2023/06/14(水) - 08:15
1級山岳ヴィラール・スル・オロンにフィニッシュしたツール・ド・スイス第3ステージ。雨の登坂でエヴェネプールを引き離したマティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)が、ワールドツアー初勝利と総合リーダージャージを手に入れた。
ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)は第3ステージからの3日間、スイス西部を舞台とした山岳決戦が続いていく。その初日はドイツ語圏のターファースからUCI(国際自転車競技連合)本部のあるエーゴルを経由し、フランス語圏のヴィラール・シュル・オロンに至る143.8km。スタートから約100km続く平坦路から低難易度の1級山岳を登坂。その後は20kmのダウンヒルを経て、最後は1級山岳ヴィラール・スル・オロン(距離10.7km/平均7.8%)を駆け上がる。
総合争いはもちろん、逃げ切りも十分考えられるステージで逃げたのはリリアン・カルメジャーヌ(フランス、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)やデンマーク王者アレクサンダー・カンプ(チューダー・プロサイクリングチーム)ら4名。それをグルパマFDJが中心となり牽引したメイン集団が4分を上回らないタイム差で追いかけた。
平坦区間を通過し、最初の1級山岳をカルメジャーヌが先頭通過。その頃までにプロトンとの差は25秒まで縮まっており、雨で路面が濡れた20kmに及ぶ下りで逃げ集団は吸収される。そして下り切ったところにある中間スプリントをワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がトップで通過し、最大ポイントを獲得。そして最終1級山岳ヴィラール・スル・オロン(距離10.7km/平均7.8%)を舞台とした登坂バトルが幕を開けた。
ファンアールトがそのまま高速牽引を披露し、共にツール・ド・フランスを見据えるアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)やセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)が遅れていく。そしてジェームス・ノックス(イギリス、スーダル・クイックステップ)の牽引が終わった残り6.5kmから、白いヤングライダー賞ジャージを着たレムコ・エヴェネプール(ベルギー)が飛び出した。
雨脚の強まるなか、力強い加速を見せたエヴェネプールのスピードにリーダージャージを切るシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)が遅れ、マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)とフェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン)のみが追従した。しかしフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)を中心とした追走集団が徐々に差を縮めるなか、合流を嫌ったガルが残り2.5kmでアタックした。
プロ初勝利を目指すガルのペースアップに一度遅れたスケルモースが食らいつく一方で、エヴェネプールは遅れて追走集団に捉えられる。ローテーションを回すガルとスケルモースはフラムルージュ(残り1km)を通過し、後方からはアユソが単独で合流を目指したものの2人には届かない。
残り500m地点を過ぎ、ガルから一度離れて様子を伺ったスケルモースが加速。必死に追いかけたガルの走りは実らず、フィニッシュラインで雄叫びを挙げたスケルモースがワールドツアー初勝利を掴み取った。
スケルモースは2020年プロデビューを果たした22歳のオールラウンダー。昨年はツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.Pro)で区間1勝と自身初の総合優勝を飾り、これが今季3勝目となるデンマーク注目の若手選手だ。
初出場となるツールを前に名だたる有力選手を抑え、勝利と共に総合首位に立ったスケルモースは「自分の登坂力を疑っていたんだ。今日の山岳はそこまで厳しくないものの、長い登りでも自分の力を発揮することができた。だから自分への疑念を少しだけ解消できた。それにワールドツアー初勝利だ。この上なく嬉しいよ」とコメントしている。
2位には3秒差でガルが入り、3位はアユソ(12秒遅れ)。ガルのアタックに遅れたエヴェネプールは追走集団の先頭の4位でフィニッシュし、タイム差を最小限(21秒差)に抑えている。
ツール・ド・スイス(UCIワールドツアー)は第3ステージからの3日間、スイス西部を舞台とした山岳決戦が続いていく。その初日はドイツ語圏のターファースからUCI(国際自転車競技連合)本部のあるエーゴルを経由し、フランス語圏のヴィラール・シュル・オロンに至る143.8km。スタートから約100km続く平坦路から低難易度の1級山岳を登坂。その後は20kmのダウンヒルを経て、最後は1級山岳ヴィラール・スル・オロン(距離10.7km/平均7.8%)を駆け上がる。
総合争いはもちろん、逃げ切りも十分考えられるステージで逃げたのはリリアン・カルメジャーヌ(フランス、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)やデンマーク王者アレクサンダー・カンプ(チューダー・プロサイクリングチーム)ら4名。それをグルパマFDJが中心となり牽引したメイン集団が4分を上回らないタイム差で追いかけた。
