現在オランダで開催中のロードヨーロッパ選手権は大会2日目を迎え、今年で4度目となる男女ミックスリレーが行われた。大会連覇を狙うイタリアのタイムを、男女国内TT王者であるレミ・カヴァニャとセドリーヌ・ケルバオールを揃えたフランスが4秒上回り初優勝を飾った。



フランスの男子チームを牽引するレミ・カヴァニャ photo:CorVos

オランダ東部にあるエメンで開催されている2023年ロードヨーロッパ選手権。男女エリートの個人タイムトライアルで開幕した大会2日目は、2019年大会より始まった男女ミックスリレーが行われた。

男女3名ずつ、合計6名によるリレー形式で争う国別対抗戦のコースは、1周19.2kmを男女で走る38.4km。まずは男子3名が隊列を組んでコースを走り、2番目の選手がフィニッシュラインを通過したタイミングで女子3名がスタート。男子同様に2番目の選手がフィニッシュした時間がその国の成績となる。

ミックスリレーのアルカンシエルを着て走るシュテファン・ビッセガー(スイス) photo:CorVos

トップタイムで女子にバトンタッチしたものの、4秒差で敗れたイタリア photo:CorVos

出場したのは8月のロード世界選手権ミックスリレーを制したスイスや大会連覇を目論むイタリアなど8ヶ国。しかし優勝候補のスイスはシュテファン・キュングが前日の個人TTで落車・欠場したためタイムが伸びず、その一方でフランスの走りが光った。

男女のTT国内王者であるレミ・カヴァニャとセドリーヌ・ケルバオールを揃えたフランスは、マティア・カッタネオらを揃える男子がイタリアから20秒遅れで女子に優勝を託す。するとケルバオールとジュリエット・ラブー、オードリー・コードンラゴの女子チームが快走し、最終的にイタリアのタイムを4秒上回る44分23秒でフィニッシュ。3位のドイツにも23秒差をつけ、初優勝を手に入れた。

「女子チームが強いことは分かっていた。だから僕らの目標は彼女たちのため良い状況を作り出すことだった。彼女たちは本当に素晴らしい走りで25秒を奪ってくれた。本当に凄いよ」とバンジャマン・トマは語った。

20秒差をひっくり返す好走を披露したフランスの女子3名 photo:CorVos

優勝を男女共に喜ぶフランス photo:CorVos

表彰式でヨーロッパ王者ジャージに袖を通し、国歌を斉唱するフランス photo:CorVos

一方でトップのフランスから57秒遅れの6位と沈んだスイス。前日の個人TTで3連覇を果たしたマーレン・ローセルは「深刻な怪我でなくて良かったが、彼(キュング)の(前日の)落車を残念に思う。チームにとって大きなモーターを失ったも同然だが、私たちはベストを尽くした。だが代わりに若手が走るチャンスを得たのは良いこと。良い走りができたが、彼のいないチームは寂しかった」と悔しさを語っている。
ロードヨーロッパ選手権2023タイムトライアル・ミックスリレー結果
1位 フランス 44:23
2位 イタリア +0:04
3位 ドイツ +0:23
4位 オランダ +0:24
5位 ポーランド +0:39
6位 スイス +0:57
7位 ベルギー +3:46
8位 ウクライナ +4:34
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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