2023/05/16(火) - 09:26
連日の雨やエヴェネプールのコロナ感染など、混沌としたジロ・デ・イタリアを走る新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)。フォーム改善したTTやチーム状況、カヴェンディッシュとの関係など第1休息日に新城が記者会見で答えた。
ジロ・デ・イタリアへの出場を知らされたのは、開幕の僅か4日前。出場予定だったジーノ・メーダー(スイス)が新型コロナウイルスに感染し、エッシュボルン・フランクフルト出場後”休息モード”だった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が急遽招聘された。しかしそんな中でも「まだ苦しんでいますが、第2週、第3週目に向かい調子は上がっていくと思います。僕は距離を走れば調子がよくなるので」と、今年でプロ15年目のシーズンを迎えたベテランは語る。
「1週間まともにトレーニングせず臨んだはじめてのグランツールです。頭の準備(切り替え)はできたのですが、脚がまだ痛く身体がついてきていない。でも日に日に良くなっているし、実際に昨日(第9ステージの個人タイムトライアル)を含めた最後の2日間の感覚は良かった。山での感覚も上がってきています」。
主にレースの序盤から中盤、スプリントステージでは終盤でもメイン集団の先頭で、チームメイトを好位置へと導く仕事を披露した新城。そのアシストが早速結果として現れたのは平坦路で争われた第2ステージで、終盤のトレインを率いて集団先頭に出ると、グランツール初出場の若手スプリンター、ジョナサン・ミラン(イタリア)がステージ優勝を挙げ、それ以来ミランはマリアチクラミーノ(ポイント賞)を着続けている。
だが新城は「スプリントジャージはチームとして”是が非でも保持したい”っていうわけではなく、あくまでも展開次第。最優先は総合上位を目指すことで、基本的に僕の仕事はジャック(ヘイグ)の位置取りがメインです」と語る。
第1週目が終わった時点で総合エースであるダミアーノ・カルーゾ(イタリア)は7位(1分28秒遅れ)、ジャック・ヘイグ(オーストラリア)は16位(1分36秒遅れ)。これから獲得標高差5,000mに達する3つの山岳ステージなど、2人は総合表彰台はもちろんマリアローザも射程圏内にある。
オンライン記者会見があった前夜、第9ステージ勝者かつマリアローザのレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のCOVID-19陽性によるリタイアが伝えられた。レース主催者による積極的なコロナ対策プロトコルが実施されないなか、新城は「レース状況はコロナ以前に戻っていますが、ユンボ(ヴィスマ)は大会が始まったときからサイン台でマスクをしています。これからレース主催者が(ルールを)変えるのか、あるいはチームがそれぞれ自主的にマスクなど対応するかという感じですね」とその現状を語った。
初日の個人タイムトライアルを90位、前日の2度目を73位と決して得意ではないレースを好順位でフィニッシュした新城。「昨日は(雨で)他の皆が遅く走ったからです」と謙遜するが、オフシーズンにヴェロドロームで空力テストを行い、ポジションを調整した結果、「36W速くなったんですよ!」と内実を明かした。
また、レース映像や現地の写真でマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)と仲よさげにしていることを聞くと、「2020年にバーレーン・マクラーレンで同じチームだったんですよ。その時からメッセージをやり取りするようになって、昨年のさいたまクリテリウムでは三日三晩一緒に過ごしたのでもう仲良しですね」と答えてくれた。
ジロ第2週目はスカンディアーノを出発地点とする196kmのスプリントステージ。「第1週目はレムコ(エヴェネプール)の勝利から始まり、レムコが9日目で2度目の勝利を挙げるまで、全てのステージを違う選手が勝ちました。だから第2週目はジョナサン(ミラン)の勝利で始まってくれれば、チームとして最高だよねとチームメイトと話していました」。
