UCI(国際自転車競技連合)がステークホルダーを集めた定例会議を行い、「ブレーキレバーを極端に内側に向けるセッティング」を規制する意向を明らかにした。規制は2024年に実行され、2025年にメーカーが定めた取り付けガイドラインの遵守が義務化される。



今年から内向きブラケットを採用したポガチャル photo:CorVos

「ブレーキレバーを極端に傾けることはライダーのブレーキ制動力を制限し、意図された用途を超えた改造にあたる。このような(レバーの)配置は2024年に制限される。また2025年にはブレーキレバーのメーカーが定めた取り付けガイドラインの遵守を義務付ける、新たな規制が施行される」。

UCIは12月14日、2日間に渡って行われたAIGCP(プロチーム協会)やAIOCC(レース主催者協会)、CPA(プロ選手組合)などの代表を集めた定例会議の成果として、以上のことを報告した。

ブラケットを極端に内向きに傾けるセッティングの始まりは定かではないものの、ヤンウィレム・ファンシップ(オランダ、現アブロックCT)が2019年に行い話題になった。エアロダイナミクスの向上が期待されるこのセッティングはレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)も取り入れ、近年は逃げを得意とするヴィクトル・カンペナールツ(ベルギー、ロット・デスティニー)などを中心に流行した。

現日本王者である山本大喜もブラケットを内側に大きく倒している

2023年はタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が導入し、アルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)も内向きブラケットでシーズン10勝を挙げるなど、現在はプロトンのスタンダードになりつつある。

UCIは2021年にトップチューブに跨るスーパータック(クラウチングポジション)や、腕をハンドルに置くエアロポジション(通称パピーパウ)を禁止。CyclingWeeklyによるとUCIはブレーキレバーの傾き角度を4〜5度に制限するため、新しい測定機器を用意しているという。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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