2023/12/27(水) - 12:30
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の勢い止まらず、ファンアールトとピドコックを下し今季4勝目。女子レースではパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がファンエンペルの連勝記録に待ったをかけた。
ヨーロッパのシクロクロスカレンダーは、重要レースが集中するクリスマスから年末年始にかけてのホリデーシーズンをフルスロットルで消化中。クリスマスイブに開催された前戦からわずか2日後、12月26日(火)にはUCIシクロクロスワールドカップ第10戦がベルギーのガーフェレで開催された。
全カテゴリー共にスター選手が勢揃いしたため、高低差のある山林を縦横無尽に駆け巡るガーフェレの難コースには15,000人ものファンが集結。滑りやすく、バイクにまとわりつく泥がコースを覆い、試走中には世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が下り区間で落車してしまう。もともと痛めていた右膝を強打するという不安材料を抱えた状態でのスタートとなった。
女子エリート:ファンエンペルの連勝ストップ 攻めの走りでピーテルスが今季初勝利

スタート直後から積極的な走りを見せたパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) photo:CorVos
女子エリートレースはマリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス)が得意のダッシュを決め、パック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がすぐに先頭を奪う展開でスタート。オランダ女王がアクセル全開で飛ばす一方、ファンエンペルにはここまで11連勝をマークしてきた勢いは無かった。
「なぜか分からないけど、特に最初の数周は身体が動かなかった」と振り返るファンエンペルを尻目にピーテルスが飛ばし、落車をきっかけにW杯ランキングリーダーのセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が合流する。しかしバイクコントロールやランニング能力も問われる難コースが徐々に2人の実力差を浮き彫りに。「数回転んでもパニックにならなかった」と言うピーテルスがアルバラードを再び引き離した。

フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)は序盤調子が上がらず2位。連勝記録が潰えた photo:CorVos

パック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)が今季初勝利 photo:CorVos
中盤に入って息を吹き返したファンエンペルはルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)を引き離し、最終周回にはアルバラードをもパス。しかし前を走る同い年のライバルだけには届かなかった。
ピーテルスが、ファンエンペルの連勝記録に待ったをかける価値ある今季初勝利を達成した。「クリスマスまでには調子が戻っているはずと言われていて、今日はそのことを体感できて良かった。フェムには残念だけど、誰かが彼女の連勝記録を止めなければいけなかった」とレース後のインタビューでコメントする。2位に甘んじたファンエンペルもレース後半は本来の走りを見せており、「最後は疲れでミスをしてしまった」と言う3位アルバラードと4位ブラントも登り調子。力が拮抗し始めたこの4人が、世界選手権に向けてさらにレースを沸かせることだろう。
男子エリート:ファンデルプール爆走 ファンアールトを置き去りに

マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が1周目から独走体制を敷く photo:CorVos
男子エリートレースではマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、そしてトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)というスター選手が再戦。ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がスタートダッシュを決めたものの、この日はすぐに世界王者が動いた。
「このコースは一人で走るのはもちろん、誰かについていくのが本当に難しい。それではさらにミスを犯すことになる」と振り返るファンデルプールは、2列目スタートからすぐにポジションを上げ、1周回完了を待たず先頭に立ち独走態勢へ。ファンアールトは暫くライバルを追走していたものの、「マチューにどれだけ近づけるか見極めたかったけど、2周目に彼についていこうとして限界を超えてしまった」と水をあけられてしまう。一人すば抜けたラップタイムで周回を重ねるファンデルプールは、レース時間が半分を過ぎた段階で40秒ものリードを構築した。

「マチューのペースで限界を迎えてしまった」と言うワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos

スタートで出遅れたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos
「本当に難しいレースだった。泥はベタベタしていたし、周回を重ねるたびに重くなっていった。めちゃくちゃタフだった」と言うコメントを感じさせない走りで世界王者が勝った。2位はファンアールト、3位にはスタートで出遅れたピドコック。それぞれ36秒と58秒という、シクロクロスでは大差と言える差でもって。
「マチューのペースで限界を超え、そのツケを払うことになってしまった。このコースでは一度自分のリズムを失うとロクなことがない。後半はペースを持ち直したけれどマチューは"ネクストレベル"だった」と言うファンアールト。チェーントラブルにも見舞われ、終始追いかけるレースを強いられたピドコックは「スタートが残念だった。ペース自体は悪くなくて、いくつかミスもしたけど、それでも表彰台に上がることができた」と話している。

今季負けなしの4勝目を達成したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos

ビッグスリーが揃って表彰台に上がる photo:CorVos
本日27日にはベルギーの名門コース「ヒューズデン・ゾルダー」にてスーパープレスティージュが開催される。ビッグスリーの中ではファンアールトだけが参戦の予定。「いつも勝利を目指しているけれど、マチューがいないので少し気が楽かもしれない」とのコメントを残している。また、このレースには全日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)も出場予定だ。
ヨーロッパのシクロクロスカレンダーは、重要レースが集中するクリスマスから年末年始にかけてのホリデーシーズンをフルスロットルで消化中。クリスマスイブに開催された前戦からわずか2日後、12月26日(火)にはUCIシクロクロスワールドカップ第10戦がベルギーのガーフェレで開催された。
全カテゴリー共にスター選手が勢揃いしたため、高低差のある山林を縦横無尽に駆け巡るガーフェレの難コースには15,000人ものファンが集結。滑りやすく、バイクにまとわりつく泥がコースを覆い、試走中には世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が下り区間で落車してしまう。もともと痛めていた右膝を強打するという不安材料を抱えた状態でのスタートとなった。
女子エリート:ファンエンペルの連勝ストップ 攻めの走りでピーテルスが今季初勝利

