ツール・ド・九州の前哨戦となる「小倉城クリテリウム」が開催され、終盤に主導権を握ったチームブリヂストンサイクリングが圧勝。兒島直樹が1位、窪木一茂が2位となり、1-2フィニッシュを達成した。



小倉城の下でのクリテリウム ©️ツール・ド・九州2023実行委員会

九州初のUCIステージレース「マイナビ ツール・ド・九州2023」のステージ0(ゼロ)と位置付けられる「小倉城クリテリウム」は、その名の通り小倉城周辺でのレース。1周1.79kmのコースは、小倉城前をスタート・フィニッシュとし、4つのコーナーと1つの折り返しで構成される。高低差は10m未満でほぼ平坦。小倉の市街地も近く、平日開催にも関わらず多くの観客が集まった。

今大会唯一のワールドチーム、アスタナ・カザクスタンチームがチームプレゼンテーションに登壇 photo:Satoru Kato

勇壮な和太鼓の演奏が雰囲気を盛り上げる photo:Satoru Kato
大会アンバサダーでTikTokerの「ばりやわとんこつ」がツール・ド・九州の各賞ジャージを紹介 photo:Satoru Kato


小倉城を背にスタート photo:Satoru Kato

秋晴れの青空の下、小倉城を背に25周45kmのレースがスタート。地元チームVC福岡のファーストアタックを皮切りにアタック合戦が始まっていく。

序盤は各チーム入り乱れてのアタック合戦が続く photo:Satoru Kato

ファーストアタックは地元チームVC福岡の南和人と鎌田晃輝 photo:Satoru Kato

コーナーが連続する区間、蛇行する集団 photo:Satoru Kato

序盤にはベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)が飛び出し、中盤には増田成幸(JCLチーム右京)と横塚浩平(VC福岡)、さらに岡篤志(JCLチーム右京)、山本哲夫(チームブリヂストンサイクリング)、織田聖(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)らが飛び出すも、5周ごとに設定された特別周回賞を狙っての動きのためか、長続きする逃げにはならない。

単独で飛び出したベンジャミ・プラデス(JCLチーム右京)を小学生が応援 photo:Satoru Kato

横塚浩平(VC福岡)と増田成幸(JCLチーム右京)が抜け出す photo:Satoru Kato
レース中盤、岡篤志(JCLチーム右京)、山本哲夫(チームブリヂストンサイクリング)、織田聖(EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム)が先行 photo:Satoru Kato


残り10周を切り、ボルトンエクイティース・ブラックスポークとチームブリヂストンサイクリングが集団前方に集まる photo:Satoru Kato

残り10周を切ると、集団前方にボルトンエクイティース・ブラックスポーク(以下ボルトンエクイティース)と、チームブリヂストンサイクリング(以下ブリヂストン)のメンバーが集まって隊列を組み始める。残り5周からはブリヂストンの5名が集団先頭を固めて加速。ボルトンエクイティースがブリヂストンの前に入るも、最終周回に入ると再びブリヂストンがコントロールを取り戻してスプリント体制を整える。

残り5周、チームブリヂストンサイクリングが集団先頭を固める photo:Satoru Kato

フィニッシュラインに突進する兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)後方で窪木一茂と松田祥位がガッツポーズ photo:Satoru Kato

兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)が優勝 photo:Satoru Kato

松田祥位のリードアウトを受け、最終コーナーをクリアすると兒島直樹の勝利が確定。後方で早々にガッツポーズを決めるチームメイトを背に、兒島がトップでフィニッシュ。窪木が2位となってブリヂストンがワン・ツーフィニッシュを決めた。

小倉城クリテリウム優勝トロフィーを手にした兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato

兒島直樹 コメント
「終盤BSがみんな固まったので、これはもらったと。最後は危険なコーナーだったので、そこを超えてからはしっかり踏むことが出来た。残り10周を切ったあたりから集団が落ち着いてきたので、みんなでまとまってうまく展開できた。そこから橋本英也選手がずっと引いていてくれたが、キツそうになっていたところにニュージーランドのチーム(ボルトンエクイティース)が入ってくれたので、展開に恵まれた。そのおかげでみんなが力を出しきれて僕を発射出来たと思う。

2位 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) photo:Satoru Kato
3位 エフゲニー・ギディッチ (アスタナ・カザクスタン) photo:Satoru Kato


最後は松田選手のダッシュ力が強くて離されかけたけれど、ここで離れたらダメだと思って食らいつき、全力でモガいた。後ろにいた窪木さんが仕掛けを遅めにしてくれて差を広げ、その間に自分が行けたので作戦通りにいった。本当は窪木さんがエースで、僕がリードアウトする予定だったけれど、チームメンバーが余って僕が残るようであれば行って良いという話をしていた。地元で勝てて本当に嬉しい。

明日から本格的に始まるので、チームでひとつでも多く勝てるようにしたい。第1ステージは地元のみやま市やBSの工場がある久留米市を通るので、チーム一丸になって頑張りたい」
小倉城クリテリウム 結果
1位 兒島直樹 (チームブリヂストンサイクリング、日本) 59分0秒
2位 窪木一茂 (チームブリヂストンサイクリング、日本) +0秒
3位 エフゲニー・ギディッチ (アスタナ・カザクスタン、カザフスタン) +0秒
4位 デクラン・トレザイス (ARAスキップ・キャピタル、オーストラリア)
5位 岡本 隼 (愛三工業レーシングチーム、日本)
6位 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ (JCLチーム右京、スペイン)
7位 小野寺 玲 (宇都宮ブリッツェン、日本)
8位 草場啓吾 (愛三工業レーシングチーム、日本)
9位 織田 聖 (EFエデュケーション・NIPPOデヴェロップメントチーム、日本) +3秒
10位 沢田 時 (宇都宮ブリッツェン、日本)
特別周回賞
5周回完了時 ベンジャミ・プラデス・レヴェルテ (JCLチーム右京、スペイン)
10周回完了時 孫崎大樹(キナンレーシングチーム、日本)
15周回完了時 岡 篤志(JCLチーム右京、日本)
20周回完了時 岡 篤志(JCLチーム右京、日本)



小倉城クリテリウム ダイジェスト



text:Satoru Kato
photo:Satoru Kato, ツール・ド・九州2023実行委員会

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