最終山岳でヒルシのアタック成功　今季初勝利を挙げ総合でも首位浮上

6つの2級山岳を越えるツール・ド・ハンガリー第3ステージで、マルク・ヒルシ（スイス、UAEチームエミレーツ）がライバルを一蹴。翌日のクイーンステージを前に総合リーダーに立った。

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ツール・ド・ハンガリー（UCI.Pro）第3ステージの舞台は、首都ブタペストから200kmほど南西にあるカポシュバールを出発する179.9km。フィニッシュ地点が設定されたのは歴史深い街ペーチで、2級山岳を6度登坂する丘陵ステージだ。

ドリース・デボント（ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク）やキャメロン・スコット（オーストラリア、バーレーン・ヴィクトリアス）らワールドチームが選手を送った逃げグループは5名。総獲得標高差2,500mに達するコースにスプリンターたちがプロトンから早々に遅れ、反対にシルヴァン・ディリエ（スイス、アルペシン・ドゥクーニンク）とセバスティアン・シェーンベルガー（オーストリア、ヒューマンパワードヘルス）が飛び出して先頭集団に合流した。

プロトンでは大会初日に落車したエガン・ベルナル（コロンビア、イネオス・グレナディアーズ）がジョナタン・ナルバエス（エクアドル）と共にアタックしたものの、決定的な動きには繋がらない。そしてチームメイトのためにサム・ベネット（アイルランド、ボーラ・ハンスグローエ）がメイン集団を牽引した甲斐もあり、残り18kmで逃げ集団を吸収。フィニッシュラインの引かれたた2級山岳ペーチ（距離5.1km/平均6.8%）の頂上手前で、ベン・トゥレット（イギリス、イネオス・グレナディアーズ）が飛び出した。

30名まで減った集団からアタックしたトゥレットに、唯一マルク・ヒルシ（スイス、UAEチームエミレーツ）が食らいつく。そしてヒルシは緩斜面にもかかわらず圧巻のスピードでトゥレットを引き離し、今季初勝利を掴み取った。

「トゥレットを擁するイネオスが最終山岳の麓からペースを上げたので追従し、アタックしなければ勝利はないと思っていた。皆が限界に達しており、思わぬ動きが勝利に結びつくと考えていたんだ。シーズン初勝利は本当に嬉しいよ」とヒルシは語った。

総合上位を占めていたスプリンターが遅れたため、ヒルシが総合リーダジャージを獲得。8秒遅れのトゥレットが総合2位にジャンプアップするなど、この日の区間順位がほぼそのまま総合順位となった。

翌日の第4ステージは1級山岳ドドゴコ（距離10.9km/平均4.3%）にフィニッシュするクイーンステージ。登りの序盤に勾配10％が登場し、頂上に向かってなだらかになっていく。そのためクライマーはもちろんヒルシやヤコブ・フルサン（デンマーク、イスラエル・プレミアテック）などパンチャーにもチャンスのあるステージだ。