2023/05/04(木) - 09:30
風が幾度も集団を破壊し、荒れた展開となったラ・ブエルタ・フェメニーナ第3ステージ。カヴァッリやスプラットがタイムを失う中、マイヨロホを着るマリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が前日勝者のシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)を下した。
カテゴリー山岳が登場せず、総獲得標高差800mに満たない平坦コースで争われたラ・ブエルタ・フェメニーナ(UCIワールドツアー)第3ステージ。しかしエルチェ・デ・ラ・シエラからラ・ローダに向かう157.8kmの道のりで、幾度となく集団を襲った強風がサバイバルな展開を作り出した。
今大会最長距離のこの日は、序盤から逃げが生まれることのない穏やかな展開で幕を上げる。しかしスタートから60kmを消化したところで、強い追い風を受けたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)を擁するモビスターが先頭でペースアップ。この動きに総合を争うクリステン・フォークナー(アメリカ、ジェイコ・アルウラー)やマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJ・スエズ)が早くも遅れを喫した。
その後モビスターから集団牽引を引き継いだユンボ・ヴィスマやチームDSM、SDワークスがハイペースで牽引し、残り48km地点で強風により集団はさらに細分化されていく。ここでは同じく総合上位を狙うシルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)が犠牲となり、トレック・セガフレードはアマンダ・スプラット(オーストラリア)を含むメンバー全員が脱落。先に遅れたカヴァッリのいる集団に合流したスプラットたちは必死に追走したものの、フィニッシュに向けスピードを増していく先頭集団に最後まで追いつくことはできなかった。
残り21.2km地点に設定された中間スプリントでは最大-6秒のボーナスタイムを獲得すべく、ユンボ・ヴィスマが組織的に動く。リーアンヌ・マルクスのリードアウトからマイヨロホを着るマリアンヌ・フォス(共にオランダ)がトップ通過し、マルクスも2位通過でライバルのボーナスタイム獲得を阻止。ユンボはマイヨロホの保持を大きく引き寄せることに成功した。
その直後に襲った横風により先頭集団は再度分裂する。そして前日勝者のシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)やフォス、総合を争うファンフルーテンやデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)を含む29名がラ・ローダの市街地に突入。強風に耐え続けたスプリンターたちによるスピードバトルが幕開けた。
残り1kmバナーを過ぎて先頭に立ったのはカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)。しかしその後ろに前日3位のクロエ・ダイガート(アメリカ)の姿はなく、残り200mでエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)が加速し、同じタイミングでフォスとコールも腰を上げる。
ノルスゴーのスピードが伸び悩むなかコールとフォスが横並びに。集団後方からのスプリントを強いられたダイガートの猛追は届かず、最高速度でコールを上回ったフォスが先着。前日のリベンジを達成すると共に、意外にも自身初となるブエルタ区間優勝を掴み取った。
「前日に惜しくも敗れていたので、今日は何としても勝ちたかった。レース序盤は静かでリラックスすることができたのだが、突然スピードが上がってエシュロン(横風分断)が発生。しかしチームは常に私を守ってれた」とレースを振り返るフォス。「女子ワールドツアー史上最も速く感じられたレースだった」と言う通り、この日は平均時速45.6kmのハイスピードレースとなった。
一方のコールは「チーム一丸となり、私と総合を狙うジュリエット(ラブー)が先頭集団でフィニッシュすることができた。これ以上何を望めるだろうか。だけど、もちろん勝利を目の前で逃したので悔しい」と語っている。
翌日は残り15.5km地点から3級山岳(距離3km/平均4.6%)が設定された丘陵ステージ。それ以外にもカテゴリーのつかない丘が登場するため、総合を狙う選手たちによるアタックが予想される。
カテゴリー山岳が登場せず、総獲得標高差800mに満たない平坦コースで争われたラ・ブエルタ・フェメニーナ(UCIワールドツアー)第3ステージ。しかしエルチェ・デ・ラ・シエラからラ・ローダに向かう157.8kmの道のりで、幾度となく集団を襲った強風がサバイバルな展開を作り出した。
今大会最長距離のこの日は、序盤から逃げが生まれることのない穏やかな展開で幕を上げる。しかしスタートから60kmを消化したところで、強い追い風を受けたアネミエク・ファンフルーテン(オランダ)を擁するモビスターが先頭でペースアップ。この動きに総合を争うクリステン・フォークナー(アメリカ、ジェイコ・アルウラー)やマルタ・カヴァッリ(イタリア、FDJ・スエズ)が早くも遅れを喫した。
その後モビスターから集団牽引を引き継いだユンボ・ヴィスマやチームDSM、SDワークスがハイペースで牽引し、残り48km地点で強風により集団はさらに細分化されていく。ここでは同じく総合上位を狙うシルヴィア・ペルシコ(イタリア、UAEチームADQ)が犠牲となり、トレック・セガフレードはアマンダ・スプラット(オーストラリア)を含むメンバー全員が脱落。先に遅れたカヴァッリのいる集団に合流したスプラットたちは必死に追走したものの、フィニッシュに向けスピードを増していく先頭集団に最後まで追いつくことはできなかった。
