2023/05/26(金) - 19:11
ツアー・オブ・ジャパン富士山ステージがふじあざみラインで行われ、ネイサン・アール(JCLチーム右京)が昨年の富士山覇者のベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)を破って優勝。個人総合首位に立った。日本人最高位は5位の小林海(マトリックスパワータグ)。前日にリーダージャージを着た岡篤志(JCLチーム右京)は3分51秒遅れの17位に終わった。
ツアー・オブ・ジャパン第6ステージの舞台は富士山。今年はふじあざみラインの登り1本勝負となり、標高差1160m、平均勾配10%、最大勾配22%を駆け上がる。ツアー・オブ・ジャパンの勝敗を大きく左右するクイーンステージだ。
第5ステージの信州飯田までを終えての総合首位は岡篤志(JCLチーム右京)。2位との差は34秒だが、昨年の富士山を制したベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)とは2分57秒差、岡のチームメイトでもあり昨年2位のネイサン・アールとは2分44秒差がついた。この微妙な差を岡が守り切れるのか、あるいはダイボールかアールが逆転するのかが、大きな注目点となった。
一方で、山岳賞争いもこの富士山にかかる。超級山岳に指定される富士山は1位15ポイント以下、10位までポイントが与えられる。山岳賞トップの兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)は29ポイント。同2位のレオネル・キンテロ・アルテアガ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島)は23ポイントを持っており、このステージ4位8ポイントを獲得すれば逆転可能だ。
スタート直後からJCLチーム右京が集団先頭でレースを主導。その中から10名ほどが先行する。さらにコース中間点の旧馬返しまでに、ダイボール、アールを含む5名に絞られる。斜度がきつくなる後半に入ると、1人、1人と脱落し、昨年のリプレイを見るかのようにダイボールとアールの2名が残った。勝負は昨年までのチームメイト同士の争いへ。
残り4km、先頭で登っていたダイボールのスピードが鈍った瞬間、アールがアタックして一気に差を広げていく。残り300m、トップ独走のアールは余裕さえ感じられるペースで登っていったのに対し、ダイボールは険しい表情でフィニッシュを目指す。
青空が広がった富士山五合目にトップで現れたアールは、両手を広げてフィニッシュ。リーダージャージを着る岡は3分51秒遅れたため、昨年に続き個人総合首位に立った。
ネイサン・アール コメント
「昨日はチームメイトの岡が優勝したことでモチベーションがより高まった。チームとしても個人としても、この富士山ステージを最大の目標としてハードワークをこなしてきた。それが総合首位という結果に繋がったと思う。
ダイボール選手は強い選手で、昨日を終えた時点で僕の方が少しだけ個人総合順位が上だったので、今日は彼について行った。彼も私をちぎろうと最大限の力で登っていたようだが、私には少し余裕があった。そこで思い切ってアタックすると、ダイボール選手はついて来られなくなり、単独でフィニッシュまで行くことが出来た。自分も辛かったけれど、素晴らしい勝利になった。
昨年9月に大怪我をして4ヶ月ほどトレーニングが出来ない状態だったが、復帰のためにサポートしてくれた日本とオーストラリアの医師とチームに感謝したい。まだ2日残っているが、ハードワークを続けていきたい」
明日5月27日は、神奈川県相模原市でのステージ。個人総合順位を逆転するには最後のチャンスとなるが、2位ダイボールに47秒差をつけるアールは総合首位を守り切れるのか?。
一方、山岳賞が設定される最後のステージでもあり、総合優勝争い以上に白熱しそうだ。2位キンテロ26ポイント、首位の兒島29ポイントで3ポイント差。3回設定される山岳賞を全て1位通過すれば15ポイント獲得出来るため、3位のカーター・ベトルス(ヴィクトワール広島)にも逆転の可能性がある。
さらにはステージ優勝を狙う動きも活発になると思われ、最後まで目が離せない。
ツアー・オブ・ジャパン第6ステージの舞台は富士山。今年はふじあざみラインの登り1本勝負となり、標高差1160m、平均勾配10%、最大勾配22%を駆け上がる。ツアー・オブ・ジャパンの勝敗を大きく左右するクイーンステージだ。
第5ステージの信州飯田までを終えての総合首位は岡篤志(JCLチーム右京)。2位との差は34秒だが、昨年の富士山を制したベンジャミン・ダイボール(ヴィクトワール広島)とは2分57秒差、岡のチームメイトでもあり昨年2位のネイサン・アールとは2分44秒差がついた。この微妙な差を岡が守り切れるのか、あるいはダイボールかアールが逆転するのかが、大きな注目点となった。
一方で、山岳賞争いもこの富士山にかかる。超級山岳に指定される富士山は1位15ポイント以下、10位までポイントが与えられる。山岳賞トップの兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)は29ポイント。同2位のレオネル・キンテロ・アルテアガ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島)は23ポイントを持っており、このステージ4位8ポイントを獲得すれば逆転可能だ。
