2024/02/19(月) - 09:00
平均勾配9%のマルハオ峠にフィニッシュしたヴォルタ・アン・アルガルヴェ最終日。得意の登りスプリントでダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)が今大会2勝目を挙げ、区間2位のレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が総合優勝に輝いた。
同時開催の予定だったブエルタ・ア・アンダルシアが僅か1日で終了した一方で、ポルトガルが舞台のヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.Pro)は無事に最終ステージまで辿り着いた。大会5日目は港町であるファロから丘陵地帯を巡る165.8km。勝負所は終盤に2度登る2級山岳マルハオ峠(距離2.6km/平均9.2%)で、フィニッシュ地点はその頂上だ。
前日の個人タイムトライアルで区間4位だった注目の若手イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が発熱で未出走だったこの日、最初の中間スプリント(28.6km)をヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)がトップ通過する。そのため初日を制したテイッセンはポイント賞ジャージを獲得し、その後はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が先導する集団から20名が飛び出し、大所帯の逃げ集団を形成した。
グルパマFDJが3名を乗せ、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)の入った逃げとボーラ・ハンスグローエに牽引が代わったメイン集団との差は3分。すると残り距離が40kmを切った3級山岳でファンアールトがプロトンから飛び出し、それに総合6位からのジャンプアップを目指すベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)が追従。2人は登りでバラバラとなった逃げ集団を捉え、1度目のマルハオ峠(残り24km地点)で今度はヒーリーが仕掛けた。
このアイルランド王者による加速にファンアールトとハイス・レイムライゼ(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)の2人が反応する。それをスーダル・クイックステップの山岳アシストであるジェームス・ノックス(イギリス)とミケル・ランダ(スペイン)がプロトン先頭で追い、最後のマルハオ峠(距離2.6km/平均9.2%)に突入。15名程度に絞られた精鋭集団は残り2km前で単独となっていたヒーリーを捉え、最終日の区間優勝と総合優勝を決める登坂バトルが幕開けた。
最初に動いたのは集団で脚の回復を図っていたヒーリー。しかし後続を引き離す力は残っておらず、総合逆転を目指すダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)の攻撃も決め手に欠く。その後、今大会は登坂力が光るヤン・トラトニク(スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク)のためセップ・クス(アメリカ)がペースを作り、残り500mでレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が仕掛けた。
軽快なダンシングで後続を引き離すエヴェネプールだったが、爆発力で上回るマルティネスは千切ることはできない。そして第2ステージと同じく、登坂スプリントでマルティネスが今大会2勝目を手に入れた。
「今大会で最も厳しいステージだった。アタックが繰り返されたものの、フィニッシュ地点まで距離があると把握していたので冷静に対処した。2年前はここで2位だったので、この勝利は特別な意味を持つよ」と語ったマルティネス。ボーナスタイム-10秒を加算したものの、エヴェネプールには届かず総合2位で大会を終えている。
一方、第48代総合優勝者に輝いたエヴェネプールは「今日は良いチームと良い脚があった。素晴らしいシーズン開幕戦となったよ」と喜んだ。また総合3位にはルーラーで知られるトラトニクが入り、総合表彰台に上がっている。
同時開催の予定だったブエルタ・ア・アンダルシアが僅か1日で終了した一方で、ポルトガルが舞台のヴォルタ・アン・アルガルヴェ(UCI2.Pro)は無事に最終ステージまで辿り着いた。大会5日目は港町であるファロから丘陵地帯を巡る165.8km。勝負所は終盤に2度登る2級山岳マルハオ峠(距離2.6km/平均9.2%)で、フィニッシュ地点はその頂上だ。
前日の個人タイムトライアルで区間4位だった注目の若手イサーク・デルトロ(メキシコ、UAEチームエミレーツ)が発熱で未出走だったこの日、最初の中間スプリント(28.6km)をヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ)がトップ通過する。そのため初日を制したテイッセンはポイント賞ジャージを獲得し、その後はワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク)が先導する集団から20名が飛び出し、大所帯の逃げ集団を形成した。
グルパマFDJが3名を乗せ、フィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)の入った逃げとボーラ・ハンスグローエに牽引が代わったメイン集団との差は3分。すると残り距離が40kmを切った3級山岳でファンアールトがプロトンから飛び出し、それに総合6位からのジャンプアップを目指すベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)が追従。2人は登りでバラバラとなった逃げ集団を捉え、1度目のマルハオ峠(残り24km地点)で今度はヒーリーが仕掛けた。
このアイルランド王者による加速にファンアールトとハイス・レイムライゼ(オランダ、DSMフィルメニッヒ・ポストNL)の2人が反応する。それをスーダル・クイックステップの山岳アシストであるジェームス・ノックス(イギリス)とミケル・ランダ(スペイン)がプロトン先頭で追い、最後のマルハオ峠(距離2.6km/平均9.2%)に突入。15名程度に絞られた精鋭集団は残り2km前で単独となっていたヒーリーを捉え、最終日の区間優勝と総合優勝を決める登坂バトルが幕開けた。
最初に動いたのは集団で脚の回復を図っていたヒーリー。しかし後続を引き離す力は残っておらず、総合逆転を目指すダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)の攻撃も決め手に欠く。その後、今大会は登坂力が光るヤン・トラトニク(スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク)のためセップ・クス(アメリカ)がペースを作り、残り500mでレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が仕掛けた。
軽快なダンシングで後続を引き離すエヴェネプールだったが、爆発力で上回るマルティネスは千切ることはできない。そして第2ステージと同じく、登坂スプリントでマルティネスが今大会2勝目を手に入れた。
「今大会で最も厳しいステージだった。アタックが繰り返されたものの、フィニッシュ地点まで距離があると把握していたので冷静に対処した。2年前はここで2位だったので、この勝利は特別な意味を持つよ」と語ったマルティネス。ボーナスタイム-10秒を加算したものの、エヴェネプールには届かず総合2位で大会を終えている。
一方、第48代総合優勝者に輝いたエヴェネプールは「今日は良いチームと良い脚があった。素晴らしいシーズン開幕戦となったよ」と喜んだ。また総合3位にはルーラーで知られるトラトニクが入り、総合表彰台に上がっている。
ヴォルタ・アン・アルガルヴェ2024第5ステージ結果
1位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | 3:55:35 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:03 |
4位 | クリスティアン・スカローニ(イタリア、アスタナ・カザクスタン) | +0:07 |
5位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク) | |
6位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | |
7位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、リドル・トレック) | +0:016 |
8位 | ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | |
10位 | アントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:024 |
個人総合成績
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 18:45:53 |
2位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:43 |
3位 | ヤン・トラトニク(スロベニア、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:21 |
4位 | ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | +1:42 |
5位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | +1:45 |
6位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +1:49 |
7位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:57 |
8位 | セップ・クス(アメリカ、ヴィスマ・リースアバイク) | +1:59 |
9位 | シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ) | +2:06 |
10位 | アントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +2:09 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・ワンティ) |
山岳賞 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ) |
ヤングライダー賞 | アントニオ・モルガド(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | ヴィスマ・リースアバイク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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