リエージュ〜バストーニュ〜リエージュで2連覇を達成したエヴェネプールは「作戦を完璧に遂行できた」と喜び、女子レースを制したフォレリングは「全員からマークされる中での勝利は成長の証」と涙を流した。男女リエージュで表彰台に上がった選手たちのコメントを紹介します。



男子優勝 レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)

ピドコックを振り切り、単独となったレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:A.S.O.

チームによる素晴らしい走りに感謝している。作戦を遂行し、完璧な展開に持ち込むことがができた。もちろん決して楽なレースではないなか、僕らはスタートからコート・ド・ラ・ルドゥットまで集団をコントロールした。その麓からイラン(ファンウィルデル)が厳しいペースを作り、そこから僕がアタックすれば皆ついてこれないだろうと思っていた。

ピドコックに追いつかれたものの、すぐに引き離してプラン通りの展開に持ち込んだ。雨で濡れた路面は滑りやすかったが、冷静さを保ち、集中力を高めて危険な区間をクリアした。

リエージュ2連覇を達成したレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

ジロ・デ・イタリアに向けて大きな弾みとなる勝利。直近まで行った高地トレーニングは成功し、この勝利がコンデイションの良さを証明してくれた。またチームと何か特別なことをしたいと思い、着用したビブショーツまで白いアルカンシェルで勝つことができて嬉しいよ。

これで壁に飾る最高の一枚ができた。チームとしても大きいこの勝利を皆で祝い、その後は回復に務め、次なる目標の準備に入る。

2位 トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)

ブイトラゴとの2位争いを制したトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) photo:CorVos

もちろん今日は厳しく、近頃のレースに楽な展開などない。(エヴェネプールがアタックした)コート・ド・ラ・ルドゥットでは自分の力を考え、下りで追いつくことができると思っていた。だが次の登りで脚に限界がきてしまった。

そこで「一か八か全力でついていく」か、あるいは「力をセーブして2位を目指す」か選択に迫られた。結果的に2位という順位を得たので、その選択は間違っていなかったみたいだ。

―2位という結果は悔しいか、それとも満足か?

いまの気持ち?凍えるぐらい寒い(笑)。僕の目標は優勝だったが、今日のレムコ(エヴェネプール)は強かった。しかし、モニュメントで初めての表彰台だ。悔しさと同時に嬉しさも感じている。

―先頭をエヴェネプールと2人で走ってみてどうだった?

単純に辛かった。先頭交代を求められたが断った。そうしたら彼はフルガスでアタックし、引き離された。体調不良という不運に見舞われた昨年と比べれば、未来に繋がるポジティブな結果だ。

3位 サンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス)

リエージュ〜バストーニュ〜リエージュの表彰台に上がったサンティアゴ・ブイトラゴ(コロンビア、バーレーン・ヴィクトリアス) photo:CorVos

ピドコックの方がスプリントに長けていることは分かっていた。だがそれでも挑みたかった。スプリントを開始するのが早すぎたみたいで、ツアー・オブ・ジ・アルプスの疲労と、このタフなレース展開も相まって、残り300mからの全力疾走は永遠に感じられるほど長かった。だがモニュメントで初めての表彰台だ。この結果に僕自身も驚いているし、とても嬉しいよ。



女子優勝 デミ・フォレリング(オランダ、SDワークス)

マッチスプリントを制したデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) photo:CorVos

このリエージュがアルデンヌクラシックの中で最も勝つことが難しいレースだった。なぜなら自分で自分にプレッシャーをかけていたから。だから昨夜は緊張でほとんど眠ることができなかった。今日のレースを勝ち、どうしても丘のレースでハットトリック(アルデンヌ完全制覇)を成し遂げたかった。この機会は毎年訪れるようなものではないのだからね。

今日のレースでは皆が私に対して攻撃を仕掛けようとしていた。昨年はそんな状況に上手く対処できなかったが、進化した私には関係なかった。もちろんそれは最強と言えるチームメイトのおかげでもある。チーム全員が私を信頼してくれ、だからこそ勝利でその走りに報いたかった。

アルデンヌ完全制覇を果たし、表彰式で涙するデミ・フォレリング(オランダ、SDワークス) photo:CorVos

この後はツール・ド・フランス・ファム(7月23日〜)に向けて高地トレーニングに入る。この春に掴んだ結果は、ツールに向けた大きなモチベーションとなる。

2位 エリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード)

マッチスプリントで敗れたエリーザ・ロンゴボルギーニ(イタリア、トレック・セガフレード) photo:A.S.O.

私にとっても、またチームにとっても良い結果となった。フォレリングが加速し、私は自分のペースを保つことに専念した。最終的にはスプリント勝負に持ち込まれ、その結果にはもちろん満足していない。だが彼女は強かった。心から祝福したい。

残り150mからスプリントを開始し、右側から風が吹いていたので彼女は風を受けながら(フェンスとは逆側から)スプリントをしなければならなかった。しかし彼女はそんなことも関係ないほど速かった。またスプリント勝負になったときに備え、スプリントの練習を積んでおきたい。

3位 マーレン・ローセル(スイス、SDワークス)

逃げに入り、吸収後3位に入ったマーレン・ローセル(スイス、SDワークス) photo:CorVos

今週はあまりコンデイションが良くなかったこともあり、脚の状態が心配だった。だから5名の逃げグループに入り、徐々に状態が上向いているのを感じて驚いた。そしてルドゥットで単独になり、そのままフィニッシュするには残り距離がありすぎると感じていた。

幸運にもデミ(フォレリング)が追いつき、1位と3位はチームとして完璧な結果ということができる。

text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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