2023/05/16(火) - 12:21
全日本選手権トラック最終日の4日目は、個人パーシュートとポイントレース、タイムトライアル種目、パラサイクリングの個人パーシュートが行われた。女子エリート3km個人パーシュートでは、内野艶和(チーム楽天Kドリームス)が予選、決勝共に日本記録を上回るタイムを出して優勝。500mタイムトライアルでは佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が日本記録を更新して優勝した。
4日間に渡り伊豆ベロドロームで開催されてきた全日本選手権トラック。最終日は平日の月曜日とあって観客の数はかなり減ったもの、2つの日本新記録が誕生するハイレベルな戦いが繰り広げられた。
個人パーシュート
女子エリート3kmでは、予選で内野艶和(チーム楽天Kドリームス)が3分33秒466を出して1位。2019年に梶原悠未が出した3分33秒740の日本記録を上回った。内野はさらに、決勝では予選タイムを約3秒縮めて3分30秒台にのせるハイペースの走りで優勝を決めた。
男子エリート4kmでは、昨年日本記録を出した窪木一茂が予選1位、松田祥位が2位となってチームブリヂストンサイクリング同士の決勝戦へ。「大先輩を相手にビビっていた」と言う松田だが、ペースの上がらない窪木に2km過ぎで追いついて勝負を決めた。
松田祥位コメント
「タイムは振るわなかったけれど、窪木先輩と戦えて良かった。得意種目なので本当は記録更新と行きたかったけれど、ぶっつけ本番になってしまい、予選はギアが足りなくて下方修正することになってしまった。疲れが残ってる中、自分ではよく走れたと思う。意気込んだらとんでもない走りをする窪木さんを相手に、自分らしく安定した走りが出来て良かった。
個人パーシュートで記録更新し、世界との差をもっと縮めていくことが今後の目標。パリ五輪に向けては順調にポイントを重ねられていると思うので、8月の世界選手権で全てが決まると思う。全日本は終わったけれど、これからギアをもう1段階上げて練習して、最高のパフォーマンスが出せるように頑張っていきたい」
女子500mタイムトライアル 男子1kmタイムトライアル
女子500mタイムトライアルでは、酒井亜樹(HPCJC)が34秒708、佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が34秒467と、日本記録を上回るタイムを出した。この種目の日本記録更新は2013年に前田佳代乃が34秒882を出して以来約10年ぶりとなる。佐藤はこれで三冠達成。2位の酒井は初日にエキシビジョンのチームスプリントで1走を務めて日本新記録を出し、ナショナルチームの新戦力として期待がかかる。
男子1kmタイムトライアルでは、市田龍生都(中央大学)が優勝。インカレ連覇中の市田だが、エリートでの全日本選手権は初優勝。「タイムは1分を切りたかったが、全日本チャンピオンは嬉しい」と表彰式でコメントした。
ポイントレース
男子エリートは120周30kmのレースに20名が出走。前半に松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)が2度のラップ(集団を周回遅れにすること)を成功させて40ポイントを獲得。大きくリードを広げるも、直後に失速して逆に1周遅れを取られてしまいマイナス20ポイント。これで兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)との差が縮まると、後半は兒島が攻勢に出てポイントを連取し逆転。松田も対抗するものの兒島が逃げ切り、昨年に続き連覇を決めた。中盤以降のチームブリヂストンサイクリング勢のペースアップにより、完走は半数以下の8名となるサバイバルレースとなった。
兒島直樹コメント
「昨年も優勝していて、ポイントレースは得意種目でもあるので、絶対に勝ちたいと思って臨んだ。それが結果に結びついて嬉しい。昨日のオムニアムは調子は良かったけれど、最後の詰めの甘さが出てしまったので、今日は最後まで諦めないように頑張った。松田選手は個人パーシュートを走った後であの強さだったので、それが無ければどうなっていたのか分からない。タラレバになってしまうが、そのチャンスを掴めたと思う」
