2023/11/02(木) - 11:00
名物のX2Oトロフェー開幕戦「コッペンベルグクロス」が泥コンディションで開催され、ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が父に続く勝利。欧州遠征の締めくくりとして臨んだ竹之内悠(Slash)はファンへの感謝をコメントしている。
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重たい泥に観客も一苦労 photo:CorVos
UCIワールドカップとテレネット・スーパープレスティージュに並ぶ、シクロクロス3大シリーズの一戦「X2Oトロフェー」が開幕。着順によるポイントではなく、フィニッシュタイムの累積で総合ランキングを決める戦いであり、今年は11月1日のコッペンベルグクロスに始まり、元旦のGPスヴェンネイスを経て2月18日のブリュッセル自由大学シクロクロスで終わる合計8戦が用意されている。
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UCIワールドカップとテレネット・スーパープレスティージュに並ぶ、シクロクロス3大シリーズの一戦「X2Oトロフェー」が開幕。着順によるポイントではなく、フィニッシュタイムの累積で総合ランキングを決める戦いであり、今年は11月1日のコッペンベルグクロスに始まり、元旦のGPスヴェンネイスを経て2月18日のブリュッセル自由大学シクロクロスで終わる合計8戦が用意されている。
X2Oトロフェー2023-2024レースカレンダー
第1戦 | 11月1日 | オウデナールデ/コッペンベルグクロス(ベルギー) |
第2戦 | 11月25日 | コルトレイク/キャップス・アーバンクロス(ベルギー) |
第3戦 | 12月16日 | へレンタルス(ベルギー) |
第4戦 | 1月1日 | バール/GPスヴェンネイス(ベルギー) |
第5戦 | 1月4日 | コクサイデ/フラームス・ドゥイネンクロス(ベルギー) |
第6戦 | 1月27日 | ハンメ/レクタヴィット・フランドリアンクロス(ベルギー) |
第7戦 | 2月11日 | リール/スーダル・クワラテンクロス(ベルギー) |
第8戦 | 2月18日 | ブリュッセル/スーダル・ブリュッセル自由大学シクロクロス(ベルギー) |
ベルギーの祝日である11月1日(水)に開催されたコッペンベルグクロスは、春のクラシックレースでお馴染みの悪名高き石畳激坂コッペンベルグ(登坂距離500m/最大勾配22%)を組み込んだ名物レース。
コッペンベルグだけではなく、高低差の大きい丘陵区間の上り下りやキャンバーを含むベルギー屈指の難コースとして知られ、しかも今年は激しいマッドコンディション。磨かれた石が連続するコッペンベルグはシクロクロスタイヤですら安定して走ることを拒み、パワーはもちろん下りの轍をトレースするテクニックや、タフなランニング区間をこなす能力も問われることとなった。
女子エリート:またしてもファンエンペルが独走勝利
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レースをリードするフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
今季5戦5勝と圧倒的勝ち星を得ている世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がこの日もスタートからアクセルを踏み込んだ。ライバルのパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)不在の中、驚くほど軽々と後続選手を突き放す。
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2分近い大差で勝ったフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) photo:CorVos
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X2Oトロフェー2023-2024第1戦 女子エリート表彰台 photo:CorVos
独走する世界女王の後ろでは、ここまで良い走りができていなかったデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が単独追走。さらに5年前のこのレースで驚きの優勝を挙げたキム・ファンデスティーン(ベルギー)がトップ選手を相手に熾烈な3位争いを続けた。
最終的にファンエンペルは1分50秒ものリードで今季6勝目を獲得。「どんなに高いワットで踏んでも前に進まなかった。今は土曜日のヨーロッパ選手権に向けてしっかりと回復しないといけない」と話している。
男子エリート:ネイスが父に続くコッペンベルグ制覇 竹之内はベルギーファンへ感謝
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1周目、ランダー・ロックス(ベルギー、TDTユニベット)が逃げる photo:CorVos
男子エリートレースには4年ぶりのベルギー遠征の締めくくりとして竹之内悠(Slash)が参戦。スタート直後のコッペンベルグで「タイヤの空気圧を少し高めにしていた」と言うティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がスリップで遅れ、マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)らも沈む。逃げるランダー・ロックス(ベルギー、TDTユニベット)を、やがてネイスとチームメイトのピム・ロンハール(オランダ)が捉えた。
