2023/09/19(火) - 10:40
欧州における女子ワールドツアー最終戦「ツール・ド・ロマンディ・フェミナン」が閉幕した。7月にツール・ド・フランス・ファムを制したデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)が、2日目の山岳フィニッシュを制して総合優勝を手に入れた。
前世界王者であるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)の引退により、次世代に主役が引き継がれた女子自転車ロードレース。欧州におけるUCIウィメンズワールドツアー最終戦である、第2回ツール・ド・ロマンディ・フェミナン」が9月15〜17日の日程で行われた。
舞台となるのは4月下旬の男子ツール・ド・ロマンディと同じスイス。男子の6日間と比べ3日間と半分の日程だが、山頂フィニッシュや集団スプリントが予想されるステージなど、あらゆる脚質の選手にチャンスのあるワールドツアーに相応しいレースとなっている。
初日の出発地点イベルドンに集ったのは、昨年の初回大会で総合優勝を挙げたアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)を含む98名の選手たち。またSDワークスは7月のツール・ド・フランス・ファムを制したデミ・フォレリング(オランダ)や、今年のツール・ド・スイス・ウィメンの総合優勝者マーレン・ローセル(スイス)らを揃えた。
第1ステージ(9月15日)
第1ステージはUCI(国際自転車競技連合)本部のあるレマン湖にもほど近いヌーシャテル湖の湖畔を巡る丘陵ステージ。序盤からクラーラ・ホンシンガー(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)が単独で逃げ、最大3分のリードを得る。しかしこの日3つ目の3級山岳(残り41.5km地点)が近づくにつれ、SDワークスなどが牽引するメイン集団はペースアップを敢行した。
その結果ホンシンガーは登坂区間で吸収され、プロトンは集団のまま頂上を通過。カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)による下りアタックはフォレリングが潰し、その後地元スイス出身のエリーズ・シャベイ(キャニオン・スラム)やローセルの仕掛けも決まらない。
アタック合戦により混沌としたレースは残り2.3kmでカリーナ・シュレンプ(オーストリア、フェニックス・ドゥクーニンク)が飛び出し、プロトンを振り切ったと思ったシュレンプがガッツポーズでフィニッシュラインを通過した。
しかし猛追するソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ)のスプリントが届き、大会初日で劇的勝利を披露した。
第2ステージ(9月16日)
大会2日目は総合優勝を左右するクイーンステージ。コース後半に登場する1級山岳を登り、標高約1000mのダウンヒルを経て1級山岳トルゴン(距離10.6km/平均6.6%)を駆け上がる。序盤から逃げを目指す動きはあったものの、いずれも不発に終わり、一つの集団のまま最初の1級山岳の麓にたどり着いた。
しかしそこでも目立った動きはなく、続く1級山岳トルゴンの麓でシルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)とアムベル・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)らが飛び出し、1分のリードを得る。それを追うプロトンでは、ファンフルーテンからモビスター総合エースを引き継いだリアヌ・リッパート(ドイツ)が遅れ、また大会連覇のかかるモールマンも脱落する。
そして残り5kmで先頭のペルシコらが引き戻され、10名となったトップ集団にフォレリングを擁するSDワークスは4名を残す。フィニッシュまで2kmを切り、ジュリエット・ラブー(フランス、DSM・フィルメニッヒ)のアタックに反応したフォレリングとニエウィアドマが先頭に出ると、そのまま2人は後続を引き離した。
そして先頭固定でフィニッシュまでたどり着いたニエウィアドマを、フォレリングがラスト200mで追い抜き、クイーンステージを制覇。またリーダージャージにも袖を通した。
第3ステージ(9月17日)
最終日の舞台はレマン湖の湖畔を巡る丘陵ステージ。2つの3級山岳が登場するコースを2周し、最後は平坦路でフィニッシュする。序盤は静かな展開となり、最初の3級山岳からアタックとプロトンによる吸収が繰り返され、残り28kmからローセルやシャベイが地元勝利を狙うべくアタック。しかしいずれも決まらず、その後の仕掛けもSDワークスの牽引によって不発に終わる。
そしてスプリンターが脱落し、クライマーや総合上位陣だけどなった集団はひと塊のまま最終ストレートに突入する。先んじてスプリントを開始したのはシクロクロスの世界王者であるフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)。これにローセルが追従し、右に緩やかに曲がるコースの外側からリッパートが追い込み、フィニッシュ手前でファンエンペルを抜き去った。
ツール・ファムでも区間優勝し、今季3勝目を掴んだリッパート。「チームメイトがアタックに反応してくれたおかげで、リラックスしてスプリントに備えることができた。私を信頼してくれたチームや支えてくれた人たちに感謝したい」と、9月23日のヨーロッパ選手権に向けて弾みをつけた。
そして第2回大会の総合優勝はフォレリングの手に。「とても良いレースかつ、現在居を構えるスイスの地で勝つことができて本当に嬉しい」と喜びを語った。総合2位にはニエウィアドマが入り、ローセルが3位で母国スイスの表彰台に上がった。
前世界王者であるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)の引退により、次世代に主役が引き継がれた女子自転車ロードレース。欧州におけるUCIウィメンズワールドツアー最終戦である、第2回ツール・ド・ロマンディ・フェミナン」が9月15〜17日の日程で行われた。
舞台となるのは4月下旬の男子ツール・ド・ロマンディと同じスイス。男子の6日間と比べ3日間と半分の日程だが、山頂フィニッシュや集団スプリントが予想されるステージなど、あらゆる脚質の選手にチャンスのあるワールドツアーに相応しいレースとなっている。
初日の出発地点イベルドンに集ったのは、昨年の初回大会で総合優勝を挙げたアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)を含む98名の選手たち。またSDワークスは7月のツール・ド・フランス・ファムを制したデミ・フォレリング(オランダ)や、今年のツール・ド・スイス・ウィメンの総合優勝者マーレン・ローセル(スイス)らを揃えた。
