2023/05/19(金) - 12:00
逃げ切り勝利を飾ったニコ・デンツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)は「5年前の2位を更新できた」と喜び、敗れたバーウィックは「最終山岳で引き離せなかった時点で僕の負け」と敗因を語った。ジロ12日目を選手たちのコメントで振り返ります。
区間1位 ニコ・デンツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
なんて言っていいかわからない。それほどこの勝利が意味するものは大きく、心から誇りに思うよ。そもそも逃げに乗る予定ではなかったものの、ボブ(ユンゲルス)が「調子がイマイチで、明日ケムナをアシストするために脚を休めたい」と言ったので僕に逃げる許可が出たんだ。
だから逃げ集団に合流したのだが、そこには”モンスター”と呼ぶに相応しい強力な選手たちばかりがいた。だからこの中で何か仕掛けるのは難しいと思い、コニー(コンラッド)のアシストに回ろうと考えた。だが逃げ集団では協調体制が整わず、慌ただしい展開のなか先頭集団に入ることができたんだ。
最後の山岳は限界ギリギリで、何とか遅れずに頂上に達した。そして途中にアタックに向いた区間があることを知っていたので仕掛けた。じゃないとTVで観ている人は退屈だからね(笑)。そこでのアタックは失敗に終わったものの、スプリント力のある脚が僕を勝利に導いてくれた。(2018年大会の区間2位を更新する)5年越しの勝利だ。嬉しくて天にも昇る心地だよ。
区間2位 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
大集団での逃げになれば逃げ切りの可能性が高くなる一方で、自分自身が勝つチャンスは低くなる。だから早めに仕掛けたいと思い、後続との差をつけることに成功した。最終山岳ではニコ(デンツ)を振り落とすべくペースを上げたのだが、食らいつかれてしまった。またその後の下りもコーナーが少なく、差をつけるほどの難易度はなかった。そして結果は見ての通りだ。
区間3位 セバスチャン・バーウィック(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)
あの最終山岳が、僕が勝つ最後のチャンスだった。しかし独走に持ち込むことはできず、体重58kgの僕に75kgの彼(デンツ)に勝つのは難しかった。だけど何が起こるかわからないので戦い続けた。
マリアローザ ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
チームとして継続している力強い走りを、今日もまたチームメイトは披露してくれた。また、終盤では前日に落車したパヴェル(シヴァコフ)も復活の牽引を見せてくれた。彼はそのコンディションの良さを見せ、今日という日が終わった。そして明日は重要なステージとなる。
―ログリッチのユンボ・ヴィスマが逃げに2名を送ったことに驚いたか?
わからない。だがチームとして常にステージ優勝を狙うことは大事だし、大きな逃げ集団だったので(2人も)そこまで力も使っていないだろう。
―昨年のツール・ド・スイス総合優勝者として、スイスの地をマリアローザで走ることに喜びを感じているか?