スタート直後からJCLチーム右京が集団先頭でレースを主導。その中から10名ほどが先行する。さらにコース中間点の旧馬返しまでに、ダイボール、アールを含む5名に絞られる。斜度がきつくなる後半に入ると、1人、1人と脱落し、昨年のリプレイを見るかのようにダイボールとアールの2名が残った。勝負は昨年までのチームメイト同士の争いへ。
残り4km、先頭で登っていたダイボールのスピードが鈍った瞬間、アールがアタックして一気に差を広げていく。残り300m、トップ独走のアールは余裕さえ感じられるペースで登っていったのに対し、ダイボールは険しい表情でフィニッシュを目指す。
青空が広がった富士山五合目にトップで現れたアールは、両手を広げてフィニッシュ。リーダージャージを着る岡は3分51秒遅れたため、昨年に続き個人総合首位に立った。
ネイサン・アール コメント
「昨日はチームメイトの岡が優勝したことでモチベーションがより高まった。チームとしても個人としても、この富士山ステージを最大の目標としてハードワークをこなしてきた。それが総合首位という結果に繋がったと思う。
ダイボール選手は強い選手で、昨日を終えた時点で僕の方が少しだけ個人総合順位が上だったので、今日は彼について行った。彼も私をちぎろうと最大限の力で登っていたようだが、私には少し余裕があった。そこで思い切ってアタックすると、ダイボール選手はついて来られなくなり、単独でフィニッシュまで行くことが出来た。自分も辛かったけれど、素晴らしい勝利になった。
昨年9月に大怪我をして4ヶ月ほどトレーニングが出来ない状態だったが、復帰のためにサポートしてくれた日本とオーストラリアの医師とチームに感謝したい。まだ2日残っているが、ハードワークを続けていきたい」
明日5月27日は、神奈川県相模原市でのステージ。個人総合順位を逆転するには最後のチャンスとなるが、2位ダイボールに47秒差をつけるアールは総合首位を守り切れるのか?。
一方、山岳賞が設定される最後のステージでもあり、総合優勝争い以上に白熱しそうだ。2位キンテロ26ポイント、首位の兒島29ポイントで3ポイント差。3回設定される山岳賞を全て1位通過すれば15ポイント獲得出来るため、3位のカーター・ベトルス(ヴィクトワール広島)にも逆転の可能性がある。
さらにはステージ優勝を狙う動きも活発になると思われ、最後まで目が離せない。
ツアー・オブ・ジャパン 第6ステージ・富士山 結果(11.4km)
1位 | ネイサン・アール(オーストラリア、JCLチーム右京) | 40分14秒 |
2位 | ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | +34秒 |
3位 | ドリュー・モレ(オーストラリア、キナンレーシングチーム) | +1分19秒 |
4位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、JCLチーム右京) | +1分23秒 |
5位 | 小林 海(マトリックスパワータグ) | +2分4秒 |
6位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | +2分17秒 |
7位 | トマ・ルバ (フランス、キナンレーシングチーム) | +2分39秒 |
8位 | カーター・ベトルス(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | +2分47秒 |
9位 | ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア(スペイン、マトリックスパワータグ) | +2分57秒 |
10位 | ケヴィン・マッカンブリッジ(アイルランド、トリニティレーシング) | +3分0秒 |
個人総合順位(第6ステージ終了時) | ||
1位 | ネイサン・アール(オーストラリア、JCLチーム右京) | |
2位 | ベンジャミン・ダイボール(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | |
3位 | 岡 篤志(JCLチーム右京) | |
4位 | ベンジャミ・プラデス(スペイン、JCLチーム右京) | |
5位 | ドリュー・モレ(オーストラリア、キナンレーシングチーム) | |
6位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | |
ポイント賞(第6ステージ終了時) | ||
1位 | ルーク・ランパーティー(アメリカ、トリニティレーシグ) | 72p |
2位 | 岡 篤志(JCLチーム右京) | 60p |
3位 | カーター・ベトルス(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | 53p |
山岳賞(第6ステージ終了時) | ||
1位 | 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) | 29p |
2位 | レオネル・キンテロ・アルテアガ(ベネズエラ、ヴィクトワール広島) | 26p |
2位 | カーター・ベトルス(オーストラリア、ヴィクトワール広島) | 18p |
チーム総合成績(第6ステージ終了時) | ||
1位 | JCLチーム右京 | 38時間59分34秒 |
2位 | ヴィクトワール広島 | +2分24秒秒 |
3位 | キナンレーシングチーム | +3分8秒 |
text:Satoru Katoi
photro:Yosuke Suga, Satoru Kato
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