「全日本選手権は海外のレースと違ってチームブリヂストンサイクリング同士の戦いになるけれど、チームメイトは海外で戦ってきているメンバーなのでその中で勝てることは世界への切符が得られる大会だと自分の中で位置付けている。
パリ五輪はチームパーシュートで出ることがチーム全体の目標。その上で自分がメンバーに入り、個人種目でも出場できるようにしていきたい。五輪はスポーツ選手にとって憧れの大会であり、僕のゴールでもある。それに向けて一歩一歩前進して行きたい」
女子エリートは80周20km。チーム楽天Kドリームスの垣田真穂、池田瑞紀、内野艶和らが次々と攻撃に出てポイントを取るも、要所を締めるようにレースを展開する梶原悠未(TEAM Yumi)のリードを奪えず。フィニッシュは内野に譲ったものの、梶原のポイントリーダーの座は揺るがず優勝。今大会五冠を達成した。
男子ジュニアは60周15km。ポイントの取り合いとなったレースはフィニッシュ1位で10ポイントを獲得した金井健翔(松山学院高等学校)が優勝した。女子ジュニアは水谷彩奈(松山学院高等学校)がフィニッシュで岡本美咲(北桑田高校)を逆転して優勝した。
パラサイクリング
4日間に渡り伊豆ベロドロームで開催されてきた全日本選手権トラック。最終日は平日の月曜日とあって観客の数はかなり減ったもの、2つの日本新記録が誕生するハイレベルな戦いが繰り広げられた。
個人パーシュート
女子エリート3kmでは、予選で内野艶和(チーム楽天Kドリームス)が3分33秒466を出して1位。2019年に梶原悠未が出した3分33秒740の日本記録を上回った。内野はさらに、決勝では予選タイムを約3秒縮めて3分30秒台にのせるハイペースの走りで優勝を決めた。
男子エリート4kmでは、昨年日本記録を出した窪木一茂が予選1位、松田祥位が2位となってチームブリヂストンサイクリング同士の決勝戦へ。「大先輩を相手にビビっていた」と言う松田だが、ペースの上がらない窪木に2km過ぎで追いついて勝負を決めた。
松田祥位コメント
「タイムは振るわなかったけれど、窪木先輩と戦えて良かった。得意種目なので本当は記録更新と行きたかったけれど、ぶっつけ本番になってしまい、予選はギアが足りなくて下方修正することになってしまった。疲れが残ってる中、自分ではよく走れたと思う。意気込んだらとんでもない走りをする窪木さんを相手に、自分らしく安定した走りが出来て良かった。
個人パーシュートで記録更新し、世界との差をもっと縮めていくことが今後の目標。パリ五輪に向けては順調にポイントを重ねられていると思うので、8月の世界選手権で全てが決まると思う。全日本は終わったけれど、これからギアをもう1段階上げて練習して、最高のパフォーマンスが出せるように頑張っていきたい」
女子500mタイムトライアル 男子1kmタイムトライアル
女子500mタイムトライアルでは、酒井亜樹(HPCJC)が34秒708、佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス)が34秒467と、日本記録を上回るタイムを出した。この種目の日本記録更新は2013年に前田佳代乃が34秒882を出して以来約10年ぶりとなる。佐藤はこれで三冠達成。2位の酒井は初日にエキシビジョンのチームスプリントで1走を務めて日本新記録を出し、ナショナルチームの新戦力として期待がかかる。
男子1kmタイムトライアルでは、市田龍生都(中央大学)が優勝。インカレ連覇中の市田だが、エリートでの全日本選手権は初優勝。「タイムは1分を切りたかったが、全日本チャンピオンは嬉しい」と表彰式でコメントした。
ポイントレース
男子エリートは120周30kmのレースに20名が出走。前半に松田祥位(チームブリヂストンサイクリング)が2度のラップ(集団を周回遅れにすること)を成功させて40ポイントを獲得。大きくリードを広げるも、直後に失速して逆に1周遅れを取られてしまいマイナス20ポイント。これで兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング)との差が縮まると、後半は兒島が攻勢に出てポイントを連取し逆転。松田も対抗するものの兒島が逃げ切り、昨年に続き連覇を決めた。中盤以降のチームブリヂストンサイクリング勢のペースアップにより、完走は半数以下の8名となるサバイバルレースとなった。
