2023/07/14(金) - 15:00
7月9日(日)に千葉県袖ケ浦市・袖ケ浦フォレストレースウェイにて「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」が開催され、QNリーグのシリーズ第3戦も併催された。QリーグとNリーグのリーダーは変わらず、NWリーグは岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)がリーダージャージを獲得している。主催者からのレポートで紹介する。
先月の7月9日(日)、千葉県袖ケ浦市・袖ケ浦フォレストレースウェイにて「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」が開催された。今大会は株式会社マトリックスのサイクルロードレース協会東日本が主催する毎夏の恒例レースとして人気が高い。参加人数はコロナ禍で落ち込んだものの久しぶりに800名超えとなり、多くのブース出展があり、参加者や観客はレースを夏祭り気分で楽しんでいたようだ。
会場の袖ケ浦フォレストレースウェイは、1周2.4kmのサーキットコース。普段は車のサーキットとだが、自転車レースのコースとしてもお馴染み。周長があまり長くないので、大人から子どもまで幅広いクラスに対応できるのが魅力であるうえに、発足当時から小学生や中学生、そして女子のクラス分けがあり、この大会を目標にして臨む選手も多く、今回も中学生で30人以上、レディースも20人近いエントリーを集めた。
先ずは朝一番のレーススタートとなったのは120分エンデューロ。このクラスを今回、初めてQリーグの対象に設定した。これは比較的クリテリウムなど短いレース距離と走行時間になりがちだった高校生以上女子のQリーグ対象レースを、今シーズンからはエンデューロやヒルクライムなど長めの距離や走行時間となる種目も組み入れた。短距離、耐久、ヒルクライムがあることでロードレースの重層的な醍醐味も知ってもらうとともに、さまざまな得意分野を持つ女子選手をリーグに登録してもらい、幅広い活躍を多くの方々に知ってもらうことが目的となっている。
120分エンデューロは男子が300名近く、女子も30名近い選手がスタートラインにずらりと並び、今レースのホストチームであるプロ自転車チーム「マトリックスパワータグ」の選手達と集合写真を撮影、盛り上がったところで朝8時に同時スタート。朝から快晴で非常に気温が高いこと、朝一番のレースということもあり、先ずはスローに大きな集団で展開していくが、徐々に集団全体のペースが上がっていきメイン集団の人数も削られていった。
このような男女混走のなかで、現在Qリーグポイントリーダーである根本香織(Team 一匹狼)が、非常に風が強く気温がどんどん上がるなか周回を重ねていった。そして無事に完走しポイント獲得。リーダーの座を守った。
ポイントリーダー授与式では「普段、Qリーグでは短いレースの設定が多かったのですが、今回は初めての120分(エンデューロ)は初めてで、先ずは完走を目指して!という感じで頑張りました。Qリーグ(シリーズ戦)を通していろんなレースに出られます。この後は『あぶくま洞ヒルクライム』なので登りレースになりますが、次もリーダーを守りたいので頑張りたいと思います!」とコメント。
昼12時からは中学生Nリーグの女子NW対象のレディースレースがスタート。こちらには約20名が
エントリー。残念ながら、この時点でNリーグNWポイントリーダーである小田島 寛奈(#1-PRIMERA-)はエントリーをしていなかったものの、昨シーズンの総合NリーグNWポイントリーダー西山千智(High Ambition アカデミー)、そして岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)、桐田恵菜というNリーグ登録メンバーもスタートに立った。
全4周回=9.6kmのレースは、午前から続く強風の影響もあり最初は大きな集団1つのまま。しかし 2周回目を前にしてスピードアップしNリーグ登録選手を含む11名にまで集団は絞られる。しかし3周目で7名が先行し、西山と桐田は残念ながら集団からドロップ。そのまま先行7名は更にスピードアップし残り1周回では、後続とのタイム差を約25秒にまで広げる。
後続から西山が単独で飛び出し、先行集団に対してブリッジを試みるもゴールまで届かず。ゴールはスプリントとなり古谷桜子(内房レーシングクラブ)が優勝。岡田は最後まで先行集団に残り6位となり、リーグポイントを大量ゲット。ランキング合計により小田島からポイントリーダーの座を奪い取った。
