2023/11/28(火) - 10:39
国内最高峰のシクロクロス戦、JCXシリーズの第6戦がUCIレース「関西シクロクロス琵琶湖グランプリ」として滋賀県草津市で行われた。名物のキャンバーのコースを攻略した織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)と石田唯が独走優勝を飾った。
AJOCC JCXシリーズ第6戦およびJCFシクロクロスシリーズ第6戦である「関西シクロクロス 琵琶湖グランプリ」が11月26日(日)に開催された。同日には東北と東海、前橋、山口とAJOCCレースが全国5か所で開催されたものの、今シーズンのUCIレースは野辺山と琵琶湖の2レースのみであり、日本全国からトップシクロクロッサーが琵琶湖に集結。来年1月に開催される全日本選手権に向けて、そしてUCIポイントを獲得するためにオランダとオーストラリアの選手たちも参戦してハイレベルなレースが展開された。
会場となった滋賀県草津市に琵琶湖畔烏丸半島に特設コースは暖かな秋晴れ。琵琶湖畔のキャンバーを使用し、折り返しや登り返し、芝、泥、シケインが盛り込まれたテクニカルなコースが特徴だ。
先週のスーパークロス野辺山に引き続き、この関西シクロクロス琵琶湖グランプリでも男子ジュニア(MJ)、女子エリート(WE)、男子エリート(ME)の3カテゴリーがUCIレースとして開催された。順にレポートしていきたい。
男子ジュニア:野嵜然新(弱虫ペダルサイクリングチーム)が野辺山に続く連勝
UCIレースで最初に行われたジュニアには15名がエントリー。最前列には野辺山クロスを制している野嵜然新(弱虫ペダルサイクリングチーム)と成田光志(学校法人石川高等学校)、そしてオーストラリアから参戦したキャンベル・マコネル(Australian Development Team)が並ぶ。
スタートの合図と共にホールショットを獲得したのはファーストコーナーをイン側で駆け抜けていった成田。最初のキャンバー区間で順位が入れ替わり野嵜が先頭に立ったが、次のコーナーでは成田がアウトからオーバーテイク。毎コーナーでトップが入れ替わる目まぐるしい展開の末、終盤に野嵜が成田との差を広げて勝利。野辺山クロスに引きUCI男子ジュニアで2連勝を飾った。先頭2人を淡々と追いかけ続けたキャンベルが3位に入っている。
女子エリート:石田唯が地元でJCX開幕戦以来の勝利
女子エリートのフロントローには渡部春雅(明治大学)や小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、石田唯、大蔵こころ(早稲田大学)など若きトップ選手たちが並ぶ。さらに昨年の宇都宮シクロクロスにも参戦していたAustralian Development Teamのタリア・シンプソンとアランナ・ファンデホーフ、ルカ・タートン、ソフィー・サットンの4名のオーストラリアの選手も参戦して華やかな印象に。
12時10分、ホイッスルと共に18名がスタートした。石田がホールショットを獲得して第1コーナーを駆け抜けていったが、最初のキャンバー区間を越えて、琵琶湖を一望できるセクションに先頭で現れたのは渡部だった。石田と大蔵、小林が追走する中からは「なんとしても地元レースで勝ちたいと思っていた」と言う石田が抜け出す形になる。
しばらく渡部と石田の先頭パック争いが繰り広げられていたが、渡部がバイクトラブルで後退したことで石田が単独先頭に。小林が単独2番手となり、ピットでバイク交換をした渡部が3番手。最後までこの順位は変わらなかった。
「パワーコースでもあり、キャンバーなど難しいところがたくさんあるコースなので、昨日は時間をいっぱい使ってしっかり試走した」という石田が中盤から終盤まで安定した走りで独走し続け、JCX開幕戦ぶりの勝利。「今日はちょっとしたミスがあった以外は最後まで集中して走れたので良かったです。コースのいろんなところから応援してもらえてとても力になりました。全日本に向けて調子をどんどん上げて、全日本タイトルを取りたいと思います!」と優勝した石田。ここまでJCXでは渡部が4勝していたが、地元で石田が勝ち星を2に伸ばす結果となった。
男子エリート:織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がJCX5連勝を達成
男子エリートのスタートラインに集ったのは74名。全日本チャンピオンジャージを纏う織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や沢田時(宇都宮ブリッツェン)、副島達海(大阪産業大学)、鈴木来人(OnebyESU-ICV)、小坂光(宇都宮ブリッツェン)らが最前列に並んだ。
加えてオランダからはゴセ・ファンデルメール(Bombtrack Bicycles p/b Hunt Wheels)が、オーストラリアから参加するマックス・ホブソン(Australian Development Team)とマーカス・チャンドラー(Australian Development Team)は2列目スタートだ。
