2023/08/30(水) - 14:10
北欧ノルウェーとデンマークを巡るツアー・オブ・スカンジナビアが行われ、セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク)とロレーナ・ウィーベス(オランダ)がそれぞれ2勝をマーク。今年限りで引退するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)が総合優勝に輝いた。
8月23日から27日の全5ステージで争われたツアー・オブ・スカンジナビア(UCI女子ワールドツアー)。2021年まではレディース・ツアー・オブ・ノルウェーと呼ばれ、昨年よりノルウェーだけではなくデンマークとスウェーデンをまたぐ大規模なレースに生まれ変わった。
デンマーク出身のセシリーウトラップ・ルドヴィグ(FDJ・スエズ)が昨年総合優勝を飾った大会には、スプリンターのロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)やエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が出場。また総合優勝を狙うべく今年限りで引退するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)も出場した。
今年は初日からの3日間をノルウェーで、その後はデンマークに移り終幕する5日間。124.6kmの平坦ステージで争われた初日は、集団が一つのままフィニッシュラインの引かれたハルデンの周回コースに突入。短い急坂でアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)が飛び出し、総合を争う17名の先鋭集団が形成された。
その中からルドヴィグが飛び出し、単独先頭に立つ。慌てて追いかけた追走集団にはスプリンターたちも合流し、フィニッシュ手前でルドヴィグをウィーベスとエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)がキャッチ。そしてヨーロッパ王者のウィーベスが初日勝者に輝いた。
2日目は終盤に1級山岳を登坂し、約10km先にフィニッシュが設定されたステージ。登りに入るとウィーベスらスプリンターが早々に遅れ、先頭はルドヴィグやファンフルーテンら4名に絞られる。そしてクライマーによるスプリント勝負を、前日に勝利を逃したルドヴィグが手に入れた。
スタート前から雨が路面と選手を濡らした大会3日目は、ノルウェーを舞台とした最後のステージ。逃げが生まれ、終盤に捉えたプロトンからオーストリア王者のカリーナ・シュレンプ(フェニックス・ドゥクーニンク)が単独で先頭に立つ。しかし残り6kmで引き戻され、緩い登り基調の集団スプリントをウィーベスが勝利。大会2勝目を手に入れた。
デンマークに入国した大会4日目は16.5kmの個人タイムトライアル。最終日の翌日が平坦ステージのため、総合優勝を左右するレースとなった。ファンフルーテンやアムベル・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)などを退け、平均スピードで唯一48km/h台に乗せたオーストラリアTT王者のグレース・ブラウン(FDJ・スエズ)が勝利。TTが得意でない総合首位のルドヴィグは52秒遅れでフィニッシュし、ファンフルーテンに総合逆転を許した。
大会最終日はデンマークを舞台にした平坦ステージ。序盤に登場した3級山岳をエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)が先頭通過して山岳賞ジャージの獲得を決め、プロトンが逃げを捉える。終盤に入り集団先頭を走っていたアンヤ・ローウ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)らがコースを間違え落車するシーンもありながら、ローウは単独でレース先頭に立ち続けた。
その後大粒の雨が選手たちを襲い、残り8kmでプロトンはローウをキャッチ。フィニッシュライン手前の短い登りでルドヴィグがアタックし、その動きにウィーベスやバルサモのいるプロトンは反応できない。そしてルドヴィグが地元デンマークで区間2勝目を手に入れた。
しかし後続が5秒遅れでフィニッシュしたため、ファンフルーテンが総合首位のキープに成功。総合2位に終わったルドヴィグは「総合優勝を逃したことは残念だが、チームとしての走りを誇りに思う。またチームとして全5ステージで3つの勝利はかなり良い結果だ」とコメントした。
そして自身2度目となるツアー・オブ・スカンジナビアの総合優勝者に輝いたファンフルーテン。「ツール・ド・フランス・ファムよりも少ないプレッシャーで、楽しんで走ることができた。これで笑顔で家に帰ることができる」と喜んだ。
ファンフルーテンはこの後、現役最後のレースとして母国オランダで9月5日に開幕するシミック・レディース・ツアー(UCI女子ワールドツアー)に出場する。
8月23日から27日の全5ステージで争われたツアー・オブ・スカンジナビア(UCI女子ワールドツアー)。2021年まではレディース・ツアー・オブ・ノルウェーと呼ばれ、昨年よりノルウェーだけではなくデンマークとスウェーデンをまたぐ大規模なレースに生まれ変わった。
デンマーク出身のセシリーウトラップ・ルドヴィグ(FDJ・スエズ)が昨年総合優勝を飾った大会には、スプリンターのロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)やエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)が出場。また総合優勝を狙うべく今年限りで引退するアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)も出場した。
今年は初日からの3日間をノルウェーで、その後はデンマークに移り終幕する5日間。124.6kmの平坦ステージで争われた初日は、集団が一つのままフィニッシュラインの引かれたハルデンの周回コースに突入。短い急坂でアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)が飛び出し、総合を争う17名の先鋭集団が形成された。