馬力とテクニックがモノをいうこのレースで、ネイスの走りは一つ飛び抜けていた。「自分のリズムにすることさえ難しいレースだった」と言うものの、すぐにロンハールを切り離し、エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)たちライバル勢が追いつく前に独走態勢へ。転倒してリードを失う場面もあったものの、2位グループとの差は最後までゼロにはならなかった。
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ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)とピム・ロンハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:CorVos
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ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)が泥のついたバイクを交換 photo:CorVos
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父子合わせて10勝を示すティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:CorVos
父スヴェンがかつて9勝しているコッペンベルグクロスで、父の最後の勝利から11年後の2023年、息子ティボーが勝利した。これにてネイス家の通算勝利数は10。ネイスは「10」を示してフィニッシュし、表彰式で受け取った石畳トロフィーを父に手渡した。
「信じられないよ。ずっとそうなれば良いねと話していたことが現実になった。こんなレースは滅多に経験できないよ。超スローペースで、完全に体力を消耗しきった」とネイスは言う。日曜日のヨーロッパ選手権の優勝候補だが、「既に素晴らしいシーズンになっているし、負けても問題ない。ノープレッシャーで良い結果を狙っていく」と話している。
激しい2位争いを制したのはネイスのチームメイトであるラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)。「レース中にライバル勢よりも自分の方が余裕があると感じていたのでチャンスを待った」と言う通り、最後のコッペンベルグで抜け出し先着。「かつてないほど厳しいコッペンベルグクロスだった」と言うイゼルビットが3位となった。
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X2Oトロフェー2023-2024第1戦 男子エリート表彰台 photo:CorVos
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父にトロフィーを手渡したティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) photo:CorVos
「逃げ場のない苦痛」とレースを評した竹之内はマイナス2周でレースを終えた。「レース内で自分の強みを見つけられ、しっかりこなせたと思う、ただ、この期に及んでももっとこうすれば良いのか、次はこうすれば、、などと考えてしまってます。懲りないもんです笑 ヘラヘラしてるわけではないけど、応援にも少なからず手をあげたり首ふったりして応えることができ、スタートゴール地点の悠コールも浴びて、幸せでした。ありがとう、みんな!」と、ベルギーファンへのメッセージを綴っている。
コッペンベルグだけではなく、高低差の大きい丘陵区間の上り下りやキャンバーを含むベルギー屈指の難コースとして知られ、しかも今年は激しいマッドコンディション。磨かれた石が連続するコッペンベルグはシクロクロスタイヤですら安定して走ることを拒み、パワーはもちろん下りの轍をトレースするテクニックや、タフなランニング区間をこなす能力も問われることとなった。
女子エリート:またしてもファンエンペルが独走勝利
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今季5戦5勝と圧倒的勝ち星を得ている世界女王フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)がこの日もスタートからアクセルを踏み込んだ。ライバルのパック・ピーテルス(オランダ、フェニックス・ドゥクーニンク)とシリン・ファンアンローイ(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)不在の中、驚くほど軽々と後続選手を突き放す。
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独走する世界女王の後ろでは、ここまで良い走りができていなかったデニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール)が単独追走。さらに5年前のこのレースで驚きの優勝を挙げたキム・ファンデスティーン(ベルギー)がトップ選手を相手に熾烈な3位争いを続けた。
最終的にファンエンペルは1分50秒ものリードで今季6勝目を獲得。「どんなに高いワットで踏んでも前に進まなかった。今は土曜日のヨーロッパ選手権に向けてしっかりと回復しないといけない」と話している。
男子エリート:ネイスが父に続くコッペンベルグ制覇 竹之内はベルギーファンへ感謝