兒島直樹コメント
「昨年も優勝していて、ポイントレースは得意種目でもあるので、絶対に勝ちたいと思って臨んだ。それが結果に結びついて嬉しい。昨日のオムニアムは調子は良かったけれど、最後の詰めの甘さが出てしまったので、今日は最後まで諦めないように頑張った。松田選手は個人パーシュートを走った後であの強さだったので、それが無ければどうなっていたのか分からない。タラレバになってしまうが、そのチャンスを掴めたと思う」
「全日本選手権は海外のレースと違ってチームブリヂストンサイクリング同士の戦いになるけれど、チームメイトは海外で戦ってきているメンバーなのでその中で勝てることは世界への切符が得られる大会だと自分の中で位置付けている。
パリ五輪はチームパーシュートで出ることがチーム全体の目標。その上で自分がメンバーに入り、個人種目でも出場できるようにしていきたい。五輪はスポーツ選手にとって憧れの大会であり、僕のゴールでもある。それに向けて一歩一歩前進して行きたい」
女子エリートは80周20km。チーム楽天Kドリームスの垣田真穂、池田瑞紀、内野艶和らが次々と攻撃に出てポイントを取るも、要所を締めるようにレースを展開する梶原悠未(TEAM Yumi)のリードを奪えず。フィニッシュは内野に譲ったものの、梶原のポイントリーダーの座は揺るがず優勝。今大会五冠を達成した。
男子ジュニアは60周15km。ポイントの取り合いとなったレースはフィニッシュ1位で10ポイントを獲得した金井健翔(松山学院高等学校)が優勝した。女子ジュニアは水谷彩奈(松山学院高等学校)がフィニッシュで岡本美咲(北桑田高校)を逆転して優勝した。
パラサイクリング
個人パーシュート 結果
男子エリート4km | ||
1位 | 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング) | 4分24秒690(予選時) |
2位 | 窪木一茂(チームブリヂストンサイクリング) | 4分22秒578(予選時) |
3位 | 安達光伸(朝日大学) | 4分25秒051 |
4位 | 伊藤 恭(中央大学) | 4分30秒931 |
女子エリート | ||
1位 | 内野艶和(チーム楽天Kドリームス) | 3分30秒486(日本新) |
2位 | 垣田真穂(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学) | 3分35秒067 |
3位 | 池田瑞紀(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学) | 3分37秒126 |
4位 | 古山稀絵(チーム楽天Kドリームス) | 3分43秒789 |
男子ジュニア | ||
1位 | 三浦一真(湘南工科大学附属高校) | 3分23秒963 |
2位 | 望月 蓮(山梨県立吉田高校) | 3分26秒199 |
3位 | 金井健翔(松山学院高等学校) | 3分28秒702 |
4位 | 廣田汰也(崇徳高校) | 3分32秒345 |
女子ジュニア | ||
1位 | 岡本美咲(北桑田高校) | 2分27秒060 |
2位 | 室谷榎音(青森商業高校) | 2分33秒863 |
3位 | 水谷彩奈(松山学院高等学校) | 2分30秒776 |
4位 | 近田ちひろ(松山学院高等学校) | 2分32秒047 |
女子500mタイムトライアル 結果
エリート | ||
1位 | 佐藤水菜(チーム楽天Kドリームス) | 34秒467(日本新) |
2位 | 酒井亜樹(HPCJC) | 34秒708(日本新) |
3位 | 梅川風子(チーム楽天Kドリームス) | 35秒172 |
4位 | 久米 詩(JPCA) | 36秒453 |
5位 | 小原乃亜(八戸学院大学) | 36秒806 |
6位 | 中西美央(鹿屋体育大学) | 37秒164 |