女子エリートレースはマリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス)が得意のダッシュを決め、パック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)がすぐに先頭を奪う展開でスタート。オランダ女王がアクセル全開で飛ばす一方、ファンエンペルにはここまで11連勝をマークしてきた勢いは無かった。
「なぜか分からないけど、特に最初の数周は身体が動かなかった」と振り返るファンエンペルを尻目にピーテルスが飛ばし、落車をきっかけにW杯ランキングリーダーのセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が合流する。しかしバイクコントロールやランニング能力も問われる難コースが徐々に2人の実力差を浮き彫りに。「数回転んでもパニックにならなかった」と言うピーテルスがアルバラードを再び引き離した。


中盤に入って息を吹き返したファンエンペルはルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)を引き離し、最終周回にはアルバラードをもパス。しかし前を走る同い年のライバルだけには届かなかった。
ピーテルスが、ファンエンペルの連勝記録に待ったをかける価値ある今季初勝利を達成した。「クリスマスまでには調子が戻っているはずと言われていて、今日はそのことを体感できて良かった。フェムには残念だけど、誰かが彼女の連勝記録を止めなければいけなかった」とレース後のインタビューでコメントする。2位に甘んじたファンエンペルもレース後半は本来の走りを見せており、「最後は疲れでミスをしてしまった」と言う3位アルバラードと4位ブラントも登り調子。力が拮抗し始めたこの4人が、世界選手権に向けてさらにレースを沸かせることだろう。
男子エリート:ファンデルプール爆走 ファンアールトを置き去りに

男子エリートレースではマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、そしてトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)というスター選手が再戦。ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がスタートダッシュを決めたものの、この日はすぐに世界王者が動いた。
「このコースは一人で走るのはもちろん、誰かについていくのが本当に難しい。それではさらにミスを犯すことになる」と振り返るファンデルプールは、2列目スタートからすぐにポジションを上げ、1周回完了を待たず先頭に立ち独走態勢へ。ファンアールトは暫くライバルを追走していたものの、「マチューにどれだけ近づけるか見極めたかったけど、2周目に彼についていこうとして限界を超えてしまった」と水をあけられてしまう。一人すば抜けたラップタイムで周回を重ねるファンデルプールは、レース時間が半分を過ぎた段階で40秒ものリードを構築した。


「本当に難しいレースだった。泥はベタベタしていたし、周回を重ねるたびに重くなっていった。めちゃくちゃタフだった」と言うコメントを感じさせない走りで世界王者が勝った。2位はファンアールト、3位にはスタートで出遅れたピドコック。それぞれ36秒と58秒という、シクロクロスでは大差と言える差でもって。
「マチューのペースで限界を超え、そのツケを払うことになってしまった。このコースでは一度自分のリズムを失うとロクなことがない。後半はペースを持ち直したけれどマチューは"ネクストレベル"だった」と言うファンアールト。チェーントラブルにも見舞われ、終始追いかけるレースを強いられたピドコックは「スタートが残念だった。ペース自体は悪くなくて、いくつかミスもしたけど、それでも表彰台に上がることができた」と話している。


本日27日にはベルギーの名門コース「ヒューズデン・ゾルダー」にてスーパープレスティージュが開催される。ビッグスリーの中ではファンアールトだけが参戦の予定。「いつも勝利を目指しているけれど、マチューがいないので少し気が楽かもしれない」とのコメントを残している。また、このレースには全日本王者の織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)も出場予定だ。
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第10戦 女子エリート結果
1位 | パック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク) | 55:09 |
2位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:28 |
3位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | +0:47 |
4位 | ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:38 |
5位 | カータ・ヴァス(ハンガリー、SDワークス) | +2:18 |
6位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、キャニオン・スラム) | +3:07 |
7位 | サラ・カサソラ(イタリア、FASエアポートサービス・グエルチョッティ) | +3:23 |
8位 | インゲ・ファンデルヘイデン(オランダ、クレラン・コレンドン) | +3:35 |
9位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +3:44 |
10位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・コレンドン) | +3:49 |
UCIシクロクロスワールドカップ2023-2024 第10戦 男子エリート結果
1位 | マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 1:07:06 |
2位 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | +0:36 |
3位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:58 |
4位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:07 |
5位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +1:36 |
6位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +2:27 |
7位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +2:31 |
8位 | ピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +2:37 |
9位 | エミエル・フェルストリンゲ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +3:05 |
10位 | キャメロン・メイソン(イギリス、シクロクロスレッズ) | +3:22 |
text:So.Isobe
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