー(オーストラリア)が飛び出した。
パレパントルの背後から加速し、単独先頭となったオコーナーに総合リーダージャージを着るブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ)は反応できない。代わってジェイ・ヴァイン(オーストラリア)が追いかけたものの、抜群のタイミングとその脚力を見せつけたオコーナーがフィニッシュラインを通過。2位に5秒差をつけ、ジュベル・ジャイスを制覇した。
「長らく山岳レースで勝てていなかったので嬉しいよ。スプリントに持ち込まれたら勝ち目がないと思い、残り1kmで仕掛けようとチームで話し合った。しかしパレパントルの加速が強烈で遅れるところだった(笑)。だが計画通りリードを得て、追い風も味方してくれた」と2月10日にスペインで行われたワンデーレースに続き、今季2勝目を掴んだオコーナーは語っている。
この結果オコーナーは総合で2位に浮上。総合リーダージャージは14秒遅れでフィニッシュしたマクナルティに代わり、チームメイトのヴァインが引き継いだ。
UAEツアー2024第3ステージ結果
1位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | 4:16:21 |
2位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ) | +0:05 |
3位 | レナルト・ファンイートヴェルト(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
4位 | マックス・プール(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | |
5位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
6位 | アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | マシュー・リッチテッロ(アメリカ、イスラエル・プレミアテック) | |
8位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | エイネルアウグスト・ルビオ(コロンビア、モビスター) | |
10位 | サイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) |
個人総合成績
1位 | ジェイ・ヴァイン(オーストラリア、UAEチームエミレーツ) | 7:39:44 |
2位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、デカトロンAG2Rラモンディアル) | +0:11 |
3位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | +0:13 |
4位 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:21 |
5位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:22 |
6位 | マックス・プール(イギリス、DSMフィルメニッヒ・ポストNL) | +0:31 |
7位 | トビアス・フォス(ノルウェー、イネオス・グレナディアーズ) | +0:33 |
8位 | サイモン・カー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:36 |
9位 | ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ) | +0:37 |
10位 | アッティラ・ヴァルテル(ハンガリー、ヴィスマ・リースアバイク) | +0:39 |
その他の特別賞
ポイント賞 | マーク・スチュワート(イギリス、コラテック・ヴィーニファンティーニ) |
ヤングライダー賞 | イラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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