2023/06/09(金) - 08:30
翌日からの山岳決戦を前に、パンチャー向けの丘陵ステージで争われたクリテリウム・デュ・ドーフィネ第5ステージ。カラパスの加速に追従したヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)が15.7kmの独走勝利を決め、総合首位に躍り出た。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)第5ステージはコルモランシュ・シュル・ソーヌを出発して平坦路を進み、後半に3つのカテゴリー山岳を越える191.1km。勝負所はラスト18kmから臨む2級山岳テシー峠(距離3.6km/平均8.8%)で、フィニッシュ地点はそこから下った先にある。つまりは逃げもしくはパンチャー向きのレイアウトだ。
逃げ切りの可能性も十分考えられるステージで先行したのは6名。ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)らドイツ人3名にエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)、そして”逃げ屋”トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)が逃げグループを形成し、最大4分までリードを広げてコース前半の平坦区間を駆け抜けた。
一方のメイン集団は、前日にヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)を退けプロ初勝利を飾ったミッケル・ビョーグ(デンマーク)擁するUAEチームエミレーツがコントロール。そこに復調したジュリアン・アラフィリップ(フランス)で2勝目を狙うスーダル・クイックステップも加わり、最後の2級山岳テシー峠に向けてタイム差を徐々に縮めていった。
アップダウンコースでも平均45km/hというスピードを維持した逃げ集団だったが、2級山岳テシー峠に突入した時点で後方との差は21秒。プロトンではアラフィリップのためにアンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ)がペースを上げる一方で、コーナーで単独落車したマイヨジョーヌを着るビョーグが集団から脱落した。
逃げ集団をプロトンが飲み込み、急勾配区間でアタックしたリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)にアラフィリップとヴィンゲゴーの2人が追従する。それを嫌ったカラパスが再度スピードを上げてアラフィリップを引き離すものの、ヴィンゲゴーは振り切れない。そして頂上手前1.4kmでヴィンゲゴーの加速にカラパスが遅れを喫した。
残り15.7kmで単独先頭となったヴィンゲゴーは先頭で頂上を越え、個人タイムトライアルモードに移行。UAEチームエミレーツが先導する集団が懸命に追いかけたものの、それを嘲笑うかのようにヴィンゲゴーは一気にタイム差を40秒まで拡大した。
追走集団のローテーションが上手く回らず、スピードが緩んだタイミングでエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がアタック。この動きは決まらず、スピードアップへの呼び水ともならない。こうした状況を尻目に、ヴィンゲゴーがそのままサラン・レ・バンの市街地に到着。後続に31秒差をつけチームに3勝目もたらした。
フィニッシュ後「このような日にスポーツの世界で起こる出来事に大した意味はない。アヌシーでの悲劇的な事件の被害者に思いを馳せる」と、ヴィンゲゴーは同日にフランス南東部アヌシーで発生した子ども4名を含む6名が襲われた事件に言及した。
レースについて問われると「(独走勝利は)意図していなかったこと。今日一番の目的は山岳決戦に向けてトラブルを回避することだった」とヴィンゲゴー。「リチャル(カラパス)が加速したので追従し、僕が先頭に立ったら彼が遅れたんだ。その後はフルスロットルでフィニッシュを目指すだけだった。もちろんこの勝利は嬉しいが、それはこの世界で起こった事件への感情とは対照的だ。僕の心は被害にあった人たちとその家族と共にある」と、勝利と共に総合首位に立ったヴィンゲゴーは語っている。
追走集団はトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)とのスプリントをアラフィリップが制して2位。カラパスは追走集団からも遅れたものの、何とか45秒差でフィニッシュしてタイムロスを最小限に抑えた。
翌日からの3日間は登りフィニッシュが連続する山岳決戦。それを前に総合2位に1分10秒差をつけたヴィンゲゴーとライバルたちの争いに注目が集まる。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ(UCIワールドツアー)第5ステージはコルモランシュ・シュル・ソーヌを出発して平坦路を進み、後半に3つのカテゴリー山岳を越える191.1km。勝負所はラスト18kmから臨む2級山岳テシー峠(距離3.6km/平均8.8%)で、フィニッシュ地点はそこから下った先にある。つまりは逃げもしくはパンチャー向きのレイアウトだ。
逃げ切りの可能性も十分考えられるステージで先行したのは6名。ニルス・ポリッツ(ボーラ・ハンスグローエ)らドイツ人3名にエドヴァルド・ボアッソンハーゲン(ノルウェー、トタルエネルジー)、そして”逃げ屋”トーマス・デヘント(ベルギー、ロット・デスティニー)が逃げグループを形成し、最大4分までリードを広げてコース前半の平坦区間を駆け抜けた。
一方のメイン集団は、前日にヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ)を退けプロ初勝利を飾ったミッケル・ビョーグ(デンマーク)擁するUAEチームエミレーツがコントロール。そこに復調したジュリアン・アラフィリップ(フランス)で2勝目を狙うスーダル・クイックステップも加わり、最後の2級山岳テシー峠に向けてタイム差を徐々に縮めていった。
