2023/09/16(土) - 15:30
北米カナダを舞台にワールドツアー2連戦のGPケベックとGPモンレアルが開催された。集団スプリントとなったケベックはアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)が、モンレアルは登りで飛び出したアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)が勝利を収めた。
スペインでブエルタ・ア・エスパーニャが佳境を迎える中、カナダに世界トップのクラシックレーサーが集結。フランス語圏を舞台に繰り広げられるグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)が9月8日に、2日後の9月10日にグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)が開催された。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック(9月8日)
先んじて行われたGPケベックにコースは、例年通りセント・ローレンス川に面したケベック市内に設定された12.6kmを16周回する201.6km。コース後半には名称の付けられた登坂が4つ登場し、最後はフィニッシュ地点まで続くグラン・ダリー(距離1000m/平均勾配4%)を駆け上がる。昨年はブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)が制したレースは、ジャパンカップへの参戦が発表されたダビ・ロサノ(スペイン、ノボノルディスク)ら4名が逃げを打った。
それを過去に大会連覇しているマイケル・マシューズ(オーストラリア)のジェイコ・アルウラーなどがメイン集団を牽引し、周回を重ねていく。ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ボーラ・ハンスグローエ)ら5名が補給ゾーンで落車するシーンもありながら、残り44kmでプロトンは早くも逃げを吸収。リドル・トレックやUAEチームエミレーツなど目まぐるしく先頭が入れ替わるなか、残り3.4km地点でコスヌフロワが飛び出した。
昨年よりも遠い距離から仕掛けたコスヌフロワだったが、残り2km地点で引き戻される。そしてニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)の加速もマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)が潰し、ユンボ・ヴィスマが最終ストレートの手前からトレインを並べる。
混沌とした集団スプリントに持ち込まれると、先んじて腰を上げたコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)との差を、ジワジワと詰めたアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)が先着。自身初となるワールドツアー勝利を手に入れた。
「最後までできる限り力を溜めようと試みた。いままで何度も観ていたGPケベックを、初出場で勝つことができた。コービン・ストロングやマイケル・マシューズなど強豪相手に勝つことは簡単ではなかった」と、弱冠21歳にしてプロ通算17勝目を飾ったデリーは喜びを表現した。
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(9月11日)
あいにくの雨に見舞われたグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)は、同じカナダのモントリオール(現地の公用語フランス語の読みはモンレアル)の市内中心部、モンレアル大学とモンロイヤル公園を取り囲む12.3kmの周回コースが舞台となった。出場したメンバーは2日前のGPケベックとほぼ同じだがし、獲得標高差4,842mと本格山岳レースに匹敵するため、クライマーに有利なレイアウトとなっている。
昨年はタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が勝利したレースは、フロリアン・フェルミールス(ベルギー、ロット・デスティニー)の一人逃げが決まる。しかしGPケベックと同じく残り54km地点と早々とプロトンがキャッチ。前日勝者のデリーやマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)がアタックするものの、決め手に欠いた。
そしてラスト1周回に突入した残り10km地点でアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)がアタック。そこにパヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が遅れて合流し、昨年までチームメイトであった2人がローテーションを回す。
その後方ではアレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター)やサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)が追いかけるものの、引き戻すには至らない。そのため6時間弱に渡る戦いは先頭の2人に絞られた。
シヴァコフが先頭のまま最終ストレートに突入し、残り200mからイェーツがスプリントを開始。シヴァコフは力なくペダルへの力を緩めたため、イェーツは自身初となるワールドツアーのワンデーレースを勝利した。
来年UAEチームエミレーツに移籍し、再びチームメイトとなるシヴァコフを下してチーム連覇を達成したアダム・イェーツ。「とても長く、厳しいレースだった。僕には爆発的な加速力はないため、勝つにはレースを厳しいペースに持ち込むしかなかった。ラスト1周はフルガス(全力)で登りを駆け上がったのだが、シヴァコフが追いかけてきた。だが僕の方がスプリントでは上回っていると思い、その通りの結果となった。長年勝利を目指しており、2015年には2位だった。ようやく今日、勝つことができたよ」と、ツール・ド・フランスでの区間優勝など今年キャリアハイの活躍を見せるイェーツは喜んだ。
スペインでブエルタ・ア・エスパーニャが佳境を迎える中、カナダに世界トップのクラシックレーサーが集結。フランス語圏を舞台に繰り広げられるグランプリ・シクリスト・ド・ケベック(GPケベック)が9月8日に、2日後の9月10日にグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)が開催された。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック(9月8日)
先んじて行われたGPケベックにコースは、例年通りセント・ローレンス川に面したケベック市内に設定された12.6kmを16周回する201.6km。コース後半には名称の付けられた登坂が4つ登場し、最後はフィニッシュ地点まで続くグラン・ダリー(距離1000m/平均勾配4%)を駆け上がる。昨年はブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)が制したレースは、ジャパンカップへの参戦が発表されたダビ・ロサノ(スペイン、ノボノルディスク)ら4名が逃げを打った。