第1ステージ(9月15日)
第1ステージはUCI(国際自転車競技連合)本部のあるレマン湖にもほど近いヌーシャテル湖の湖畔を巡る丘陵ステージ。序盤からクラーラ・ホンシンガー(アメリカ、EFエデュケーション・TIBCO-SVB)が単独で逃げ、最大3分のリードを得る。しかしこの日3つ目の3級山岳(残り41.5km地点)が近づくにつれ、SDワークスなどが牽引するメイン集団はペースアップを敢行した。
その結果ホンシンガーは登坂区間で吸収され、プロトンは集団のまま頂上を通過。カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)による下りアタックはフォレリングが潰し、その後地元スイス出身のエリーズ・シャベイ(キャニオン・スラム)やローセルの仕掛けも決まらない。
アタック合戦により混沌としたレースは残り2.3kmでカリーナ・シュレンプ(オーストリア、フェニックス・ドゥクーニンク)が飛び出し、プロトンを振り切ったと思ったシュレンプがガッツポーズでフィニッシュラインを通過した。
しかし猛追するソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ)のスプリントが届き、大会初日で劇的勝利を披露した。
第2ステージ(9月16日)
大会2日目は総合優勝を左右するクイーンステージ。コース後半に登場する1級山岳を登り、標高約1000mのダウンヒルを経て1級山岳トルゴン(距離10.6km/平均6.6%)を駆け上がる。序盤から逃げを目指す動きはあったものの、いずれも不発に終わり、一つの集団のまま最初の1級山岳の麓にたどり着いた。
しかしそこでも目立った動きはなく、続く1級山岳トルゴンの麓でシルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)とアムベル・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)らが飛び出し、1分のリードを得る。それを追うプロトンでは、ファンフルーテンからモビスター総合エースを引き継いだリアヌ・リッパート(ドイツ)が遅れ、また大会連覇のかかるモールマンも脱落する。
そして残り5kmで先頭のペルシコらが引き戻され、10名となったトップ集団にフォレリングを擁するSDワークスは4名を残す。フィニッシュまで2kmを切り、ジュリエット・ラブー(フランス、DSM・フィルメニッヒ)のアタックに反応したフォレリングとニエウィアドマが先頭に出ると、そのまま2人は後続を引き離した。
そして先頭固定でフィニッシュまでたどり着いたニエウィアドマを、フォレリングがラスト200mで追い抜き、クイーンステージを制覇。またリーダージャージにも袖を通した。
第3ステージ(9月17日)
最終日の舞台はレマン湖の湖畔を巡る丘陵ステージ。2つの3級山岳が登場するコースを2周し、最後は平坦路でフィニッシュする。序盤は静かな展開となり、最初の3級山岳からアタックとプロトンによる吸収が繰り返され、残り28kmからローセルやシャベイが地元勝利を狙うべくアタック。しかしいずれも決まらず、その後の仕掛けもSDワークスの牽引によって不発に終わる。
そしてスプリンターが脱落し、クライマーや総合上位陣だけどなった集団はひと塊のまま最終ストレートに突入する。先んじてスプリントを開始したのはシクロクロスの世界王者であるフェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)。これにローセルが追従し、右に緩やかに曲がるコースの外側からリッパートが追い込み、フィニッシュ手前でファンエンペルを抜き去った。
ツール・ファムでも区間優勝し、今季3勝目を掴んだリッパート。「チームメイトがアタックに反応してくれたおかげで、リラックスしてスプリントに備えることができた。私を信頼してくれたチームや支えてくれた人たちに感謝したい」と、9月23日のヨーロッパ選手権に向けて弾みをつけた。
そして第2回大会の総合優勝はフォレリングの手に。「とても良いレースかつ、現在居を構えるスイスの地で勝つことができて本当に嬉しい」と喜びを語った。総合2位にはニエウィアドマが入り、ローセルが3位で母国スイスの表彰台に上がった。
第1ステージ結果
1位 | ソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ) | 3:53:10 |
2位 | カリーナ・シュレンプ(オーストリア、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
3位 | ミーシャ・ブレーデウォルツ(オランダ、SDワークス) |
第2ステージ結果
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | 3:01:19 |
2位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | 0:02 |
3位 | マーレン・ローセル(スイス、SDワークス) | 0:06 |
第23テージ結果
1位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | 3:18:31 |
2位 | フェム・ファンエンペル(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | シルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ) |
個人総合成績
1位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | 10:12:50 |
2位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | +0:06 |
3位 | マーレン・ローセル(スイス、SDワークス) | +0:12 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ソフィア・ベルティツォーロ(イタリア、UAEチームADQ) |
山岳賞 | ルース・アドヘースツ(オランダ、FDJ・スエズ) |
ヤングライダー賞 | リカルダ・バウエルンファイント(ドイツ、キャニオン・スラム) |
チーム総合成績 | SDワークス |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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