授与式で初めてバトルマリンジャージを着用した岡田は「ちょっと緊張します」とはにかみ笑顔。Nリーグ次戦となる JCRC legacy WR ROAD・群馬 CSC ロードレースにも参戦を表明し「次も先頭集団に残りたいです!」と気合を見せた。
さらに午後3時過ぎからは中学生Nリーグ男子Nが対象となる中学生レースがスタート。32名のエ
ントリーのなか、リーグのシリーズ2戦ともに優勝しポイントリーダーとなっている落合隼がバトルマリンジャージ姿でスタート前方に陣取る。コースを5周回=12kmを走るなか、夕方近いこととスタート直前の小雨で少し気温が下がった状態ということで、スタートからアタックが何度もかかるスリリングな展開となった。
先ず1周目を終えて追い風のホームストレートに入った時点で沼田蓮人(AVG0)、日吉悠(FASTLANERasing)、そしてNリーグ登録したばかりの柬理日楠詩(Teams FITTE)の3名がメイン集団から約5秒の差を持って逃げている状態で通過。
しかし強風が続いているせいか向かい風のバックでメインが逃げている3名を吸収し、2周目以降は時々、単独のアタックがあるもののすぐにバックで吸収され集団が1つに戻る状態が繰り返すことに。そのなかでもポイントリーダーの落合は集団の4番手から5番手あたりの良い位置をキープし続けて、いよいよ最終周回へ。
残り1周で何度もアタックを試みていた大塚翔太がメインから飛び出し先行、その後ろ約10秒のタイム差で落合を含む5名が続きゴールスプリントは大塚が後ろから迫ってきた5名に飲み込まれる形に。そしてゴールラインに一番で飛び込んだのが落合!リーグシリーズ 3 連覇目を果たした。また前回のシリーズ戦「わたらせクリテリウム第1戦」で、良い走りを見せていたものの落車で無念を喫した成瀬謙汰が3位入賞しリベンジを果たした。
熱い闘いとは裏腹に授与式では「とてもキツかったですが、最後に逃げを捕まえて良かったです」と冷静にレースを振り返りながら、次戦の群馬ロードレースに向けて「次回も勝てるように頑張ります」と力強くコメントした。
次のリーグシリーズ第4戦は7月17日に開催のQリーグのみ対象となる「あぶくま洞ヒルクライム」、そして7月30日には自転車ロードレース老舗コースとなる群馬サイクルスポーツセンターを舞台とした「JCRC legacy WR ROAD:群馬 CSC ロードレース」と続く。
暑い日が続きトレーニングなど調整が難しいタイミングでのヒルクライムに本格ロードレースとなるが、リーグ登録選手たちには引き続きポイントリーダーを目指して頑張ってほしい。
photo: gg_kasai、QN リーグ事務局
text:須藤むつみ(QN リーグ事務局)
先月の7月9日(日)、千葉県袖ケ浦市・袖ケ浦フォレストレースウェイにて「そでがうらサマーサイクルロードフェスタ」が開催された。今大会は株式会社マトリックスのサイクルロードレース協会東日本が主催する毎夏の恒例レースとして人気が高い。参加人数はコロナ禍で落ち込んだものの久しぶりに800名超えとなり、多くのブース出展があり、参加者や観客はレースを夏祭り気分で楽しんでいたようだ。
会場の袖ケ浦フォレストレースウェイは、1周2.4kmのサーキットコース。普段は車のサーキットとだが、自転車レースのコースとしてもお馴染み。周長があまり長くないので、大人から子どもまで幅広いクラスに対応できるのが魅力であるうえに、発足当時から小学生や中学生、そして女子のクラス分けがあり、この大会を目標にして臨む選手も多く、今回も中学生で30人以上、レディースも20人近いエントリーを集めた。
先ずは朝一番のレーススタートとなったのは120分エンデューロ。このクラスを今回、初めてQリーグの対象に設定した。これは比較的クリテリウムなど短いレース距離と走行時間になりがちだった高校生以上女子のQリーグ対象レースを、今シーズンからはエンデューロやヒルクライムなど長めの距離や走行時間となる種目も組み入れた。短距離、耐久、ヒルクライムがあることでロードレースの重層的な醍醐味も知ってもらうとともに、さまざまな得意分野を持つ女子選手をリーグに登録してもらい、幅広い活躍を多くの方々に知ってもらうことが目的となっている。
120分エンデューロは男子が300名近く、女子も30名近い選手がスタートラインにずらりと並び、今レースのホストチームであるプロ自転車チーム「マトリックスパワータグ」の選手達と集合写真を撮影、盛り上がったところで朝8時に同時スタート。朝から快晴で非常に気温が高いこと、朝一番のレースということもあり、先ずはスローに大きな集団で展開していくが、徐々に集団全体のペースが上がっていきメイン集団の人数も削られていった。