「最近スタートが上手くいかなかったのですが、今日は決まりました」と話す織田がホールショットを獲得。キャンバー区間を抜けると織田の後ろには柚木伸元(日本大学)と中島渉(MiNERVA-asahi)が迫ったものの、キャンバーをハイペースで駆け抜けた織田は後続を突き放し、3周目から独走を開始。2番手に浮上したファンデルメールが追走したものの差は縮まらず、後続を一切寄せ付けない走りを披露した織田がJCXシリーズ5連勝を決めた。
「スタートから結構攻めた走りができ、最初から独走に持ち込めて優勝できたので良かったと思います。今後は能登CXには出場せず、上山田と(地元で初開催の)松伏、そしてヨーロッパに行く予定。全日本選手権までレース続きなので、コンディションを整えながら頑張ります。ヨーロッパ遠征はマチューやワウトと同じレースに出る予定なので、完走したいですね。全日本選手権は連覇できるように頑張りたいと思います!」とコメントしている。
2位に入ったゴセは今後、12月3日の関西シクロクロス第4戦マキノと12月10日の松伏シクロクロス、12月17日の能登CX iRC TIRE CUP Day2に出場するという。台風の目となりそうだ。
AJOCC JCXシリーズ第6戦およびJCFシクロクロスシリーズ第6戦である「関西シクロクロス 琵琶湖グランプリ」が11月26日(日)に開催された。同日には東北と東海、前橋、山口とAJOCCレースが全国5か所で開催されたものの、今シーズンのUCIレースは野辺山と琵琶湖の2レースのみであり、日本全国からトップシクロクロッサーが琵琶湖に集結。来年1月に開催される全日本選手権に向けて、そしてUCIポイントを獲得するためにオランダとオーストラリアの選手たちも参戦してハイレベルなレースが展開された。
会場となった滋賀県草津市に琵琶湖畔烏丸半島に特設コースは暖かな秋晴れ。琵琶湖畔のキャンバーを使用し、折り返しや登り返し、芝、泥、シケインが盛り込まれたテクニカルなコースが特徴だ。
先週のスーパークロス野辺山に引き続き、この関西シクロクロス琵琶湖グランプリでも男子ジュニア(MJ)、女子エリート(WE)、男子エリート(ME)の3カテゴリーがUCIレースとして開催された。順にレポートしていきたい。
男子ジュニア:野嵜然新(弱虫ペダルサイクリングチーム)が野辺山に続く連勝
UCIレースで最初に行われたジュニアには15名がエントリー。最前列には野辺山クロスを制している野嵜然新(弱虫ペダルサイクリングチーム)と成田光志(学校法人石川高等学校)、そしてオーストラリアから参戦したキャンベル・マコネル(Australian Development Team)が並ぶ。
スタートの合図と共にホールショットを獲得したのはファーストコーナーをイン側で駆け抜けていった成田。最初のキャンバー区間で順位が入れ替わり野嵜が先頭に立ったが、次のコーナーでは成田がアウトからオーバーテイク。毎コーナーでトップが入れ替わる目まぐるしい展開の末、終盤に野嵜が成田との差を広げて勝利。野辺山クロスに引きUCI男子ジュニアで2連勝を飾った。先頭2人を淡々と追いかけ続けたキャンベルが3位に入っている。
女子エリート:石田唯が地元でJCX開幕戦以来の勝利
女子エリートのフロントローには渡部春雅(明治大学)や小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム)、石田唯、大蔵こころ(早稲田大学)など若きトップ選手たちが並ぶ。さらに昨年の宇都宮シクロクロスにも参戦していたAustralian Development Teamのタリア・シンプソンとアランナ・ファンデホーフ、ルカ・タートン、ソフィー・サットンの4名のオーストラリアの選手も参戦して華やかな印象に。
12時10分、ホイッスルと共に18名がスタートした。石田がホールショットを獲得して第1コーナーを駆け抜けていったが、最初のキャンバー区間を越えて、琵琶湖を一望できるセクションに先頭で現れたのは渡部だった。石田と大蔵、小林が追走する中からは「なんとしても地元レースで勝ちたいと思っていた」と言う石田が抜け出す形になる。
しばらく渡部と石田の先頭パック争いが繰り広げられていたが、渡部がバイクトラブルで後退したことで石田が単独先頭に。小林が単独2番手となり、ピットでバイク交換をした渡部が3番手。最後までこの順位は変わらなかった。
「パワーコースでもあり、キャンバーなど難しいところがたくさんあるコースなので、昨日は時間をいっぱい使ってしっかり試走した」という石田が中盤から終盤まで安定した走りで独走し続け、JCX開幕戦ぶりの勝利。「今日はちょっとしたミスがあった以外は最後まで集中して走れたので良かったです。コースのいろんなところから応援してもらえてとても力になりました。全日本に向けて調子をどんどん上げて、全日本タイトルを取りたいと思います!」と優勝した石田。ここまでJCXでは渡部が4勝していたが、地元で石田が勝ち星を2に伸ばす結果となった。
