グラスゴーで開催中のUCI自転車世界選手権大会。8月8日に今年で4度目となるタイムトライアル・ミックスリレーが行われ、シュテファン・キュングやマーレン・ローセルらを揃えたスイスが連覇を達成した。



優勝した前年と同じメンバーで出走したスイス photo:CorVos

2019年からチームタイムトライアルを廃止し、代わりに導入されたチームタイムトライアル・ミックスリレー(Mixed Relay)。チームではなく国による対抗戦であり、先に男子3名が隊列を組んでグラスゴー市街地に設定された20.15kmのコースを走る。そして男子のフィニッシュと同時にスタートする女子3名が同じコースを駆け、計40.3kmのタイムで争われる。なお、それぞれ2番目の選手がフィニッシュしたタイムがその国の成績となる。

気温17度の中、スタート地点には個人タイムトライアルに注力するため不出場を選んだベルギーを除く20カ国+WCC(UCIワールドサイクリングセンター)の計21チームが出場。そしてコーナーの多いテクニカルなコースに、アフガニスタンから順にスタートを切った。

8位に入ったアメリカ photo:CorVos

国内TT王者を男女で揃えたフランスが長らくホットシートに座った photo:CorVos

前半出走したチームの中でウズベキスタンがまずまずのタイムでフィニッシュするなか、10番目スタートのアメリカが56分2秒の好タイムをマークする。しかしすぐに男女の国内TT王者であるレミ・カヴァニャ(スーダル・クイックステップ)とセドリーヌ・ケルバオール(セラティツィット・WNTプロサイクリング)を擁するフランスが1分39秒も大幅に上回った。

前アワーレコード保持者でイネオス・グレナディアーズのスタッフ、ダニエル・ビガムが出場したイギリスもフランスには56秒至らず、先日のツール・ド・フランス・ファムで区間優勝を上げた若手のリカルダ・バウエルンファイントがメンバー入りしたドイツも44秒及ばない。

前年3位のオーストラリアはレース当日の朝にルビー・ローズマンギャノン(ジェイコ・アルウラー)が新型コロナウイルスに感染し、急遽メンバー変更を強いられる中スタート。またルーク・プラップ(イネオス・グレナディアーズ)が落車するなど不運が続いた結果、6位に沈んでいる。

銅メダルを獲得したドイツ photo:CorVos

落車しながらもすぐにバイクに跨がり、再スタートしたマーレン・ローセルを擁するスイス photo:CorVos

イタリアが全体の5位と伸び悩むなか、最終出走として優勝した前年と同じメンバーを揃えたスイスがスタートする。元TT欧州王者シュテファン・キュング(グルパマFDJ)とマウロ・シュミット(スーダル・クイックステップ)を揃えるスイスは、男子が暫定トップタイムでフィニッシュラインを駆け抜け女子にバトンタッチした。

ツール・ファムの個人TTで勝利を挙げたマーレン・ローセル(SDワークス)が落車に見舞われながらも、素早く自転車に戻りレースへ復帰。そして女子トップタイムを叩き出し、全体ではフランスを7秒上回る54分16秒でフィニッシュ。見事大会連覇を達成した。

大会連覇を達成したスイス photo:CorVos

ロード世界選手権2023タイムトライアル・ミックスリレー表彰台:2位フランス、1位スイス、3位ドイツ photo:CorVos

2年連続で金メダルを獲得したキュングは「昨年と同じメンバーで臨んだ2度目のレース。僕たちは互いを信頼しており、限界まで踏む必要がないと分かっていた。僕たちは良い走りをして、女子にアドバンテージを与えようと踏み込んだ」とレースを振り返った。

そしてリードを得て、見事優勝を果たしたローセルは「(落車で)チームメイトを驚かせてしまった。観客にとって興味深いレースになったのではないかな(笑)。この結果を誇りに思うし、2度目の優勝によって私たちの力と技術が証明された」と喜んだ。
ロード世界選手権2023タイムトライアル・ミックスリレー結果
1位 スイス 54:16
2位 フランス +0:07
3位 ドイツ +0:51
4位 イギリス +1:03
5位 イタリア +1:17
6位 オーストラリア +1:37
7位 オランダ +1:43
8位 アメリカ +1:46
9位 オーストリア +1:58
10位 ポーランド +2:47

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