このような男女混走のなかで、現在Qリーグポイントリーダーである根本香織(Team 一匹狼)が、非常に風が強く気温がどんどん上がるなか周回を重ねていった。そして無事に完走しポイント獲得。リーダーの座を守った。
ポイントリーダー授与式では「普段、Qリーグでは短いレースの設定が多かったのですが、今回は初めての120分(エンデューロ)は初めてで、先ずは完走を目指して!という感じで頑張りました。Qリーグ(シリーズ戦)を通していろんなレースに出られます。この後は『あぶくま洞ヒルクライム』なので登りレースになりますが、次もリーダーを守りたいので頑張りたいと思います!」とコメント。
昼12時からは中学生Nリーグの女子NW対象のレディースレースがスタート。こちらには約20名が
エントリー。残念ながら、この時点でNリーグNWポイントリーダーである小田島 寛奈(#1-PRIMERA-)はエントリーをしていなかったものの、昨シーズンの総合NリーグNWポイントリーダー西山千智(High Ambition アカデミー)、そして岡田愛裕來(ブラウ・ブリッツエン U15)、桐田恵菜というNリーグ登録メンバーもスタートに立った。
全4周回=9.6kmのレースは、午前から続く強風の影響もあり最初は大きな集団1つのまま。しかし 2周回目を前にしてスピードアップしNリーグ登録選手を含む11名にまで集団は絞られる。しかし3周目で7名が先行し、西山と桐田は残念ながら集団からドロップ。そのまま先行7名は更にスピードアップし残り1周回では、後続とのタイム差を約25秒にまで広げる。
後続から西山が単独で飛び出し、先行集団に対してブリッジを試みるもゴールまで届かず。ゴールはスプリントとなり古谷桜子(内房レーシングクラブ)が優勝。岡田は最後まで先行集団に残り6位となり、リーグポイントを大量ゲット。ランキング合計により小田島からポイントリーダーの座を奪い取った。
授与式で初めてバトルマリンジャージを着用した岡田は「ちょっと緊張します」とはにかみ笑顔。Nリーグ次戦となる JCRC legacy WR ROAD・群馬 CSC ロードレースにも参戦を表明し「次も先頭集団に残りたいです!」と気合を見せた。
さらに午後3時過ぎからは中学生Nリーグ男子Nが対象となる中学生レースがスタート。32名のエ
ントリーのなか、リーグのシリーズ2戦ともに優勝しポイントリーダーとなっている落合隼がバトルマリンジャージ姿でスタート前方に陣取る。コースを5周回=12kmを走るなか、夕方近いこととスタート直前の小雨で少し気温が下がった状態ということで、スタートからアタックが何度もかかるスリリングな展開となった。
先ず1周目を終えて追い風のホームストレートに入った時点で沼田蓮人(AVG0)、日吉悠(FASTLANERasing)、そしてNリーグ登録したばかりの柬理日楠詩(Teams FITTE)の3名がメイン集団から約5秒の差を持って逃げている状態で通過。
しかし強風が続いているせいか向かい風のバックでメインが逃げている3名を吸収し、2周目以降は時々、単独のアタックがあるもののすぐにバックで吸収され集団が1つに戻る状態が繰り返すことに。そのなかでもポイントリーダーの落合は集団の4番手から5番手あたりの良い位置をキープし続けて、いよいよ最終周回へ。
残り1周で何度もアタックを試みていた大塚翔太がメインから飛び出し先行、その後ろ約10秒のタイム差で落合を含む5名が続きゴールスプリントは大塚が後ろから迫ってきた5名に飲み込まれる形に。そしてゴールラインに一番で飛び込んだのが落合!リーグシリーズ 3 連覇目を果たした。また前回のシリーズ戦「わたらせクリテリウム第1戦」で、良い走りを見せていたものの落車で無念を喫した成瀬謙汰が3位入賞しリベンジを果たした。
熱い闘いとは裏腹に授与式では「とてもキツかったですが、最後に逃げを捕まえて良かったです」と冷静にレースを振り返りながら、次戦の群馬ロードレースに向けて「次回も勝てるように頑張ります」と力強くコメントした。
次のリーグシリーズ第4戦は7月17日に開催のQリーグのみ対象となる「あぶくま洞ヒルクライム」、そして7月30日には自転車ロードレース老舗コースとなる群馬サイクルスポーツセンターを舞台とした「JCRC legacy WR ROAD:群馬 CSC ロードレース」と続く。
暑い日が続きトレーニングなど調整が難しいタイミングでのヒルクライムに本格ロードレースとなるが、リーグ登録選手たちには引き続きポイントリーダーを目指して頑張ってほしい。
photo: gg_kasai、QN リーグ事務局
text:須藤むつみ(QN リーグ事務局)
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