2023/09/12(火) - 08:15
アネミエク・ファンフルーテンの現役最終レースとなったシマック・レディース・ツアーが閉幕。SDワークスが区間3勝&総合トップ2独占と圧倒した大会は、現世界王者のロッタ・コペッキー(ベルギー)が総合優勝に輝いた。
ロード世界選手権の激戦から約1ヶ月が経った9月5日(火)、第25回シマック・レディース・ツアー(UCIワールドツアー)が自転車大国オランダにて開幕した。ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)を巡る唯一のワールドツアーのステージレースは、初日のプロローグを合わせて6日間の戦い。山岳が登場しないため連日白熱のスプリントバトルが繰り広げられ、各ステージの着順によって与えられるボーナスタイムが総合優勝への鍵を握る。
昨年は区間2勝でスプリンターながらも総合優勝に輝いたロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)が出場した今大会には、チームメイトである現世界王者ロッタ・コペッキー(ベルギー)がゼッケン1番をつける。そして今大会の注目は、これが現役最後のレースとなる地元オランダ出身のアネミエク・ファンフルーテン(モビスター)に集まった。
大会初日のプロローグはエーデを巡る2.4kmの個人タイムトライアル。ファンフルーテンが3分12秒の暫定トップタイムをマークすると、エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)やTTオランダ王者のリーアンヌ・マルクス(ユンボ・ヴィスマ)らがそれを更新。そして勝利は3分4秒で駆け抜けた地元オランダ出身のスプリンター、シャーロッテ・コール(DSM・フィルメニッヒ)が掴んだ。
集団スプリントが濃厚の平坦ステージで争われた第1ステージ。序盤で形成された3名逃げを捉え、その後の飛び出しもメイン集団は引き戻す。そして最終ストレートでアルカンシエルのコペッキーに導かれたウィーベスがスプリントを開始。ほぼ同時にリードアウトから発射されたエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)との争いを、今年は不調に喘いでいた前世界王者のバルサモが制した。
ベルギーに舞台を移した第2ステージは7.1kmの個人タイムトライアル。気温が30度を超える暑さのなか、暫定トップでフィニッシュしたのは9月よりキャニオン・スラムに加入したゾーイ・バックステッド(イギリス)。しかしすぐにコペッキーがバックステッドのタイムを11秒更新し、地元勝利とリーダージャージを手に入れた。
レース後半戦に入った第3ステージは集団スプリントで決着した。148.9kmレースは3名の逃げをSDワークスを先頭にしたプロトンが追う形で展開。残り10km地点で逃げを引き戻し、ジェイコ・アルウラーのトレインを先頭に最終ストレートに突入する。残り200mからウィーベスとコールがスプリントをはじめ、元チームメイトの2人による白熱の戦いはコールに軍配が上がった。
再びオランダに戻ってきた第4ステージはファルケンブルフを発着地点とする131.6km。レースはカウベルクなど丘陵地帯の急坂を巡るため、ラストレースを楽しむファンフルーテンにも十分勝機のあるレイアウトとなった。
引退するファンフルーテンの特大写真に見送られたレースは逃げと吸収を繰り返し、残り54km地点でファンフルーテンがアタック。しかしカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やコペッキーらを引き離すことはできず、その後もアタックは繰り返され、フィニッシュラインが引かれたカウベルクでコペッキーとウィーベス、ニエウィアドマの3人に絞られる。そして数の利を活かし、リーダージャージを着たコペッキーが勝利した。
シマック・ツアー最終第5ステージはアルンヘムに設定された2つの周回コースを巡るレイアウト。前日に勝利を逃したニエウィアドマが単独逃げを披露したものの成功せず、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。
第1ステージと同様にコペッキーがリードアウトを務め、飛び出した欧州王者ウィーベスのトップスピードにはバルサモも敵わない。そのため今大会2位に3回入ったウィーベスが、最終日にようやくの勝利を手に入れた。
この結果総合優勝にはコペッキーが輝き、総合2位にウィーベスが入ったためSDワークスは総合トップツーを独占。3位にはアンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)が入っている。
そして現役最後のレースを62位で終えたファンフルーテンは「多くの観客が沿道に詰めかけ、走りながら鳥肌が立っていた。いつもレースでは頭を下げて観客を見ずに進むのだが、今日は沿道の応援を楽しみ、これが最後のレースを噛み締めながら走った」と語り、16年に及ぶ選手生活にピリオドを打った。
ロード世界選手権の激戦から約1ヶ月が経った9月5日(火)、第25回シマック・レディース・ツアー(UCIワールドツアー)が自転車大国オランダにて開幕した。ベネルクス(ベルギー、オランダ、ルクセンブルク)を巡る唯一のワールドツアーのステージレースは、初日のプロローグを合わせて6日間の戦い。山岳が登場しないため連日白熱のスプリントバトルが繰り広げられ、各ステージの着順によって与えられるボーナスタイムが総合優勝への鍵を握る。
昨年は区間2勝でスプリンターながらも総合優勝に輝いたロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)が出場した今大会には、チームメイトである現世界王者ロッタ・コペッキー(ベルギー)がゼッケン1番をつける。そして今大会の注目は、これが現役最後のレースとなる地元オランダ出身のアネミエク・ファンフルーテン(モビスター)に集まった。
大会初日のプロローグはエーデを巡る2.4kmの個人タイムトライアル。ファンフルーテンが3分12秒の暫定トップタイムをマークすると、エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)やTTオランダ王者のリーアンヌ・マルクス(ユンボ・ヴィスマ)らがそれを更新。そして勝利は3分4秒で駆け抜けた地元オランダ出身のスプリンター、シャーロッテ・コール(DSM・フィルメニッヒ)が掴んだ。
集団スプリントが濃厚の平坦ステージで争われた第1ステージ。序盤で形成された3名逃げを捉え、その後の飛び出しもメイン集団は引き戻す。そして最終ストレートでアルカンシエルのコペッキーに導かれたウィーベスがスプリントを開始。ほぼ同時にリードアウトから発射されたエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)との争いを、今年は不調に喘いでいた前世界王者のバルサモが制した。