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男子エリートレースには4年ぶりのベルギー遠征の締めくくりとして竹之内悠(Slash)が参戦。スタート直後のコッペンベルグで「タイヤの空気圧を少し高めにしていた」と言うティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ)がスリップで遅れ、マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)らも沈む。逃げるランダー・ロックス(ベルギー、TDTユニベット)を、やがてネイスとチームメイトのピム・ロンハール(オランダ)が捉えた。
馬力とテクニックがモノをいうこのレースで、ネイスの走りは一つ飛び抜けていた。「自分のリズムにすることさえ難しいレースだった」と言うものの、すぐにロンハールを切り離し、エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール)たちライバル勢が追いつく前に独走態勢へ。転倒してリードを失う場面もあったものの、2位グループとの差は最後までゼロにはならなかった。
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父スヴェンがかつて9勝しているコッペンベルグクロスで、父の最後の勝利から11年後の2023年、息子ティボーが勝利した。これにてネイス家の通算勝利数は10。ネイスは「10」を示してフィニッシュし、表彰式で受け取った石畳トロフィーを父に手渡した。
「信じられないよ。ずっとそうなれば良いねと話していたことが現実になった。こんなレースは滅多に経験できないよ。超スローペースで、完全に体力を消耗しきった」とネイスは言う。日曜日のヨーロッパ選手権の優勝候補だが、「既に素晴らしいシーズンになっているし、負けても問題ない。ノープレッシャーで良い結果を狙っていく」と話している。
激しい2位争いを制したのはネイスのチームメイトであるラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ)。「レース中にライバル勢よりも自分の方が余裕があると感じていたのでチャンスを待った」と言う通り、最後のコッペンベルグで抜け出し先着。「かつてないほど厳しいコッペンベルグクロスだった」と言うイゼルビットが3位となった。
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「逃げ場のない苦痛」とレースを評した竹之内はマイナス2周でレースを終えた。「レース内で自分の強みを見つけられ、しっかりこなせたと思う、ただ、この期に及んでももっとこうすれば良いのか、次はこうすれば、、などと考えてしまってます。懲りないもんです笑 ヘラヘラしてるわけではないけど、応援にも少なからず手をあげたり首ふったりして応えることができ、スタートゴール地点の悠コールも浴びて、幸せでした。ありがとう、みんな!」と、ベルギーファンへのメッセージを綴っている。
X2Oトロフェー2023-2024第1戦 女子エリート結果
1位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 43:23 |
2位 | デニセ・ベッツェマ(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:50 |
3位 | アンナ・カイ(イギリス、シクロクロスレッズ) | +2:08 |
4位 | キム・ファンデスティーン(ベルギー) | +2:56 |
5位 | キオナ・クラッベ(ベルギー、プロキシムス・シクリス・アルファモーターホームCT) | +3:09 |
6位 | アニク・ファンアルフェン(オランダ、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +3:24 |
7位 | アンマリー・ワースト(オランダ、シクロクロスレッズ) | +3:32 |
8位 | サンヌ・カント(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +5:41 |
9位 | ヤナ・ドブラール(ベルギー) | +6:21 |
10位 | ジョイス・ファンデルベーケン(ベルギー) | +7:11 |
X2Oトロフェー2023-2024第1戦 男子エリート結果
1位 | ティボー・ネイス(ベルギー、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | 59:33 |
2位 | ラース・ファンデルハール(オランダ、バロワーズ・トレック・ライオンズ) | +0:07 |
3位 | エリ・イゼルビット(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +0:17 |
4位 | キャメロン・メイソン(イギリス、シクロクロスレッズ) | +0:37 |
5位 | マイケル・ファントーレンハウト(ベルギー、パウェルスサウゼン・ビンゴール) | +1:16 |
6位 | トーン・ファンデボッシュ(ベルギー、クレラン・コレンドン) | +2:13 |
7位 | コルネ・ファンケッセル(オランダ、デシュハフト・ヘンス・マース) | +3:14 |
8位 | タイス・アールツ(ベルギー、サーカス・レウス・テックノルド) | +4:01 |
9位 | トーマス・メイン(イギリス、ホープファクトリーレーシング) | +4:07 |
10位 | ランダー・ロックス(ベルギー、TDTユニベット) | +4:13 |
25位 | 竹之内悠(Slash) | -2lap |
text:So.Isobe
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