2023/04/17(月) - 08:30
4月16日に開催された第57回アムステルゴールドレース。自ら精鋭集団を作り、残り28kmで抜け出したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が勝利。自身2度目の出場で今季2つ目のクラシックタイトルを手に入れた。
パリ〜ルーベをもって石畳クラシックが終わり、春のクラシックシーズンは起伏の激しいアルデンヌクラシックに突入。その初戦となるアムステルゴールドレースが4月16日(日)にオランダ南部の丘陵地帯で行われた。本大会は今年で第57回と歴史こそ浅いものの、「1000のカーブ」と形容される連続するコーナーと、33箇所の急坂が白熱した戦いを演出。オランダ最大のワンデーレースだ。
スタート地点であるマーストリヒトの天候は気温9度の曇り空。序盤から20歳のマティアス・ヴァチェク(チェコ、トレック・セガフレード)ら若手選手を中心とした7名の先行し、この逃げグループをタデイ・ポガチャル(スロベニア)を擁するUAEチームエミレーツやAG2Rシトロエンが追う展開に。逃げ集団は5分以上のリードは得られず、残り100kmを残して早々とプロトンに引き戻された。
幅の狭いコースと連続するアップダウン。マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)の尽力もあって16名が先頭集団を形成する。そこには優勝候補筆頭のポガチャルやトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)らが入った一方で、ティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)は遅れを取った。
早くも形成されたこの精鋭グループにグルパマFDJは3人(パシェ、ファンデンベルフ、ゲニエッツ)を送り込み、ピドコックに対してはマグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)がアシスト。単騎となったポガチャルだったが、この日2度登坂するフィニッシュ手前の「No.21 カウベルグ(距離0.6km/平均8.3%)」で加速。人数を絞り込むまでには至らなかったものの、アシストがおらずとも積極的な姿勢を見せつけた。
選手を送り込めなかったバーレーン・ヴィクトリアスが追いかけるプロトンでは、残り52km地点で9名の集団落車が発生する。これには今季クラシックで不調のスーダル・クイックステップからレミ・カヴァニャ(フランス)とドリース・デヴェナインス(ベルギー)が巻き込まれ、優勝候補にも挙げられたニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)も落車。パウレスはその後バイクに戻ったものの、途中でレースを去っている。
幅の狭いコースと連続するアップダウン、突然現れる風区間に先頭集団は一人、また一人と減っていく。10名まで減る中では「No.27 クライスベルグ(残り40.2km)」の麓でポガチャルがパンクするシーンも。しかしポガチャルは登坂区間で造作もなく追いつき、直後の「No.28 アイセルボス」で加速。ピドコックとベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)以外のライバルたちを振り落とした。
プロトンからはベノートやバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)が追走を目指したものの協調が取れず、またトレンティンが飛び出す選手をマークして潰す好走を披露。その間接的なアシストを受けたポガチャルは、ピドコックとヒーリーとローテーションを組みながら順調に残り距離を消化していった。
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)とアンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)の2人が一時は6秒までその差を詰めたものの、合流には至らない。そしてレース先頭を行く3名から、「No.30 クーテンベルグ(残り28.4km地点)」でポガチャルが再びアタックした。
するとヒーリーが遅れ、粘ったピドコックもシッティングのまま踏み続けるポガチャルに千切られる。直後の平坦区間でなおも加速し、ピドコックとヒーリーに15秒差をつけたポガチャルは、ルツェンコ・グループに45秒、ベノートたちに1分44秒差のリードを得てフィニッシュを目指した。
大観衆が詰めかける最終登坂「No.33 ベメレルベルグ」を単独先頭でクリアしたポガチャルが、そのままアルデンヌクラシックの初戦「アムステルゴールドレース」を初制覇。2017年のフィリップ・ジルベール(ベルギー)以来、史上4人目となるロンド・ファン・フラーンデレンとの同年優勝を達成した。
6時間に及ぶレースで圧巻の独走勝利を決めたポガチャル。「実はしばらくパンクしたまま走っていたんだ。でもチームカーがすぐに来ず、その瞬間はナーバスになったものの、登坂区間の麓でバイク交換することができた。そして最後はペダルを力いっぱいに踏み込み、単独でフィニッシュにたどり着くことができた」と、笑顔ながらも珍しく疲れた表情のポガチャルはそうレースを振り返った。
2位には「No.32 グールヘンメルベルグ」の登坂でピドコックを引き離したヒーリーが入り、22歳の若きクライマーがその名をアピール。3位にはクロンとルツェンコをなんとか振り切ったピドコックが先着し、表彰台に上がっている。
パリ〜ルーベをもって石畳クラシックが終わり、春のクラシックシーズンは起伏の激しいアルデンヌクラシックに突入。その初戦となるアムステルゴールドレースが4月16日(日)にオランダ南部の丘陵地帯で行われた。本大会は今年で第57回と歴史こそ浅いものの、「1000のカーブ」と形容される連続するコーナーと、33箇所の急坂が白熱した戦いを演出。オランダ最大のワンデーレースだ。