アップダウンコースでも平均45km/hというスピードを維持した逃げ集団だったが、2級山岳テシー峠に突入した時点で後方との差は21秒。プロトンではアラフィリップのためにアンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ)がペースを上げる一方で、コーナーで単独落車したマイヨジョーヌを着るビョーグが集団から脱落した。
逃げ集団をプロトンが飲み込み、急勾配区間でアタックしたリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)にアラフィリップとヴィンゲゴーの2人が追従する。それを嫌ったカラパスが再度スピードを上げてアラフィリップを引き離すものの、ヴィンゲゴーは振り切れない。そして頂上手前1.4kmでヴィンゲゴーの加速にカラパスが遅れを喫した。
残り15.7kmで単独先頭となったヴィンゲゴーは先頭で頂上を越え、個人タイムトライアルモードに移行。UAEチームエミレーツが先導する集団が懸命に追いかけたものの、それを嘲笑うかのようにヴィンゲゴーは一気にタイム差を40秒まで拡大した。
追走集団のローテーションが上手く回らず、スピードが緩んだタイミングでエガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ)がアタック。この動きは決まらず、スピードアップへの呼び水ともならない。こうした状況を尻目に、ヴィンゲゴーがそのままサラン・レ・バンの市街地に到着。後続に31秒差をつけチームに3勝目もたらした。
フィニッシュ後「このような日にスポーツの世界で起こる出来事に大した意味はない。アヌシーでの悲劇的な事件の被害者に思いを馳せる」と、ヴィンゲゴーは同日にフランス南東部アヌシーで発生した子ども4名を含む6名が襲われた事件に言及した。
レースについて問われると「(独走勝利は)意図していなかったこと。今日一番の目的は山岳決戦に向けてトラブルを回避することだった」とヴィンゲゴー。「リチャル(カラパス)が加速したので追従し、僕が先頭に立ったら彼が遅れたんだ。その後はフルスロットルでフィニッシュを目指すだけだった。もちろんこの勝利は嬉しいが、それはこの世界で起こった事件への感情とは対照的だ。僕の心は被害にあった人たちとその家族と共にある」と、勝利と共に総合首位に立ったヴィンゲゴーは語っている。
追走集団はトビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)とのスプリントをアラフィリップが制して2位。カラパスは追走集団からも遅れたものの、何とか45秒差でフィニッシュしてタイムロスを最小限に抑えた。
翌日からの3日間は登りフィニッシュが連続する山岳決戦。それを前に総合2位に1分10秒差をつけたヴィンゲゴーとライバルたちの争いに注目が集まる。
クリテリウム・デュ・ドーフィネ2023第5ステージ結果
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 4:03:42 |
2位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) | 0:31 |
3位 | トビアス・ヨハンネセン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | |
4位 | クレモン・シャンプッサン(フランス、アルケア・サムシック) | |
5位 | マックス・プール(イギリス、チームDSM) | |
6位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
7位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | |
8位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | |
9位 | レニー・マルティネス(フランス、グルパマFDJ) | |
10位 | エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
11位 | エガン・ベルナル(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | |
23位 | リチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:45 |
個人総合成績
1位 | ヨナス・ヴィンゲゴー(デンマーク、ユンボ・ヴィスマ) | 17:03:03 |
2位 | ベン・オコーナー(オーストラリア、AG2Rシトロエン) | +1:10 |
3位 | ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) | +1:23 |
4位 | アダム・イェーツ(イギリス、UAEチームエミレーツ) | +1:26 |
5位 | フェリックス・グロスシャートナー(オーストリア、UAEチームエミレーツ) | +1:27 |
6位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:37 |
7位 | ジャック・ヘイグ(オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | +1:44 |
8位 | ダニエル・マルティネス(コロンビア、イネオス・グレナディアーズ) | +2:07 |
9位 | ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ) | +2:21 |
10位 | ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス) | +2:54 |
その他の特別賞
ポイント賞 | クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ドナヴァン・グロンダン(アルケア・サムシック) |
ヤングライダー賞 | ミッケル・ビョーグ(デンマーク、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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