残り21.2km地点に設定された中間スプリントでは最大-6秒のボーナスタイムを獲得すべく、ユンボ・ヴィスマが組織的に動く。リーアンヌ・マルクスのリードアウトからマイヨロホを着るマリアンヌ・フォス(共にオランダ)がトップ通過し、マルクスも2位通過でライバルのボーナスタイム獲得を阻止。ユンボはマイヨロホの保持を大きく引き寄せることに成功した。
その直後に襲った横風により先頭集団は再度分裂する。そして前日勝者のシャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM)やフォス、総合を争うファンフルーテンやデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)を含む29名がラ・ローダの市街地に突入。強風に耐え続けたスプリンターたちによるスピードバトルが幕開けた。
残り1kmバナーを過ぎて先頭に立ったのはカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)。しかしその後ろに前日3位のクロエ・ダイガート(アメリカ)の姿はなく、残り200mでエマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター)が加速し、同じタイミングでフォスとコールも腰を上げる。
ノルスゴーのスピードが伸び悩むなかコールとフォスが横並びに。集団後方からのスプリントを強いられたダイガートの猛追は届かず、最高速度でコールを上回ったフォスが先着。前日のリベンジを達成すると共に、意外にも自身初となるブエルタ区間優勝を掴み取った。
「前日に惜しくも敗れていたので、今日は何としても勝ちたかった。レース序盤は静かでリラックスすることができたのだが、突然スピードが上がってエシュロン(横風分断)が発生。しかしチームは常に私を守ってれた」とレースを振り返るフォス。「女子ワールドツアー史上最も速く感じられたレースだった」と言う通り、この日は平均時速45.6kmのハイスピードレースとなった。
一方のコールは「チーム一丸となり、私と総合を狙うジュリエット(ラブー)が先頭集団でフィニッシュすることができた。これ以上何を望めるだろうか。だけど、もちろん勝利を目の前で逃したので悔しい」と語っている。
翌日は残り15.5km地点から3級山岳(距離3km/平均4.6%)が設定された丘陵ステージ。それ以外にもカテゴリーのつかない丘が登場するため、総合を狙う選手たちによるアタックが予想される。
ラ・ブエルタ・フェメニーナ2023第3ステージ
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 3:27:38 |
2位 | シャーロッテ・コール(オランダ、チームDSM) | |
3位 | クロエ・ダイガート(アメリカ、キャニオン・スラム) | |
4位 | クララ・コッポニ(フランス、FDJ・スエズ) | |
5位 | エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) | |
6位 | タマラ・ドロノワバラボリナ(ロシア、イスラエル・プレミアテック・ローランド) | |
7位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | |
8位 | アルバ・テルエル(スペイン、ラボラルクタクサ・ファンダシオン・エウスカディ) | |
9位 | デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) | |
10位 | マーレン・ローセル(スイス、SDワークス) |
個人総合成績
1位 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | 6:26:46 |
2位 | クロエ・ダイガート(アメリカ、キャニオン・スラム) | +0:13 |
3位 | リーアンヌ・マルクス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | +0:14 |
4位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) | +0:22 |
5位 | アムベル・クラーク(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
6位 | エリーズ・シャベイ(スイス、キャニオン・スラム) | +0:23 |
7位 | カタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム) | |
8位 | リアヌ・リッパート(ドイツ、モビスター) | +0:32 |
9位 | エマセシル・ノルスゴー(デンマーク、モビスター) | +0:34 |
10位 | アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター) |
その他の特別賞
ポイント賞 | マリアンヌ・フォス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | ジャド・ウィエル(フランス、FDJ・スエズ) |
チーム総合成績 | ユンボ・ヴィスマ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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