ベルギーに舞台を移した第2ステージは7.1kmの個人タイムトライアル。気温が30度を超える暑さのなか、暫定トップでフィニッシュしたのは9月よりキャニオン・スラムに加入したゾーイ・バックステッド(イギリス)。しかしすぐにコペッキーがバックステッドのタイムを11秒更新し、地元勝利とリーダージャージを手に入れた。
レース後半戦に入った第3ステージは集団スプリントで決着した。148.9kmレースは3名の逃げをSDワークスを先頭にしたプロトンが追う形で展開。残り10km地点で逃げを引き戻し、ジェイコ・アルウラーのトレインを先頭に最終ストレートに突入する。残り200mからウィーベスとコールがスプリントをはじめ、元チームメイトの2人による白熱の戦いはコールに軍配が上がった。
再びオランダに戻ってきた第4ステージはファルケンブルフを発着地点とする131.6km。レースはカウベルクなど丘陵地帯の急坂を巡るため、ラストレースを楽しむファンフルーテンにも十分勝機のあるレイアウトとなった。
引退するファンフルーテンの特大写真に見送られたレースは逃げと吸収を繰り返し、残り54km地点でファンフルーテンがアタック。しかしカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)やコペッキーらを引き離すことはできず、その後もアタックは繰り返され、フィニッシュラインが引かれたカウベルクでコペッキーとウィーベス、ニエウィアドマの3人に絞られる。そして数の利を活かし、リーダージャージを着たコペッキーが勝利した。
シマック・ツアー最終第5ステージはアルンヘムに設定された2つの周回コースを巡るレイアウト。前日に勝利を逃したニエウィアドマが単独逃げを披露したものの成功せず、勝負は集団スプリントに持ち込まれた。
第1ステージと同様にコペッキーがリードアウトを務め、飛び出した欧州王者ウィーベスのトップスピードにはバルサモも敵わない。そのため今大会2位に3回入ったウィーベスが、最終日にようやくの勝利を手に入れた。
この結果総合優勝にはコペッキーが輝き、総合2位にウィーベスが入ったためSDワークスは総合トップツーを独占。3位にはアンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)が入っている。
そして現役最後のレースを62位で終えたファンフルーテンは「多くの観客が沿道に詰めかけ、走りながら鳥肌が立っていた。いつもレースでは頭を下げて観客を見ずに進むのだが、今日は沿道の応援を楽しみ、これが最後のレースを噛み締めながら走った」と語り、16年に及ぶ選手生活にピリオドを打った。
プロローグ結果
1位 | シャーロッテ・コール(オランダ、DSM・フィルメニッヒ) | 3:04 |
2位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:04 |
3位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) |
第1ステージ結果
1位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | 3:28:45 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | |
3位 | シャーロッテ・コール(オランダ、DSM・フィルメニッヒ) |
第2ステージ(個人タイムトライアル)結果
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 8:59 |
2位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:02 |
3位 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、キャニオン・スラム) | +0:11 |
第3ステージ結果
1位 | シャーロッテ・コール(オランダ、DSM・フィルメニッヒ) | 3:38:02 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | |
3位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) |
第4ステージ結果
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 3:24:17 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | |
3位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
7位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | +0:13 |
第5ステージ結果
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | 3:44:53 |
2位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | |
3位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) |
個人総合成績
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 14:27:50 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | +0:05 |
3位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) | +0:41 |
23位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | +6:32 |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) |
山岳賞 | カーリーン・スウィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) |
ヤングライダー賞 | ゾーイ・バックステッド(イギリス、キャニオン・スラム) |
チーム総合成績 | リドル・トレック |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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