2023/07/24(月) - 14:30
パリで最終日を迎えた男子ツールの同日、クレルモン・フェランで第2回ツール・ド・フランス・ファムが開幕した。與那嶺恵理も出場した初日は残り10km地点の丘でロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)がアタック。そのまま独走勝利とマイヨジョーヌを手に入れた。
昨年はツール・ド・フランス最終日の舞台、パリを出発したツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフト(UCIワールドツアー)。第2回目を迎えた今年はフランス中部のクレルモン・フェランをスタートし、最終日ポーを目指して南下するように全8日間(7月24日〜に7月30日)の行程で争う。
初日のスタート地点には全22チーム、合計154名の選手たち(1チーム7名)が集結。その中には前回の総合優勝者であるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)はもちろん、最大のライバルと目されるデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)や日本から唯一與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)が出場した。
クレルモン・フェランを発着地点とする初日は123.8kmの平坦ステージ。しかしフィニッシュ手前11kmから急勾配の3級山岳デュルトル(距離1.7km/平均7.2%)を登るため、スプリンターが集団に食らいつくことができるかが展開を分ける。
そして午後12時30分に大会ディレクターであるマリオン・ルッス氏が旗を振り、マリーモルガン・ルドゥンフ(フランス、アルケア・プロサイクリングチーム)がファーストアタックを決めた。
初日の高い緊張感に包まれた集団にルドゥンフは早々と捉まり、続いてティファイン・ローランス(フランス、ライフプラス・ワフー)が仕掛ける。それを15秒前後の差で追うプロトンではスペインTT王者ミレイア・ベニート(AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)が落車。骨折など大きな怪我はなかったものの、脳震盪によりツール最初のリタイア者となった。
ジェイコ・アルウラーやFDJ・スエズなどのワールドチームが牽引したプロトンはローランを吸収し、スマルタ・ラッハ(ポーランド、セラティツィット・WNTプロサイクリング)の単独アタックも決まらない。途中ファンフルーテンも巻き込まれる落車もありながら、今大会最初の中間スプリント(残り26.7km)をエリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)が先頭通過して最大25ポイントを獲得した。
3級山岳デュルトル(距離1.7km/平均7.2%)に入るとマーレン・ローセル(スイス、SDワークス・プロタイム)がペースを作り、チームメイトでスプリンターのロレーナ・ウィーベス(オランダ)やマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)、シャーロッテ・コール(オランダ、DSM・フィルメニッヒ)が食らいつく。そして頂上まで残り300mでロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)が飛び出した。
春にロンド・ファン・フラーンデレンを制するなどクラシックレース巧者のコペッキーは、スピードを上げて差を拡げていく。そしてベルギー王者は先頭で頂上を通過し、下りでもその差を拡げていった。
一方で遅れを取ったファンフルーテンやアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)など追走集団の協調は整わず、約30秒差でフィニッシュ地点のクレルモン・フェラン市街地に突入。するとペースの上がらない追走に登りで遅れたウィーベスやフォスら第2追走グループが合流。カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)が何度もアタックを仕掛けたものの、SDワークス・プロタイムがその都度チェックをいれて潰した。
そして後方との差を41秒まで拡げたコペッキーがフィニッシュラインに到達。昨年は2度の3位と届かなかった区間優勝と共に、栄光のマイヨジョーヌに袖を通した。
「何週間も前からこのステージを狙っていた。チームには私のアタックとロレーナ・ウィーベスのスプリントという2つの選択肢があった。そしてワンツーフィニッシュはこれ以上なく美しい結果」とコペッキーが語った通り、2位を争うスプリントでウィーベスが先着。今シーズン最強という名を欲しいままにするSDワークス・プロタイムが、ツールでもその強さをいかんなく発揮した。
初回大会に引き続き、今年も現地取材する小俣雄風太による「ウィメンズ・トップレーサー名鑑」はこちらから。
昨年はツール・ド・フランス最終日の舞台、パリを出発したツール・ド・フランス・ファム・アヴェク・ズイフト(UCIワールドツアー)。第2回目を迎えた今年はフランス中部のクレルモン・フェランをスタートし、最終日ポーを目指して南下するように全8日間(7月24日〜に7月30日)の行程で争う。
初日のスタート地点には全22チーム、合計154名の選手たち(1チーム7名)が集結。その中には前回の総合優勝者であるアネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)はもちろん、最大のライバルと目されるデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム)や日本から唯一與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス)が出場した。
クレルモン・フェランを発着地点とする初日は123.8kmの平坦ステージ。しかしフィニッシュ手前11kmから急勾配の3級山岳デュルトル(距離1.7km/平均7.2%)を登るため、スプリンターが集団に食らいつくことができるかが展開を分ける。
そして午後12時30分に大会ディレクターであるマリオン・ルッス氏が旗を振り、マリーモルガン・ルドゥンフ(フランス、アルケア・プロサイクリングチーム)がファーストアタックを決めた。