ジュニア | ||
1位 | 北岡マリア(内灘高等学校) | 36秒804 |
2位 | 濱 彩春(法政大学) | 38秒056 |
3位 | 相見涼花(倉吉西高校) | 38秒109 |
4位 | 伊藤來未(日出総合高校) | 38秒827 |
5位 | 齊藤 萌(別府翔青高校) | 39秒382 |
6位 | 松崎光優(松山学院高等学校) | 39秒530 |
男子1kmタイムトライアル 結果
男子エリート | ||
1位 | 市田龍生都(中央大学) | 1分1秒040 |
2位 | 中石 湊(北海道自転車競技連盟) | 1分1秒307 |
3位 | 新山響平(チームブリヂストンサイクリング) | 1分2秒454 |
4位 | 村田祐樹(JPCA) | 1分2秒766 |
5位 | 伊藤京介(日本大学) | 1分2秒863 |
6位 | 三神遼矢(日本大学) | 1分3秒155 |
男子ジュニア | ||
1位 | 杉浦颯太(千歳高校) | 1分4秒464 |
2位 | 丸山留依(静岡北高校) | 1分5秒069 |
3位 | 大塚 城(静岡星稜高校) | 1分5秒232 |
4位 | 山下翔太郎(石川県立内灘高等学校) | 1分5秒550 |
5位 | 福田海響(八王子実践高等学校) | 1分6秒107 |
6位 | 金子 颯(東北高校) | 1分6秒378 |
ポイントレース 結果
<男子エリート | ||
1位 | 兒島直樹(チームブリヂストンサイクリング) | 45p |
2位 | 松田祥位(チームブリヂストンサイクリング) | 40p |
3位 | 橋本英也(チームブリヂストンサイクリング) | 38p |
4位 | 今村駿介(チームブリヂストンサイクリング) | 22p |
5位 | 矢萩悠也(京都産業大学) | 13p |
6位 | 佐藤 健(Team SSP/愛三工業) | 10p |
女子エリート | ||
1位 | 梶原悠未(TEAM Yumi) | 31p |
2位 | 垣田真穂(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学) | 25p |
3位 | 池田瑞紀(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学) | 20p |
4位 | 内野艶和(チーム楽天Kドリームス) | 20p |
男子ジュニア | ||
1位 | 金井健翔(松山学院高等学校) | 17p |
2位 | 広瀬徳近(石田高校) | 9p |
3位 | 森田叶夢(京都産業大学) | 8p |
4位 | 奥村圭志(千原台高等学校) | 7p |
女子ジュニア(10km) | ||
1位 | 水谷彩奈(松山学院高等学校) | 19p |
2位 | 岡本美咲(北桑田高校) | 16p |
3位 | 近田ちひろ(松山学院高等学校) | 13p |
4位 | 室谷榎音(青森商業高校) | -14p |
パラサイクリング3km個人パーシュート 結果
WC2-3 | タイム | 係数タイム | |
1位 | 杉浦佳子(TEAM EMMA Cycling/総合メディカル) | 4分0秒471 | 4分0秒471 |
2位 | 藤井美穂(楽天ソシオビジネス株式会社) | 4分31秒890 | 4分11秒362 |
3位 | 中道穂香(テレビ愛媛) | 6分2秒418 | 5分35秒055 |
MC2-3 | タイム | 係数タイム | |
1位 | 川本翔太(大和産業株式会社) | 3分37秒050 | 3分23秒940(大会新) |
2位 | 藤田征樹(藤建設株式会社) | 3分40秒353 | 3分40秒353 |
パラサイクリング4km個人パーシュート 結果
MC5 | ||
1位 | 福冨伸彦(NTT東日本/NTI) | 5分44秒825 |
2位 | 沼野康仁(usp lab.VC SPLENDOR) | 6分22秒147 |
text&photo:Satoru Kato
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