平坦区間を通過し、最初の1級山岳をカルメジャーヌが先頭通過。その頃までにプロトンとの差は25秒まで縮まっており、雨で路面が濡れた20kmに及ぶ下りで逃げ集団は吸収される。そして下り切ったところにある中間スプリントをワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がトップで通過し、最大ポイントを獲得。そして最終1級山岳ヴィラール・スル・オロン(距離10.7km/平均7.8%)を舞台とした登坂バトルが幕を開けた。
ファンアールトがそのまま高速牽引を披露し、共にツール・ド・フランスを見据えるアレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)やセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)が遅れていく。そしてジェームス・ノックス(イギリス、スーダル・クイックステップ)の牽引が終わった残り6.5kmから、白いヤングライダー賞ジャージを着たレムコ・エヴェネプール(ベルギー)が飛び出した。
雨脚の強まるなか、力強い加速を見せたエヴェネプールのスピードにリーダージャージを切るシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)が遅れ、マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード)とフェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン)のみが追従した。しかしフアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ)を中心とした追走集団が徐々に差を縮めるなか、合流を嫌ったガルが残り2.5kmでアタックした。
プロ初勝利を目指すガルのペースアップに一度遅れたスケルモースが食らいつく一方で、エヴェネプールは遅れて追走集団に捉えられる。ローテーションを回すガルとスケルモースはフラムルージュ(残り1km)を通過し、後方からはアユソが単独で合流を目指したものの2人には届かない。
残り500m地点を過ぎ、ガルから一度離れて様子を伺ったスケルモースが加速。必死に追いかけたガルの走りは実らず、フィニッシュラインで雄叫びを挙げたスケルモースがワールドツアー初勝利を掴み取った。
スケルモースは2020年プロデビューを果たした22歳のオールラウンダー。昨年はツール・ド・ルクセンブルク(UCI2.Pro)で区間1勝と自身初の総合優勝を飾り、これが今季3勝目となるデンマーク注目の若手選手だ。
初出場となるツールを前に名だたる有力選手を抑え、勝利と共に総合首位に立ったスケルモースは「自分の登坂力を疑っていたんだ。今日の山岳はそこまで厳しくないものの、長い登りでも自分の力を発揮することができた。だから自分への疑念を少しだけ解消できた。それにワールドツアー初勝利だ。この上なく嬉しいよ」とコメントしている。
2位には3秒差でガルが入り、3位はアユソ(12秒遅れ)。ガルのアタックに遅れたエヴェネプールは追走集団の先頭の4位でフィニッシュし、タイム差を最小限(21秒差)に抑えている。
ツール・ド・スイス2023第3ステージ結果
1位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) | 3:29:14 |
2位 | フェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン) | +0:03 |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +0:12 |
4位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | +0:21 |
5位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) | +0:37 |
10位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) | +0:45 |
個人総合成績
1位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | フアン・アユソ(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
4位 | マグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ) | |
5位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | リゴベルト・ウラン(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
7位 | ウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
8位 | ヨン・イサギレ(スペイン、コフィディス) | |
9位 | フェリックス・ガル(オーストリア、AG2Rシトロエン) | |
10位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ニコラス・ズコウスキー(カナダ、Q36.5プロサイクリングチーム) |
ヤングライダー賞 | マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) |
チーム総合成績 | イネオス・グレナディアーズ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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