ユンボやイネオス、UAEなどが争奪戦を繰り広げたアルベルト・フィリプスン(デンマーク)が、リドル・トレックと契約を結んだ。フィリプスンは今年のロードとMTBの世界選手権男子ジュニアを制し、現デンマークCXジュニア王者でもある17歳だ。



今年のロード世界選手権男子ジュニアで独走優勝したアルベルト・フィリプスン(デンマーク) photo:Lidl - Trek

「僕にとってリドル・トレックが最も自分に適したチームだと思った。チームを決める最も重要な基準は自分の成長を手助けしてくれること。このチームの人たちが熱心かつ情熱的に働いていることを感じ、また僕にあまりプレッシャーがかからないようにしてくれた」と語ったのは、17歳にして4年契約(2028年まで)を結んだアルベルト・フィリプスン。チームに本格加入するのは2025年からで、来シーズンは引き続きノルウェーのクラブチーム「シャーリング・サイクリングアカデミー」に所属する。

フィリプスンはデンマーク出身、2006年生まれの17歳。今年6月にノルウェーのロードとタイムトライアルのジュニア王者に輝き、ロード世界選手権の男子ジュニアロードレースで独走優勝を飾った。そして9月のヨーロッパ選手権個人TTでは2位以下に40秒以上の差をつけての優勝と、ジュニアカテゴリーで他を寄せ付けない強さを見せている。

そのためユンボ・ヴィスマやUAEチームエミレーツ、イネオス・グレナディアーズ、ボーラ・ハンスグローエによる争奪戦が連日報じられていたフィリプスン。そんな中、リドル・トレックが新スポンサーによって潤沢となったチーム予算や、ロードだけではなく高品質なMTBやシクロクロスバイクもアピールポイントとなった結果、未来のエース候補獲得に成功した。

MTBのクロスカントリーでジュニアの世界王者に輝いたアルベルト・フィリプスン(デンマーク) photo:Lidl - Trek

「複数の種目をこなす自分としてはロードレースだけでなく、マウンテンバイクやシクロクロスも続けられることがチーム選びの上で重要な要素だった」と語るように、MTBクロスカントリーの世界ジュニア王者でもあるフィリプスン。またシクロクロスでは現デンマークジュニア王者ということもあり、マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)やトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)と同じく3つの種目での活躍が期待されている。

「チームの皆と会うことが待ち遠しい。デンマーク人としてはマッズ・ピーダスンとマティアス・スケルモースと共に走ることが楽しみだ。今後数年間の計画としてはあらゆる種目を行いながらロードにも集中して取り組みたい。経験や戦術という弱点克服に専念し、自分に合ったレースを見つけたい。僕はあらゆる脚質の”間”にいるので、世界でも最も優れたオールラウンダーになりたい」とフィリプスンはプレスリリースを締めくくった。

text:Sotaro.Arakawa

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