2023/11/04(土) - 20:47
UCIクリテリウムとして初開催となる「山口ながとクリテリウム」が、山口県長門市で開催され、バス・ファンベル(オランダ、Wielerploeg Groot Amsterdam)が優勝。岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が2位となった。明日開催されるUCIレース「美祢秋吉台カルスト国際ロードレース」のプレビューとあわせてレポート。
ジャパンサイクルリーグ(JCL)のシリーズ戦として開催されてきた「秋吉台カルストロードレース」は、今年はUCIレースとしての開催となった。大会名は「美祢秋吉台カルスト国際ロードレース」と改められ、UCI1.2クラスのレースとして海外チームを交えて行われる。これに伴い、秋吉台カルストロードレースの前日に開催されていた「山口ながとクリテリウム」もUCIクリテリウムとしての開催となり、ロードレースと同じチームが出場する大会となった(ただしUCIポイントは付与されない)。
クリテリウムのコースは、日本海に面した山口県長門市にある仙崎漁港近くの公道に設定された1周1.5km。およそ平坦ではあるが、短距離で斜度が急に立ち上がる箇所があり、その直後からのコーナー連続とあわせて集団を引き延ばす要素だ。
スタート時間の午前10時前後は雨の予報もあったが、幸いにも雨粒が落ちてくることなく、11月としては暖かな中でのレースとなった。
道の駅センザキッチンをパレードスタートし、周回コースに入って35周52.5kmのレースがリアルスタートすると、平均時速45kmオーバーのハイペースで進行。1周のラップタイムは2分を切るペースで周回を重ねていく。飛び出しを図る動きがあっても1周ともたずに吸収され、集団は長く伸びた状態が続く。
終盤、25周完了時に設定されたスプリントポイントを阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が先頭通過したのをきっかけに、日本チャンピオンジャージを着る山本大喜(JCLチーム右京)が続いて数秒差で先行。しかし長くは続かず吸収されていく。
残り4周となる32周目、シマノレーシングが集団先頭にまとまってペースを上げていくと、スプリント勝負に向けて他チームも集団前方に上がり始める。最終周回、残り500mを前にバス・ファンベル(オランダ、Wielerploeg Groot Amsterdam)がアタック。後続との差が開いたまま残り150mの最終コーナーを立ち上がる。岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が猛追するも僅かに届かず、ファンベルが先着。「ラスト500mのコーナーが連続する区間に最初に入れば勝てると考えていた。昨年はまったく勝てなかったので、日本に来て勝ててとても嬉しい」とコメントした。
2位 岡本隼 コメント
「僕らは當原と草場がいて隊列は整っていたけれど、若干牽制気味になってしまった。自分としてはモガける位置にいたけれど、気づいたら差が開いてしまっていた。優勝したバス・ファンベル選手はスプリントに向けて脚を溜めるのではなく、残り300mあたりから行くと決めていたと思う。それに臨機応変に対応出来ず、一呼吸置いてからモガくというセオリーを崩しきれなかったのが今日の敗因。それでも最後ギリギリのところまで追い込めたので、自分の中では悔しいけれど悪い負け方ではないと思っている。明日は別のレースになるが、しっかり切り替えてチームとして良い結果を出せるようにしたい」
ジャパンサイクルリーグ(JCL)のシリーズ戦として開催されてきた「秋吉台カルストロードレース」は、今年はUCIレースとしての開催となった。大会名は「美祢秋吉台カルスト国際ロードレース」と改められ、UCI1.2クラスのレースとして海外チームを交えて行われる。これに伴い、秋吉台カルストロードレースの前日に開催されていた「山口ながとクリテリウム」もUCIクリテリウムとしての開催となり、ロードレースと同じチームが出場する大会となった(ただしUCIポイントは付与されない)。
クリテリウムのコースは、日本海に面した山口県長門市にある仙崎漁港近くの公道に設定された1周1.5km。およそ平坦ではあるが、短距離で斜度が急に立ち上がる箇所があり、その直後からのコーナー連続とあわせて集団を引き延ばす要素だ。
スタート時間の午前10時前後は雨の予報もあったが、幸いにも雨粒が落ちてくることなく、11月としては暖かな中でのレースとなった。
道の駅センザキッチンをパレードスタートし、周回コースに入って35周52.5kmのレースがリアルスタートすると、平均時速45kmオーバーのハイペースで進行。1周のラップタイムは2分を切るペースで周回を重ねていく。飛び出しを図る動きがあっても1周ともたずに吸収され、集団は長く伸びた状態が続く。
終盤、25周完了時に設定されたスプリントポイントを阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)が先頭通過したのをきっかけに、日本チャンピオンジャージを着る山本大喜(JCLチーム右京)が続いて数秒差で先行。しかし長くは続かず吸収されていく。