もちろんだ。
セップ・クスと共に逃げに乗ったミヒェル・ヘスマン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)
プロトンで何かあったら逃げ集団にいる僕ら2人が対応できるようにする、というのがプランだった。プリモシュ(ログリッチ)に助けが必要な時は下がってアシストできるようにね。僕のグランツールデビュー戦は全てが予想を上回るほど順調だ。この12日間に及ぶ荒れた展開が逆に僕に味方しているようだ。調子はよく、毎日のリカバリーもしっかりできている。だからこそ日々、少しだけレースを楽しむことができている。
ここまでのジロを総括するローレンス・ワーバス(アメリカ、AG2Rシトロエン)
厳しい山岳がはじまっていないのに、既に厳しい戦いとなっている。なぜなら、いつもであれば楽なステージが荒れているからね。また悪天候もレース展開に影響し、逃げにチャンスを与えている。それが結果的に展開を激しいものにし、身体的にも精神的にもつらい状況を作り出している。僕が経験したジロの中で、いまのところ最もタフな大会だよ。
僕自身は総合争いをしているわけではないので、適度に力を抜いて走ることができている。だからコンディションはよく、この後のステージで逃げに乗るチャンスを掴みたい。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
区間1位 ニコ・デンツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ)
なんて言っていいかわからない。それほどこの勝利が意味するものは大きく、心から誇りに思うよ。そもそも逃げに乗る予定ではなかったものの、ボブ(ユンゲルス)が「調子がイマイチで、明日ケムナをアシストするために脚を休めたい」と言ったので僕に逃げる許可が出たんだ。
だから逃げ集団に合流したのだが、そこには”モンスター”と呼ぶに相応しい強力な選手たちばかりがいた。だからこの中で何か仕掛けるのは難しいと思い、コニー(コンラッド)のアシストに回ろうと考えた。だが逃げ集団では協調体制が整わず、慌ただしい展開のなか先頭集団に入ることができたんだ。
最後の山岳は限界ギリギリで、何とか遅れずに頂上に達した。そして途中にアタックに向いた区間があることを知っていたので仕掛けた。じゃないとTVで観ている人は退屈だからね(笑)。そこでのアタックは失敗に終わったものの、スプリント力のある脚が僕を勝利に導いてくれた。(2018年大会の区間2位を更新する)5年越しの勝利だ。嬉しくて天にも昇る心地だよ。
区間2位 トムス・スクインシュ(ラトビア、トレック・セガフレード)
大集団での逃げになれば逃げ切りの可能性が高くなる一方で、自分自身が勝つチャンスは低くなる。だから早めに仕掛けたいと思い、後続との差をつけることに成功した。最終山岳ではニコ(デンツ)を振り落とすべくペースを上げたのだが、食らいつかれてしまった。またその後の下りもコーナーが少なく、差をつけるほどの難易度はなかった。そして結果は見ての通りだ。
区間3位 セバスチャン・バーウィック(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック)
あの最終山岳が、僕が勝つ最後のチャンスだった。しかし独走に持ち込むことはできず、体重58kgの僕に75kgの彼(デンツ)に勝つのは難しかった。だけど何が起こるかわからないので戦い続けた。
マリアローザ ゲラント・トーマス(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)
チームとして継続している力強い走りを、今日もまたチームメイトは披露してくれた。また、終盤では前日に落車したパヴェル(シヴァコフ)も復活の牽引を見せてくれた。彼はそのコンディションの良さを見せ、今日という日が終わった。そして明日は重要なステージとなる。
―ログリッチのユンボ・ヴィスマが逃げに2名を送ったことに驚いたか?
わからない。だがチームとして常にステージ優勝を狙うことは大事だし、大きな逃げ集団だったので(2人も)そこまで力も使っていないだろう。
―昨年のツール・ド・スイス総合優勝者として、スイスの地をマリアローザで走ることに喜びを感じているか?
もちろんだ。
セップ・クスと共に逃げに乗ったミヒェル・ヘスマン(ドイツ、ユンボ・ヴィスマ)
プロトンで何かあったら逃げ集団にいる僕ら2人が対応できるようにする、というのがプランだった。プリモシュ(ログリッチ)に助けが必要な時は下がってアシストできるようにね。僕のグランツールデビュー戦は全てが予想を上回るほど順調だ。この12日間に及ぶ荒れた展開が逆に僕に味方しているようだ。調子はよく、毎日のリカバリーもしっかりできている。だからこそ日々、少しだけレースを楽しむことができている。
ここまでのジロを総括するローレンス・ワーバス(アメリカ、AG2Rシトロエン)
厳しい山岳がはじまっていないのに、既に厳しい戦いとなっている。なぜなら、いつもであれば楽なステージが荒れているからね。また悪天候もレース展開に影響し、逃げにチャンスを与えている。それが結果的に展開を激しいものにし、身体的にも精神的にもつらい状況を作り出している。僕が経験したジロの中で、いまのところ最もタフな大会だよ。
僕自身は総合争いをしているわけではないので、適度に力を抜いて走ることができている。だからコンディションはよく、この後のステージで逃げに乗るチャンスを掴みたい。
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
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