イタリアに拠点を構えるホイールブランドのフルクラムが、新たなフラッグシップXCホイール”RED ZONE CARBON+"をリリースした。独自のアシンメトリカルデザインリムを徹底的に軽量化し、ハブをUSB化することで、レースでの勝利を手繰り寄せる妥協なき1本へと仕上げられた。



フルクラム RED ZONE CARBON+ (c)カワシマサイクルサプライ

フルクラムの誇るMTB向けフラッグシップXCホイール”RED ZONE CARBON"がアップデートされ"RED ZONE CARBON+"へと進化した。レースでの勝利を最大の目標に掲げ、フルクラムはバフ・メガモチームの選手らと共に1年間の開発期間を費やすことで、RED ZONE CARBONを次なるステージへと押し上げることに成功した。

もっとも大きく、そしてわかりやすい変化となるのは重量だ。1,445gであったRED ZONE CARBONに対し、今作では1,385gと大幅な軽量化を達成している。重量削減に大きく寄与しているのは、新たに設計されたカーボンリム。FF100ユニディレクショナル・ハイモジュラス・カーボン・ファイバーと、レジンを用いることで、剛性や強度を保ちつつ5%ほどの重量を削ることに成功した。この結果、RED ZONE CARBON+はハンドリングを9.5%、反応性を10%も向上させ、より機敏でアグレッシブなライドを可能とするホイールに。

バフ・メガモチームの選手らと共に1年を掛けて開発された (c)カワシマサイクルサプライ

RED ZONE CARBONの特徴でもあった"NIP(PLE) FORCE"アシンメトリックリムプロファイルは今作にも受け継がれている。これは、ニップルホールがリムの中心から6mmと3.5mmずつ交互にオフセットされる設計で、波打つようなリムの外観も相まってRED ZONE CARBONのアイデンティティとも言えるテクノロジーだ。

このNIP(PLE) FORCEが実現するのは、フロントはブレーキ側、リアはドライブトレイン側のスポークディッシュを最適化し、ホイール全体のバランスを整えるという従来のオフセットリムの効能だけではない。オフセット量を左右で調整することによって、スポークからリムへの入力ポイントをホイール全体の中心へ近づけ、横方向へのねじれモーメントに対する耐性を改善している。

大幅な性能向上の礎となった新カーボンリム (c)カワシマサイクルサプライ

近年ワイド化するMTBタイヤ、そしてリムにおいては、横方向へのストレスが大きくかかるようになっているため、ハンドリングや反応性、さらには耐久性といった面においても大きなメリットがあるだろう。

更に、ニップルホールには特殊な樹脂製サポートを埋め込むことで、正確な位置と角度にニップルを収めるDRSC(ディレクショナル・リム-スポーク・カップリング)テクノロジーを採用。スポークやリムにかかる力を均一に分散させ、各パーツにかかるストレスを軽減。大きな力がかかった際も、スポークは完璧なポジションをキープし、常に設計通りの性能を発揮する。

グラフィックも一新。ペイントの要らないダイレクト・インモールド・マット・フィニッシュリムにロゴラベルが配置されている (c)カワシマサイクルサプライ

グラフィックも一新されており、Form Function Fulcrumと呼ばれる新しいコンセプトに基づいたモダンでアグレッシブなルックスとされていることも特徴だ。ペイントを不要とするダイレクト・インモールド・マット・フィニッシュのリムに各テクノロジーのロゴがレーザープリントされており、重量面においてもメリットのある仕上げが施されている。

また、リムベッドにニップルホールを不要とするMoMagテクノロジーももちろん採用され、チューブレスタイヤの運用も行いやすい。リムプロファイルは高さ26mm、内幅が28mmという設計で、26mm、2.2インチ〜2.4インチ幅のタイヤにフィットする。

ハブもアップデートされ、USB化。ラチェット機構も改良されている (c)カワシマサイクルサプライ

今作ではハブにもアップデートが加えられており、遂にベアリングがUSB化を果たしている。定評あるフルクラムのカップアンドコーン式USBシステムは、高いメンテナンス性と回転性能を兼ね備えた存在だ。円錐型のハブボディはフランジと一体成型されており、高い捻じれ剛性を実現。スポーク台座は非常に高精度に加工されており、DRSCシステムと合わせることでスポークへのストレスを最小限に抑えている。

アクスルには航空宇宙グレードのアルミ合金を採用。フリーボディーも刷新されており、36の歯と3つの爪で動作する構造となった。ボディも新たなHT+へとアップデートされ、ラチェットの収まる部分の近くに強度の高いスチール製インサートを配置することで、より強固で耐久性に優れた嵌合を実現。よりメンテナンスが容易となり、走行抵抗を低減するシステムへと進化している。

フルクラム RED ZONE CARBON+ (c)カワシマサイクルサプライ

あらゆる部位にアップデートを施し、戦闘力を格段に増したRED ZONE CARBON+。税込価格は412,500円(シマノMS12速)、409,200円(シマノHG11速/スラムXD)となる。



フルクラム RED ZONE CARBON+
タイヤタイプ:2-WAY FIT™(クリンチャー / チューブレス)
タイヤサイズ:29″
ASTMカテゴリー:3
重量:1,385g
リムマテリアル:FF100フルカーボン、DIMF™(ダイレクト・インモールド・マット・フィニッシュ)
リムハイト:26mm
リム幅:33mm
インナー・リム幅:28mm
ブレーキ・システム:ディスクブレーキ
ブレーキ規格:AFS™(センターロック)
アクスル:HH15-110(フロント) / HH12-148(リア)
スポーク:ステンレス、ダブル・バテッド、ラウンド、ストレート・プル F/24 R/24
ニップル:アルミニウム、セルフ・ロック
フロントハブ:アルミ製、ローフランジ
リアハブ:アルミ製、ローフランジ
ベアリング:USB™ セラミック・ベアリング
重量制限:125kg(ライダー、バイク、アクセサリーの総重量)
価格:412,500円(税込、シマノMS12s ) 409,200円(税込、XD)


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