スタート地点であるマーストリヒトの天候は気温9度の曇り空。序盤から20歳のマティアス・ヴァチェク(チェコ、トレック・セガフレード)ら若手選手を中心とした7名の先行し、この逃げグループをタデイ・ポガチャル(スロベニア)を擁するUAEチームエミレーツやAG2Rシトロエンが追う展開に。逃げ集団は5分以上のリードは得られず、残り100kmを残して早々とプロトンに引き戻された。
幅の狭いコースと連続するアップダウン。マッテオ・トレンティン(イタリア、UAEチームエミレーツ)の尽力もあって16名が先頭集団を形成する。そこには優勝候補筆頭のポガチャルやトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)、アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)らが入った一方で、ティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)は遅れを取った。
早くも形成されたこの精鋭グループにグルパマFDJは3人(パシェ、ファンデンベルフ、ゲニエッツ)を送り込み、ピドコックに対してはマグナス・シェフィールド(アメリカ、イネオス・グレナディアーズ)がアシスト。単騎となったポガチャルだったが、この日2度登坂するフィニッシュ手前の「No.21 カウベルグ(距離0.6km/平均8.3%)」で加速。人数を絞り込むまでには至らなかったものの、アシストがおらずとも積極的な姿勢を見せつけた。
選手を送り込めなかったバーレーン・ヴィクトリアスが追いかけるプロトンでは、残り52km地点で9名の集団落車が発生する。これには今季クラシックで不調のスーダル・クイックステップからレミ・カヴァニャ(フランス)とドリース・デヴェナインス(ベルギー)が巻き込まれ、優勝候補にも挙げられたニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)も落車。パウレスはその後バイクに戻ったものの、途中でレースを去っている。
幅の狭いコースと連続するアップダウン、突然現れる風区間に先頭集団は一人、また一人と減っていく。10名まで減る中では「No.27 クライスベルグ(残り40.2km)」の麓でポガチャルがパンクするシーンも。しかしポガチャルは登坂区間で造作もなく追いつき、直後の「No.28 アイセルボス」で加速。ピドコックとベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト)以外のライバルたちを振り落とした。
プロトンからはベノートやバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)が追走を目指したものの協調が取れず、またトレンティンが飛び出す選手をマークして潰す好走を披露。その間接的なアシストを受けたポガチャルは、ピドコックとヒーリーとローテーションを組みながら順調に残り距離を消化していった。
アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン)とアンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー)の2人が一時は6秒までその差を詰めたものの、合流には至らない。そしてレース先頭を行く3名から、「No.30 クーテンベルグ(残り28.4km地点)」でポガチャルが再びアタックした。
するとヒーリーが遅れ、粘ったピドコックもシッティングのまま踏み続けるポガチャルに千切られる。直後の平坦区間でなおも加速し、ピドコックとヒーリーに15秒差をつけたポガチャルは、ルツェンコ・グループに45秒、ベノートたちに1分44秒差のリードを得てフィニッシュを目指した。
大観衆が詰めかける最終登坂「No.33 ベメレルベルグ」を単独先頭でクリアしたポガチャルが、そのままアルデンヌクラシックの初戦「アムステルゴールドレース」を初制覇。2017年のフィリップ・ジルベール(ベルギー)以来、史上4人目となるロンド・ファン・フラーンデレンとの同年優勝を達成した。
6時間に及ぶレースで圧巻の独走勝利を決めたポガチャル。「実はしばらくパンクしたまま走っていたんだ。でもチームカーがすぐに来ず、その瞬間はナーバスになったものの、登坂区間の麓でバイク交換することができた。そして最後はペダルを力いっぱいに踏み込み、単独でフィニッシュにたどり着くことができた」と、笑顔ながらも珍しく疲れた表情のポガチャルはそうレースを振り返った。
2位には「No.32 グールヘンメルベルグ」の登坂でピドコックを引き離したヒーリーが入り、22歳の若きクライマーがその名をアピール。3位にはクロンとルツェンコをなんとか振り切ったピドコックが先着し、表彰台に上がっている。
アムステルゴールドレース2023結果
1位 | タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ) | 6:02:02 |
2位 | ベン・ヒーリー(アイルランド、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:38 |
3位 | トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +2:14 |
4位 | アンドレアス・クロン(デンマーク、ロット・デスティニー) | |
5位 | アレクセイ・ルツェンコ(カザフスタン、アスタナ・カザフスタン) | |
6位 | アンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | +3:14 |
7位 | マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
8位 | マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
9位 | アレクサンダー・カンプ(デンマーク、チューダー・プロサイクリングチーム) | |
10位 | アクセル・ジングレ(フランス、コフィディス) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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