今秋、合併問題に揺れたスーダル・クイックステップがジェームス・ノックス(イギリス)との契約更新を明らかにした。来年のツール出場が濃厚なエヴェネプールの、山岳アシストとしての役割が期待されるクライマーだ。



スーダル・クイックステップと2年の契約延長したジェームス・ノックス(イギリス) photo:CorVos

チームウィギンスを経て、2018年にクイックステップフロアーズでプロデビューを果たしたジェームス・ノックス(イギリス)は28歳。173cmと小柄ながらチームでは数少ないクライマーとしてジロ・デ・イタリアに4度、ブエルタ・ア・エスパーニャに3度出場。今年10月のジャパンカップにも初出場し、山岳賞を獲得した。

「家族のようなチームで2年も走ることができ、とても嬉しい気持ちだ。僕はプロになってからずっとこのチームで走っていて、パトリック(ルフェーブルGM)とスポンサーであるスーダル・クイックステップに感謝したい」とノックスはプレスリリースで語っている。契約期間は2025年までの2年間。

これまでグランツールを含め、ワールドツアー等で幾度となくトップ10に入ったノックスが是が非でも欲しいのはプロ初勝利。今年4月のイツリア・バスクカントリー最終日では、登りで単独先頭に立ったヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)を追いかけ2位。6月のロードイギリス選手権では精鋭集団に残ったものの、フレッド・ライト(バーレーン・ヴィクトリアス)に独走を許し、ここでも2位と悔しい結果となった。

10月のジャパンカップで山岳賞を獲ったジェームス・ノックス(イギリス) photo:Makoto AYANO

パトリック・ルフェーブルGMはノックスについて「ジェームズは22歳から我々のチームにいるが、毎年着実に成長し学び続けている。またチームが必要としている時に自己犠牲によるアシストを厭わない選手だ」とコメント。また「彼のチームメイトと同様に人間性も素晴らしい。だから契約延長の決断も難しくなかった」と説明した。

来年のノックスに期待されるのは、ツール・ド・フランスへの出場が濃厚と見られるレムコ・エヴェネプール(ベルギー)の山岳でのアシスト。また出場すれば自身にとっても初のツールとなる。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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