残り4周となる32周目、シマノレーシングが集団先頭にまとまってペースを上げていくと、スプリント勝負に向けて他チームも集団前方に上がり始める。最終周回、残り500mを前にバス・ファンベル(オランダ、Wielerploeg Groot Amsterdam)がアタック。後続との差が開いたまま残り150mの最終コーナーを立ち上がる。岡本隼(愛三工業レーシングチーム)が猛追するも僅かに届かず、ファンベルが先着。「ラスト500mのコーナーが連続する区間に最初に入れば勝てると考えていた。昨年はまったく勝てなかったので、日本に来て勝ててとても嬉しい」とコメントした。
2位 岡本隼 コメント
「僕らは當原と草場がいて隊列は整っていたけれど、若干牽制気味になってしまった。自分としてはモガける位置にいたけれど、気づいたら差が開いてしまっていた。優勝したバス・ファンベル選手はスプリントに向けて脚を溜めるのではなく、残り300mあたりから行くと決めていたと思う。それに臨機応変に対応出来ず、一呼吸置いてからモガくというセオリーを崩しきれなかったのが今日の敗因。それでも最後ギリギリのところまで追い込めたので、自分の中では悔しいけれど悪い負け方ではないと思っている。明日は別のレースになるが、しっかり切り替えてチームとして良い結果を出せるようにしたい」
山口ながとクリテリウム 結果(52.5km)
1位 | バス・ファン・ベル(オランダ、Wielerploeg Groot Amsterdam) | 1時間8分25秒 |
2位 | 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) | +0秒 |
3位 | キム・ユーロ(韓国、LXサイクリングチーム) | |
4位 | 草場啓吾(愛三工業レーシングチーム) | |
5位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、JCLチーム右京) | |
6位 | 山本哲央(チームブリヂストンサイクリング) | |
7位 | 孫崎大樹(キナンレーシングチーム) | |
8位 | レオネル・キンテロ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | |
9位 | 寺田吉騎(シマノレーシング) | |
10位 | 石原悠希(シマノレーシング) |
中間スプリント賞
キム・ユーロ(韓国、LXサイクリングチーム)
ペン・ユアン・タン(台湾、チャイニーズタイペイ)
阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
国内外15チームが出場する美祢秋吉台カルスト国際ロードレース
明日11月5日に開催される「美祢秋吉台カルストロードレース」には、国内11チーム、海外3チームに、山口県選抜チームを加えた計15チームが出場。1チーム最大5名構成で、74名が出走予定となっている。出場チームは以下の通り。
キム・ユーロ(韓国、LXサイクリングチーム)
ペン・ユアン・タン(台湾、チャイニーズタイペイ)
阿部嵩之(宇都宮ブリッツェン)
国内外15チームが出場する美祢秋吉台カルスト国際ロードレース
明日11月5日に開催される「美祢秋吉台カルストロードレース」には、国内11チーム、海外3チームに、山口県選抜チームを加えた計15チームが出場。1チーム最大5名構成で、74名が出走予定となっている。出場チームは以下の通り。
美祢秋吉台カルスト国際ロードレース 出場チーム
国内チーム | |
愛三工業レーシングチーム | JCLチーム右京 |
キナンレーシングチーム | レバンテフジ静岡 |
シマノレーシング | スパークルおおいた |
さいたま那須サンブレイブ | チームブリヂストンサイクリング |
宇都宮ブリッツェン | VC福岡 |
ヴィクトワール広島 |
海外チーム |
Wielerploeg Groot Amsterdam(オランダ) |
チャイニーズタイペイ・ナショナルチーム(台湾) |
LXサイクリングチーム(韓国) |
山口県選抜チーム |
コースは、従来使用されてきたカルストロードを往復する基本はそのままに、周回部分を延長して1周31.9kmに改められた。レースは4周127.6kmで行われる。
広大なカルスト地形の中を進む集団はこのレースのハイライトになる一方、残り1kmから始まる激坂「カルストベルグ」もこのコースの特徴のひとつ。2019年以前のJプロツアー開催時からこの登りで勝負につながる動きが見られているが、UCIレースとなってどのようになるか。
レースの模様はYouTubeでライブ配信される。大会詳細は下記リンクよりご参照を。
text&photo:Satoru Kato
広大なカルスト地形の中を進む集団はこのレースのハイライトになる一方、残り1kmから始まる激坂「カルストベルグ」もこのコースの特徴のひとつ。2019年以前のJプロツアー開催時からこの登りで勝負につながる動きが見られているが、UCIレースとなってどのようになるか。
レースの模様はYouTubeでライブ配信される。大会詳細は下記リンクよりご参照を。
text&photo:Satoru Kato
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