その中からルドヴィグが飛び出し、単独先頭に立つ。慌てて追いかけた追走集団にはスプリンターたちも合流し、フィニッシュ手前でルドヴィグをウィーベスとエリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック)がキャッチ。そしてヨーロッパ王者のウィーベスが初日勝者に輝いた。
2日目は終盤に1級山岳を登坂し、約10km先にフィニッシュが設定されたステージ。登りに入るとウィーベスらスプリンターが早々に遅れ、先頭はルドヴィグやファンフルーテンら4名に絞られる。そしてクライマーによるスプリント勝負を、前日に勝利を逃したルドヴィグが手に入れた。
スタート前から雨が路面と選手を濡らした大会3日目は、ノルウェーを舞台とした最後のステージ。逃げが生まれ、終盤に捉えたプロトンからオーストリア王者のカリーナ・シュレンプ(フェニックス・ドゥクーニンク)が単独で先頭に立つ。しかし残り6kmで引き戻され、緩い登り基調の集団スプリントをウィーベスが勝利。大会2勝目を手に入れた。
デンマークに入国した大会4日目は16.5kmの個人タイムトライアル。最終日の翌日が平坦ステージのため、総合優勝を左右するレースとなった。ファンフルーテンやアムベル・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)などを退け、平均スピードで唯一48km/h台に乗せたオーストラリアTT王者のグレース・ブラウン(FDJ・スエズ)が勝利。TTが得意でない総合首位のルドヴィグは52秒遅れでフィニッシュし、ファンフルーテンに総合逆転を許した。
大会最終日はデンマークを舞台にした平坦ステージ。序盤に登場した3級山岳をエリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム)が先頭通過して山岳賞ジャージの獲得を決め、プロトンが逃げを捉える。終盤に入り集団先頭を走っていたアンヤ・ローウ(オーストラリア、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)らがコースを間違え落車するシーンもありながら、ローウは単独でレース先頭に立ち続けた。
その後大粒の雨が選手たちを襲い、残り8kmでプロトンはローウをキャッチ。フィニッシュライン手前の短い登りでルドヴィグがアタックし、その動きにウィーベスやバルサモのいるプロトンは反応できない。そしてルドヴィグが地元デンマークで区間2勝目を手に入れた。
しかし後続が5秒遅れでフィニッシュしたため、ファンフルーテンが総合首位のキープに成功。総合2位に終わったルドヴィグは「総合優勝を逃したことは残念だが、チームとしての走りを誇りに思う。またチームとして全5ステージで3つの勝利はかなり良い結果だ」とコメントした。
そして自身2度目となるツアー・オブ・スカンジナビアの総合優勝者に輝いたファンフルーテン。「ツール・ド・フランス・ファムよりも少ないプレッシャーで、楽しんで走ることができた。これで笑顔で家に帰ることができる」と喜んだ。
ファンフルーテンはこの後、現役最後のレースとして母国オランダで9月5日に開幕するシミック・レディース・ツアー(UCI女子ワールドツアー)に出場する。
第1ステージ結果
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | 3:19:18 |
2位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) | |
3位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) |
第2ステージ結果
1位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) | 3:50:28 |
2位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | |
3位 | キム・カゾー(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) | +0:02 |
第3ステージ結果
1位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | 3:24:26 |
2位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | |
3位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) |
第4ステージ結果(個人タイムトライアル)
1位 | グレース・ブラウン(オーストラリア、FDJ・スエズ) | 20:36 |
2位 | アムベル・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:19 |
3位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | +0:23 |
第5ステージ結果
1位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) | 3:35:55 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | +0:05 |
3位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、リドル・トレック) |
個人総合成績
1位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) | 14:31:05 |
2位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) | +0:02 |
3位 | キム・カゾー(ニュージーランド、ユンボ・ヴィスマ) | +0:33 |
その他の特別賞
ポイント賞 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) |
山岳賞 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) |
ヤングライダー賞 | アレーナ・イワンチェンコ(ロシア、UAEチームADQ) |
チーム総合成績 | フェニックス・ドゥクーニンク |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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