初日の高い緊張感に包まれた集団にルドゥンフは早々と捉まり、続いてティファイン・ローランス(フランス、ライフプラス・ワフー)が仕掛ける。それを15秒前後の差で追うプロトンではスペインTT王者ミレイア・ベニート(AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)が落車。骨折など大きな怪我はなかったものの、脳震盪によりツール最初のリタイア者となった。
ジェイコ・アルウラーやFDJ・スエズなどのワールドチームが牽引したプロトンはローランを吸収し、スマルタ・ラッハ(ポーランド、セラティツィット・WNTプロサイクリング)の単独アタックも決まらない。途中ファンフルーテンも巻き込まれる落車もありながら、今大会最初の中間スプリント(残り26.7km)をエリザベス・ダイグナン(イギリス、リドル・トレック)が先頭通過して最大25ポイントを獲得した。
3級山岳デュルトル(距離1.7km/平均7.2%)に入るとマーレン・ローセル(スイス、SDワークス・プロタイム)がペースを作り、チームメイトでスプリンターのロレーナ・ウィーベス(オランダ)やマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)、シャーロッテ・コール(オランダ、DSM・フィルメニッヒ)が食らいつく。そして頂上まで残り300mでロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム)が飛び出した。
春にロンド・ファン・フラーンデレンを制するなどクラシックレース巧者のコペッキーは、スピードを上げて差を拡げていく。そしてベルギー王者は先頭で頂上を通過し、下りでもその差を拡げていった。
一方で遅れを取ったファンフルーテンやアシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ)など追走集団の協調は整わず、約30秒差でフィニッシュ地点のクレルモン・フェラン市街地に突入。するとペースの上がらない追走に登りで遅れたウィーベスやフォスら第2追走グループが合流。カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)が何度もアタックを仕掛けたものの、SDワークス・プロタイムがその都度チェックをいれて潰した。
そして後方との差を41秒まで拡げたコペッキーがフィニッシュラインに到達。昨年は2度の3位と届かなかった区間優勝と共に、栄光のマイヨジョーヌに袖を通した。
「何週間も前からこのステージを狙っていた。チームには私のアタックとロレーナ・ウィーベスのスプリントという2つの選択肢があった。そしてワンツーフィニッシュはこれ以上なく美しい結果」とコペッキーが語った通り、2位を争うスプリントでウィーベスが先着。今シーズン最強という名を欲しいままにするSDワークス・プロタイムが、ツールでもその強さをいかんなく発揮した。
初回大会に引き続き、今年も現地取材する小俣雄風太による「ウィメンズ・トップレーサー名鑑」はこちらから。
ツール・ド・フランス ファム2023第1ステージ結果
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | 3:04:09 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:41 |
3位 | シャーロッテ・コール(オランダ、DSM・フィルメニッヒ) | |
4位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ) | +0:43 |
6位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
7位 | タマラ・ドロノワバラボリナ(ロシア、イスラエル・プレミアテック・ローランド) | |
8位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) | |
9位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブレーシング・テックファインド) | |
10位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) | |
69位 | 與那嶺恵理(ヒューマンパワードヘルス) | +4:30 |
個人総合成績
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) | 3:03:59 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス・プロタイム) | +0:45 |
3位 | シャーロッテ・コール(オランダ、DSM・フィルメニッヒ) | +0:47 |
4位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:51 |
5位 | アシュリー・モールマン(南アフリカ、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ) | +0:53 |
6位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス・プロタイム) | |
7位 | タマラ・ドロノワバラボリナ(ロシア、イスラエル・プレミアテック・ローランド) | |
8位 | セシリーウトラップ・ルドヴィグ(デンマーク、FDJ・スエズ) | |
9位 | マビ・ガルシア(スペイン、リブレーシング・テックファインド) | |
10位 | エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、リドル・トレック) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) |
山岳賞 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス・プロタイム) |
ヤングライダー賞 | セドリーヌ・ケルバオール(フランス、セラティツィット・WNTプロサイクリング) |
チーム総合成績 | SDワークス・プロタイム |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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