2023/11/12(日) - 11:30
テクニックと戦略を問う高速レース。テレネット・スーパープレスティージュ第3戦でエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とセイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)が男女エリートレースを制している。
ベルギー屈指の人気と伝統を誇るシクロクロスシリーズ戦「テレネット・スーパープレスティージュ」第3戦の舞台はアントワープに近い街ニール。大小のキャンバーを特徴とし、人口のパンプトラックやサンドセクションを含むコースは前日までの雨で超マッドコンディションに仕上がった。
足首まで浸かる田んぼのような区間も出来上がり、急で巨大なキャンバー下りから深い泥に突っ込む恐ろしい場所も。この日は落車やランニングの速さも勝敗を分ける要素となった。
女子エリート:アルバラードが力強く独走
この日、女子エリートレースに2週間の休養に入った世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)、そしてシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)は不在。元世界女王ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)もシーズンインに向けて準備を整える中、セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の走りが光った。
ホールショットこそマリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス)が獲ったものの、アルバラードはすぐに先頭を奪い、そのまま独走を開始する。「自転車で這っているような遅さだった。とても難しいレースだったけど、実際どこでどう滑るのかすら分からない泥の中を走るのは楽しかった」と言う元世界女王は、最終的に2位に1分以上のリードをつけて勝利した。
中盤まで2位を守っていたアンマリー・ワースト(オランダ、シクロクロスレッズ)は最終周回にリードを失い、落車をきっかけにチームメイトのアニック・ファンアルフェン(オランダ)に追い抜かれてしまう。ベルギーの期待を背負うサンヌ・カント(ベルギー、クレラン・コレンドン)は追いつかず、この日もオランダ勢が表彰台を独占することとなった。
また、オフトレーニングとしてシクロクロスに取り組むロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)は過酷な泥に沈んでDNFに終わっている。
男子エリート:「イチかバチかのアタック」でイゼルビットがシリーズ3連勝
男子レースを序盤から引っ張ったのはランキングリーダーのエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)だった。バロワーズ勢は休息明けのティボー・ネイス(ベルギー)は序盤こそ先頭付近にいたものの転倒をきっかけに失速し、ラース・ファンデルハール(オランダ)も先頭争いには入れない。ファンデルハールはバイクを担ごうとした際に肩を脱臼し、自ら処置してレースに戻るシーンも。
この日力強い走りを見せたのはニューウェンハイスだった。シクロクロスを出自に持ち、ロード転向した後にツール・ド・フランスに2度、ブエルタ・ア・エスパーニャに出場した27歳は、「タフなコースが僕にあっていた」と言うようにイゼルビットを何度も置き去りにするほどの走りを披露。しかしその度にイゼルビットも食らいついた。
タフレースに強いローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)や来日経験を持つフェリペ・オルツ(スペイン、ブルゴスBH)が3番手争いを繰り広げる前で、後半に入って「苦しかったけどイチかバチか仕掛けた」というイゼルビットが抜け出して独走をスタート。「彼のアタックに追い付けなかったけど、ここまで思うようなレースができなかったから負けても満足しているよ」と振り返るニューウェンハイスを置き去りにしてフィニッシュまで駆け抜けた。
イゼルビットがスーパープレスティージュで今季負けなしの3連勝を達成。「ランニング区間ではヨリスの方が速かったけど、泥の乗車区間は僕の方が速かった。最後のアタックが決まって良かったよ」と振り返っている。
ベルギー屈指の人気と伝統を誇るシクロクロスシリーズ戦「テレネット・スーパープレスティージュ」第3戦の舞台はアントワープに近い街ニール。大小のキャンバーを特徴とし、人口のパンプトラックやサンドセクションを含むコースは前日までの雨で超マッドコンディションに仕上がった。
足首まで浸かる田んぼのような区間も出来上がり、急で巨大なキャンバー下りから深い泥に突っ込む恐ろしい場所も。この日は落車やランニングの速さも勝敗を分ける要素となった。
女子エリート:アルバラードが力強く独走
この日、女子エリートレースに2週間の休養に入った世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)とパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)、そしてシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)は不在。元世界女王ルシンダ・ブラント(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)もシーズンインに向けて準備を整える中、セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)の走りが光った。
ホールショットこそマリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス)が獲ったものの、アルバラードはすぐに先頭を奪い、そのまま独走を開始する。「自転車で這っているような遅さだった。とても難しいレースだったけど、実際どこでどう滑るのかすら分からない泥の中を走るのは楽しかった」と言う元世界女王は、最終的に2位に1分以上のリードをつけて勝利した。
中盤まで2位を守っていたアンマリー・ワースト(オランダ、シクロクロスレッズ)は最終周回にリードを失い、落車をきっかけにチームメイトのアニック・ファンアルフェン(オランダ)に追い抜かれてしまう。ベルギーの期待を背負うサンヌ・カント(ベルギー、クレラン・コレンドン)は追いつかず、この日もオランダ勢が表彰台を独占することとなった。
また、オフトレーニングとしてシクロクロスに取り組むロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)は過酷な泥に沈んでDNFに終わっている。
男子エリート:「イチかバチかのアタック」でイゼルビットがシリーズ3連勝
男子レースを序盤から引っ張ったのはランキングリーダーのエリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)とヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)だった。バロワーズ勢は休息明けのティボー・ネイス(ベルギー)は序盤こそ先頭付近にいたものの転倒をきっかけに失速し、ラース・ファンデルハール(オランダ)も先頭争いには入れない。ファンデルハールはバイクを担ごうとした際に肩を脱臼し、自ら処置してレースに戻るシーンも。
この日力強い走りを見せたのはニューウェンハイスだった。シクロクロスを出自に持ち、ロード転向した後にツール・ド・フランスに2度、ブエルタ・ア・エスパーニャに出場した27歳は、「タフなコースが僕にあっていた」と言うようにイゼルビットを何度も置き去りにするほどの走りを披露。しかしその度にイゼルビットも食らいついた。
タフレースに強いローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン)や来日経験を持つフェリペ・オルツ(スペイン、ブルゴスBH)が3番手争いを繰り広げる前で、後半に入って「苦しかったけどイチかバチか仕掛けた」というイゼルビットが抜け出して独走をスタート。「彼のアタックに追い付けなかったけど、ここまで思うようなレースができなかったから負けても満足しているよ」と振り返るニューウェンハイスを置き去りにしてフィニッシュまで駆け抜けた。
イゼルビットがスーパープレスティージュで今季負けなしの3連勝を達成。「ランニング区間ではヨリスの方が速かったけど、泥の乗車区間は僕の方が速かった。最後のアタックが決まって良かったよ」と振り返っている。
テレネット・スーパープレスティージュ2023-2024第3戦 女子エリート結果
1位 | セイリン・アルバラード(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク) | 42:11 |
2位 | アニック・ファンアルフェン(オランダ、シクロクロスレッズ) | +1:04 |
3位 | アンマリー・ワースト(オランダ、シクロクロスレッズ) | +1:21 |
4位 | マノン・バッカー(オランダ、クレラン・コレンドン) | +1:40 |
5位 | サンヌ・カント(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:55 |
6位 | マリオン・ノーブルリブロール(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +2:16 |
7位 | マリー・シュライバー(ルクセンブルク、SDワークス) | +2:26 |
8位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +2:39 |
9位 | フランチェスカ・バローニ(イタリア、ヒューボ・リモーティブ) | +3:01 |
10位 | アリシア・フランク(ベルギー) | +3:27 |
テレネット・スーパープレスティージュ2023-2024 第3戦 男子エリート結果
1位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | 1:03:45 |
2位 | ヨリス・ニューウェンハイス(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:16 |
3位 | フェリペ・オルツ(スペイン、ブルゴスBH) | +0:41 |
4位 | ローレンス・スウェーク(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:06 |
5位 | トーン・ファンデボッシュ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:11 |
6位 | ニルス・ファンデプッテ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | +1:18 |
7位 | キャメロン・メイソン(イギリス、シクロクロスレッズ) | |
8位 | ワイツ・メーウセン(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +1:44 |
9位 | ヘルベン・クイペルス(ベルギー、サーカス・レウス・テックノルド) | +1:53 |
10位 | ケヴィン・クーン(スイス、サーカス・レウス・テックノルド) | +1:54 |
text:So.Isobe
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