マイヨロホと共にブエルタを盛り上げるのが3賞ジャージの争い。マイヨプントス(ポイント賞)を狙うコカールや若手のグローブス、マイヨブランコ(ヤングライダー賞)候補筆頭のエヴェネプールなど、有力選手を紹介します。



マイヨプントス(ポイント賞ジャージ)

昨年、区間3勝を挙げマイヨプントスを獲得したマッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) photo:CorVos

スペイン語でポイントを意味するプントスは、鮮やかな緑色に染められたジャージのこと。各ステージ上位15名と中間スプリントポイント上位3名に与えられ、主にスプリンターを対象とした賞である。以前は総合優勝者や総合上位陣が獲得することが続いたが、2021年よりポイント配分が変更。そのため近年はスプリンターがランキング上位に顔を揃える。

全21日間のレースのうち平坦と分類されるステージは昨年の6から4に減り、スプリンターが丘の心配をせず力を存分に発揮できるステージは僅か3つ(第7、19、21ステージ)。そのため多くのトップスプリンターは出場を回避し、スタートリストには多少の登りならば越えられるスピードマンが揃う。

ブライアン・コカール(フランス、コフィディス) photo:CorVos

カーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク) photo:CorVos
アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、DSM・フィルメニッヒ) photo:A.S.O.


なかでもマイヨプントスの候補筆頭はブライアン・コカール(フランス、コフィディス)だろう。今年のツールで4位に2度入り勝利に迫ったコカールだが、意外にもグランツールでは未勝利。初出場で最高2位だった昨年の悔しさ晴らすべく、勝利と共に緑色ジャージ獲得を目指す。

対するは昨年大会で初勝利を飾り、今年のジロ・デ・イタリアでも区間優勝と波に乗るカーデン・グローブス(オーストラリア、アルペシン・ドゥクーニンク)が挙げられる。他にも2年連続でジロ勝利を果たしたアルベルト・ダイネーゼ(イタリア、DSM・フィルメニッヒ)やヘルベン・テイッセン(ベルギー、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)、前哨戦のブエルタ・ア・ブルゴスで1勝したフアン・モラノ(コロンビア、UAEチームエミレーツ)の走りも見逃せない。



マイヨモンターニャ(山岳賞ジャージ)

リチャル・カラパス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

山岳の厳しいブエルタでは総合争いが山岳賞に大きく影響する。そのため予想が難しく、チームで比較的自由を与えられるクライマーや、総合で大きくタイムを失ったオールラウンダーなどが争う賞となる。

昨年は総合で遅れ、果敢な逃げから区間3勝をマークしたリチャル・カラパス(エクアドル、現EFエデュケーション・イージーポスト)が輝いた。総合勢を除けば最初からステージ優勝を狙う選手も有力候補となる。そのため2018年に受賞した”逃げ職人”ことトーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)も狙ってくる可能性は十分考えられる。



マイヨブランコ(ヤングライダー賞ジャージ)

レムコ・エヴェネプール(ベルギー、クイックステップ・アルファヴィニル) photo:Unipublic

2019年よりコンビナーダ賞(複合賞)からヤングライダー賞(新人賞)に変わったマイヨブランコ。いわば将来のマイヨロホ候補が着用するジャージの対象となるのは、1998年1月1日以降に誕生した選手たちだ。

総合上位の選手が則ち白色ジャージ候補者のため、レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が最有力。またUAEチームエミレーツでダブルエース体制を築くジョアン・アルメイダ(ポルトガル)とフアン・アユソ(スペイン)も対象者であり、23歳のサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)も総合上位候補の1人だ。

ちなみに最年少は2003年7月11日生まれで20歳のレニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ)で、反対に最年長はこれが9度目の出場となる1983年生まれの40歳、ダニエル・ナバーロ(スペイン、ブルゴスBH)だ。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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