「僕は監督の指示に従い、一生懸命働くだけ。明日も100%雨予報なので、健康管理や流行り病に気をつけて第3週目の山場に備えたいです」と、笑顔で記者会見を締めくくった。
text:Sotaro.Arakawa(オンライン記者会見より)
photo:CorVos
ジロ・デ・イタリアへの出場を知らされたのは、開幕の僅か4日前。出場予定だったジーノ・メーダー(スイス)が新型コロナウイルスに感染し、エッシュボルン・フランクフルト出場後”休息モード”だった新城幸也(バーレーン・ヴィクトリアス)が急遽招聘された。しかしそんな中でも「まだ苦しんでいますが、第2週、第3週目に向かい調子は上がっていくと思います。僕は距離を走れば調子がよくなるので」と、今年でプロ15年目のシーズンを迎えたベテランは語る。
「1週間まともにトレーニングせず臨んだはじめてのグランツールです。頭の準備(切り替え)はできたのですが、脚がまだ痛く身体がついてきていない。でも日に日に良くなっているし、実際に昨日(第9ステージの個人タイムトライアル)を含めた最後の2日間の感覚は良かった。山での感覚も上がってきています」。
主にレースの序盤から中盤、スプリントステージでは終盤でもメイン集団の先頭で、チームメイトを好位置へと導く仕事を披露した新城。そのアシストが早速結果として現れたのは平坦路で争われた第2ステージで、終盤のトレインを率いて集団先頭に出ると、グランツール初出場の若手スプリンター、ジョナサン・ミラン(イタリア)がステージ優勝を挙げ、それ以来ミランはマリアチクラミーノ(ポイント賞)を着続けている。
だが新城は「スプリントジャージはチームとして”是が非でも保持したい”っていうわけではなく、あくまでも展開次第。最優先は総合上位を目指すことで、基本的に僕の仕事はジャック(ヘイグ)の位置取りがメインです」と語る。
第1週目が終わった時点で総合エースであるダミアーノ・カルーゾ(イタリア)は7位(1分28秒遅れ)、ジャック・ヘイグ(オーストラリア)は16位(1分36秒遅れ)。これから獲得標高差5,000mに達する3つの山岳ステージなど、2人は総合表彰台はもちろんマリアローザも射程圏内にある。
オンライン記者会見があった前夜、第9ステージ勝者かつマリアローザのレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)のCOVID-19陽性によるリタイアが伝えられた。レース主催者による積極的なコロナ対策プロトコルが実施されないなか、新城は「レース状況はコロナ以前に戻っていますが、ユンボ(ヴィスマ)は大会が始まったときからサイン台でマスクをしています。これからレース主催者が(ルールを)変えるのか、あるいはチームがそれぞれ自主的にマスクなど対応するかという感じですね」とその現状を語った。
初日の個人タイムトライアルを90位、前日の2度目を73位と決して得意ではないレースを好順位でフィニッシュした新城。「昨日は(雨で)他の皆が遅く走ったからです」と謙遜するが、オフシーズンにヴェロドロームで空力テストを行い、ポジションを調整した結果、「36W速くなったんですよ!」と内実を明かした。
また、レース映像や現地の写真でマーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)と仲よさげにしていることを聞くと、「2020年にバーレーン・マクラーレンで同じチームだったんですよ。その時からメッセージをやり取りするようになって、昨年のさいたまクリテリウムでは三日三晩一緒に過ごしたのでもう仲良しですね」と答えてくれた。
ジロ第2週目はスカンディアーノを出発地点とする196kmのスプリントステージ。「第1週目はレムコ(エヴェネプール)の勝利から始まり、レムコが9日目で2度目の勝利を挙げるまで、全てのステージを違う選手が勝ちました。だから第2週目はジョナサン(ミラン)の勝利で始まってくれれば、チームとして最高だよねとチームメイトと話していました」。
「僕は監督の指示に従い、一生懸命働くだけ。明日も100%雨予報なので、健康管理や流行り病に気をつけて第3週目の山場に備えたいです」と、笑顔で記者会見を締めくくった。
text:Sotaro.Arakawa(オンライン記者会見より)
photo:CorVos
Amazon.co.jp