イネオス・グレナディアーズは10月23日、2018年のツール・ド・フランス覇者であるゲラント・トーマス(イギリス)との契約更新を発表した。期間は2025年までの2年間で、トーマスは「自分の成績を求め、またチームの助けになりたい」と意気込みを語った。



イネオス・グレナディアーズと2年契約を結んだゲラント・トーマス(イギリス) (c)Corvos

「イネオス・グレナディアーズと契約を更新することができ、とても嬉しく思っている。いまだ自転車に乗り、チームメイトとレースやトレーニングすることが好きだ。”絶対”とは言えないが、おそらくこれが現役最後の契約更新。だがそれまで僕にはあと2年もあり、他のチームだったら続けることができなかっただろう」と、ゲラント・トーマス(イギリス)はチームが公開した動画でそう語った。

他チームへ移籍するのではなく、2010年から所属するイネオスで走り続けることを選んだ理由を「このチームは僕を理解し、成功に導く術を知っている。それに選手ではルーク(ロウ)とスウィフト、監督にはスタナードという子どもの頃からの友人がいることが大きい。彼らのおかげで、このチームは家のような安らぎがある」とトーマスは説明した。

2018年にツール・ド・フランスで総合優勝を挙げ、来年5月で38歳となるトーマス。しかしその力は衰えを知らず、2022年はツール・ド・スイスでの総合優勝とツールで総合3位入賞。今年臨んだジロ・デ・イタリアでは第20ステージで総合首位逆転を許したものの、8日間に渡りマリアローザを着用し、総合2位という好成績を掴んだ。

今年のジロでマリアローザに袖を通したゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:RCS Sport

トーマスを2003年から知るロッド・エリングワースGMは「ゲラントがあと2年もチームのために走ってくれると分かり興奮している。チームの野望は再びツールで総合優勝をすること。そのために若い才能を送り込む中で、ゲラントはその目標実現のために不可欠な役割を果たしてくれるだろう」と語っている。

来年以降についてトーマスは「引き続きあらゆるレースで勝利を争えるようになりたい。またクラシックに挑んだり、総合エースとしてグランツールに出場したい。また次世代のエースをアシストするなど、とにかくチームにポジティブな影響を与えたい。自分の結果を求めるハングリーさは健在だが、同時にチームを助け、このチームを再び自転車界のトップへと押し上げたい」とコメントした。

そしてトーマスは、「キャリアを通して得ている応援は素晴らしいものだ。それも母国からだけでなく、アメリカやオーストラリアなどヨーロッパを越えて応援してくれるファンがいる。その熱がコースでも感じられるからこそ、僕はこの競技を愛し続けているんだ」とリリースを締めくくった。


text:Sotaro.Arakawa

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