男子エリート:織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)がJCX5連勝を達成
男子エリートのスタートラインに集ったのは74名。全日本チャンピオンジャージを纏う織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム)や沢田時(宇都宮ブリッツェン)、副島達海(大阪産業大学)、鈴木来人(OnebyESU-ICV)、小坂光(宇都宮ブリッツェン)らが最前列に並んだ。
加えてオランダからはゴセ・ファンデルメール(Bombtrack Bicycles p/b Hunt Wheels)が、オーストラリアから参加するマックス・ホブソン(Australian Development Team)とマーカス・チャンドラー(Australian Development Team)は2列目スタートだ。
「最近スタートが上手くいかなかったのですが、今日は決まりました」と話す織田がホールショットを獲得。キャンバー区間を抜けると織田の後ろには柚木伸元(日本大学)と中島渉(MiNERVA-asahi)が迫ったものの、キャンバーをハイペースで駆け抜けた織田は後続を突き放し、3周目から独走を開始。2番手に浮上したファンデルメールが追走したものの差は縮まらず、後続を一切寄せ付けない走りを披露した織田がJCXシリーズ5連勝を決めた。
「スタートから結構攻めた走りができ、最初から独走に持ち込めて優勝できたので良かったと思います。今後は能登CXには出場せず、上山田と(地元で初開催の)松伏、そしてヨーロッパに行く予定。全日本選手権までレース続きなので、コンディションを整えながら頑張ります。ヨーロッパ遠征はマチューやワウトと同じレースに出る予定なので、完走したいですね。全日本選手権は連覇できるように頑張りたいと思います!」とコメントしている。
2位に入ったゴセは今後、12月3日の関西シクロクロス第4戦マキノと12月10日の松伏シクロクロス、12月17日の能登CX iRC TIRE CUP Day2に出場するという。台風の目となりそうだ。
エリート男子(ME)リザルト
1位 | 織田聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 59:56.3 |
2位 | ゴセ・ファンデルメール(Bombtrack Bicycles p/b Hunt Wheels) | +1:01 |
3位 | 柚木伸元(日本大学) | +1:22 |
4位 | 副島達海(大阪産業大学) | +1:24 |
5位 | 横山航太(シマノレーシング) | +2:00 |
女子エリート(WE)リザルト
1位 | 石田唯 | 44:04.1 |
2位 | 小林あか里(弱虫ペダルサイクリングチーム) | +0:27 |
3位 | 渡部春雅(明治大学) | +2:03 |
4位 | 大蔵こころ(早稲田大学) | +2:13 |
5位 | 日吉愛華(Teamまるいち) | +3:34 |
男子ジュニア(MJ)
1位 | 野嵜然新(弱虫ペダルサイクリングチーム) | 39:42.3 |
2位 | 成田光志(学校法人石川高等学校) | +0:32 |
3位 | 村上ヒカル(松山工業高校) | +2:23 |
4位 | キャンベル・マコネル(Australian Development Team) | +2:43 |
5位 | 松井 颯良(Sonic-Racing) | +2:44 |
その他カテゴリーのリザルト
M19-34 | 端祭季(大阪産業大学) |
M35-39 | 稲益拓也(DENSO RACING) |
M40-49 | 村田憲治(岩井商会レーシング) |
M50-59 | 生田目修(イナーメ信濃山形&大幸ハーネス) |
M60 | 中谷聡(HOKURIKU DOROTABOU) |
W35 | 藤江恭子(and more) |
MU17 | 三上将醐(アスリチューン・CORAGGIO KAWANISHI U-19) |
WU17 | 日吉彩華(Teamまるいち) |
MU15 | 伊藤隆聖(Sonic-Racing) |
WU15 | 齋藤結陽(Limited Team 846) |
text:Michinari TAKAGI
photo:Michinari TAKAGI & Satoshi Oda/AJOCC & 宇都宮ブリッツェン
photo:Michinari TAKAGI & Satoshi Oda/AJOCC & 宇都宮ブリッツェン
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