それを過去に大会連覇しているマイケル・マシューズ(オーストラリア)のジェイコ・アルウラーなどがメイン集団を牽引し、周回を重ねていく。ボブ・ユンゲルス(ルクセンブルク、ボーラ・ハンスグローエ)ら5名が補給ゾーンで落車するシーンもありながら、残り44kmでプロトンは早くも逃げを吸収。リドル・トレックやUAEチームエミレーツなど目まぐるしく先頭が入れ替わるなか、残り3.4km地点でコスヌフロワが飛び出した。
昨年よりも遠い距離から仕掛けたコスヌフロワだったが、残り2km地点で引き戻される。そしてニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)の加速もマルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ)が潰し、ユンボ・ヴィスマが最終ストレートの手前からトレインを並べる。
混沌とした集団スプリントに持ち込まれると、先んじて腰を上げたコービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック)との差を、ジワジワと詰めたアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)が先着。自身初となるワールドツアー勝利を手に入れた。
「最後までできる限り力を溜めようと試みた。いままで何度も観ていたGPケベックを、初出場で勝つことができた。コービン・ストロングやマイケル・マシューズなど強豪相手に勝つことは簡単ではなかった」と、弱冠21歳にしてプロ通算17勝目を飾ったデリーは喜びを表現した。
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(9月11日)
あいにくの雨に見舞われたグランプリ・シクリスト・ド・モンレアル(GPモンレアル)は、同じカナダのモントリオール(現地の公用語フランス語の読みはモンレアル)の市内中心部、モンレアル大学とモンロイヤル公園を取り囲む12.3kmの周回コースが舞台となった。出場したメンバーは2日前のGPケベックとほぼ同じだがし、獲得標高差4,842mと本格山岳レースに匹敵するため、クライマーに有利なレイアウトとなっている。
昨年はタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が勝利したレースは、フロリアン・フェルミールス(ベルギー、ロット・デスティニー)の一人逃げが決まる。しかしGPケベックと同じく残り54km地点と早々とプロトンがキャッチ。前日勝者のデリーやマイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー)がアタックするものの、決め手に欠いた。
そしてラスト1周回に突入した残り10km地点でアダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ)がアタック。そこにパヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ)が遅れて合流し、昨年までチームメイトであった2人がローテーションを回す。
その後方ではアレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター)やサイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー)が追いかけるものの、引き戻すには至らない。そのため6時間弱に渡る戦いは先頭の2人に絞られた。
シヴァコフが先頭のまま最終ストレートに突入し、残り200mからイェーツがスプリントを開始。シヴァコフは力なくペダルへの力を緩めたため、イェーツは自身初となるワールドツアーのワンデーレースを勝利した。
来年UAEチームエミレーツに移籍し、再びチームメイトとなるシヴァコフを下してチーム連覇を達成したアダム・イェーツ。「とても長く、厳しいレースだった。僕には爆発的な加速力はないため、勝つにはレースを厳しいペースに持ち込むしかなかった。ラスト1周はフルガス(全力)で登りを駆け上がったのだが、シヴァコフが追いかけてきた。だが僕の方がスプリントでは上回っていると思い、その通りの結果となった。長年勝利を目指しており、2015年には2位だった。ようやく今日、勝つことができたよ」と、ツール・ド・フランスでの区間優勝など今年キャリアハイの活躍を見せるイェーツは喜んだ。
グランプリ・シクリスト・ド・ケベック2023結果
1位 | アルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー) | 4:47:36 |
2位 | コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) | |
3位 | マイケル・マシューズ(オーストラリア、ジェイコ・アルウラー) | |
4位 | アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター) | |
5位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) | |
7位 | アレクサンダー・カンプ(デンマーク、チューダー・プロサイクリングチーム) | |
8位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) | |
10位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) |
グランプリ・シクリスト・ド・モンレアル2023結果
1位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | 5:54:02 |
2位 | パヴェル・シヴァコフ(フランス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:03 |
3位 | アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター) | +0:12 |
4位 | ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ) | |
5位 | シモーネ・ヴェラスコ(イタリア、アスタナ・カザフスタン) | |
6位 | サイモン・イェーツ(イギリス、ジェイコ・アルウラー) | |
7位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +0:17 |
8位 | ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) | +0:24 |
9位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、リドル・トレック) | +0:29 |
10位 | マルク・ヒルシ(スイス、UAEチームエミレーツ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
Amazon.co.jp