2023/04/16(日) - 18:00
タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)がフル参戦するアルデンヌクラシック3連戦。その初戦であるアムステルゴールドレースが、本日4月16日(日)に開催される。2年連続で写真判定に持ち込まれる激戦必至のレースをプレビューする。
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)によるパリ〜ルーベ独走勝利にて、幕を閉じた石畳クラシック。その興奮も冷めやらぬ4月16日(日)、アルデンヌクラシック3連戦の初戦「アムステルゴールドレース(UCIワールドツアー)」が行われる。
屈強な体躯でバイクを抑え込む石畳とは違い、アルデンヌクラシックと呼ばれるアムステルゴールドレース、ラ・フレーシュ・ワロンヌ(4月19日)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(4月23日)は起伏に富んだコースレイアウト。そのためクラシックレーサーはもちろん、軽量クライマーにもチャンスのあるレースとなっている。
アムステルゴールドレースが行われるのは、国名Nederland(英語ではNetherlands)が「低地の国」を意味するオランダ。しかし本レースの舞台は同国南部に広がる丘陵地帯であり、コース上には33箇所の短い登り(ベルグ)が登場するためその獲得標高差は3,242mに達する。また、ベルギーとドイツに隣接したリンブルフ州を駆け巡る複雑な周回コースは全体的に道幅が狭く、「1000のカーブ」と呼ばれるほどコーナーが連続して登場するのが特徴だ。
ユンボ・ヴィスマのエースを務めるティシュ・ベノート(ベルギー)の言葉を借りるならば、アムステルゴールドレースは「石畳の無いロンド・ファン・フラーンデレン」。更にフランドル地方より登り距離が短いため、いずれも「2分以下」で頂上にたどり着く。そのため、あらゆる脚質の選手にチャンスのあるレースとなっている。
また大会主催者は2年連続で写真判定に持ち込まれ、昨年は一度ブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)に勝利が告げられた反省から、写真判定システムを変更。ツール・ド・フランスでも使用されるスイスのティソから、2015年まで同大会で使用されていたマットスポートに替え、万全の体制を整えた。
マチュー&ワウト不在のアムステルはポガチャルに注目
過去に優勝経験のあるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)はクラシックシーズンを終えたため不在。それにより今年のロンド・ファン・フラーンデレンで3つ目のモニュメント制覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が、その注目を一手に引き受ける。
パリ〜ルーベを「時期尚早」とスキップしたポガチャルはアルデンヌ3連戦全てへの出場を宣言し、ネオプロ時代の2019年以来、4年振り2回目の出場となるアムステルゴールドレースで初優勝を目指す。ちなみにポガチャルは現在まで今季16レースに出場して8勝(総合優勝2回)。つまりここまで5割という驚異的な勝率を誇っている。
その対抗となるのは、2021年大会でワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)に僅差で敗れたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)。3月のストラーデビアンケ初制覇後は落車による脳震盪やロンドでのハンガーノックなど不運が続いたものの、昨年覇者ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド)もいるため下馬評は低くない。
ロンドとパリ〜ルーベは逃したものの、強力なチーム力で春のクラシックシーズンを席巻するユンボ・ヴィスマは前述した通りベノートがエースを務める。また昨年3位で表彰台に上がったベノートには、新加入のアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)という心強い味方もいる。
昨年のジャパンカップを制したニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)も優勝候補の1人に挙げられる。ミラノ〜サンレモを7位、ドワルス・ドール・フラーンデレンを3位、ロンドを5位とキャリアハイの成績を更新し続けるパウレスはアメリカ人初制覇を目指す。
その他にも昨年2位のコスヌフロワやマウロ・シュミット(スイス、スーダル・クイックステップ)、クライマーのダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)とセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)らの走りにも注目だ。
text:Sotaro.Arakawa
マチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)によるパリ〜ルーベ独走勝利にて、幕を閉じた石畳クラシック。その興奮も冷めやらぬ4月16日(日)、アルデンヌクラシック3連戦の初戦「アムステルゴールドレース(UCIワールドツアー)」が行われる。
屈強な体躯でバイクを抑え込む石畳とは違い、アルデンヌクラシックと呼ばれるアムステルゴールドレース、ラ・フレーシュ・ワロンヌ(4月19日)、リエージュ〜バストーニュ〜リエージュ(4月23日)は起伏に富んだコースレイアウト。そのためクラシックレーサーはもちろん、軽量クライマーにもチャンスのあるレースとなっている。
アムステルゴールドレースが行われるのは、国名Nederland(英語ではNetherlands)が「低地の国」を意味するオランダ。しかし本レースの舞台は同国南部に広がる丘陵地帯であり、コース上には33箇所の短い登り(ベルグ)が登場するためその獲得標高差は3,242mに達する。また、ベルギーとドイツに隣接したリンブルフ州を駆け巡る複雑な周回コースは全体的に道幅が狭く、「1000のカーブ」と呼ばれるほどコーナーが連続して登場するのが特徴だ。
ユンボ・ヴィスマのエースを務めるティシュ・ベノート(ベルギー)の言葉を借りるならば、アムステルゴールドレースは「石畳の無いロンド・ファン・フラーンデレン」。更にフランドル地方より登り距離が短いため、いずれも「2分以下」で頂上にたどり着く。そのため、あらゆる脚質の選手にチャンスのあるレースとなっている。
また大会主催者は2年連続で写真判定に持ち込まれ、昨年は一度ブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)に勝利が告げられた反省から、写真判定システムを変更。ツール・ド・フランスでも使用されるスイスのティソから、2015年まで同大会で使用されていたマットスポートに替え、万全の体制を整えた。
マチュー&ワウト不在のアムステルはポガチャルに注目
過去に優勝経験のあるマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)とワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)はクラシックシーズンを終えたため不在。それにより今年のロンド・ファン・フラーンデレンで3つ目のモニュメント制覇を達成したタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が、その注目を一手に引き受ける。
パリ〜ルーベを「時期尚早」とスキップしたポガチャルはアルデンヌ3連戦全てへの出場を宣言し、ネオプロ時代の2019年以来、4年振り2回目の出場となるアムステルゴールドレースで初優勝を目指す。ちなみにポガチャルは現在まで今季16レースに出場して8勝(総合優勝2回)。つまりここまで5割という驚異的な勝率を誇っている。
その対抗となるのは、2021年大会でワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)に僅差で敗れたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)。3月のストラーデビアンケ初制覇後は落車による脳震盪やロンドでのハンガーノックなど不運が続いたものの、昨年覇者ミハウ・クフィアトコフスキ(ポーランド)もいるため下馬評は低くない。
ロンドとパリ〜ルーベは逃したものの、強力なチーム力で春のクラシックシーズンを席巻するユンボ・ヴィスマは前述した通りベノートがエースを務める。また昨年3位で表彰台に上がったベノートには、新加入のアッティラ・ヴァルテル(ハンガリー)という心強い味方もいる。
昨年のジャパンカップを制したニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)も優勝候補の1人に挙げられる。ミラノ〜サンレモを7位、ドワルス・ドール・フラーンデレンを3位、ロンドを5位とキャリアハイの成績を更新し続けるパウレスはアメリカ人初制覇を目指す。
その他にも昨年2位のコスヌフロワやマウロ・シュミット(スイス、スーダル・クイックステップ)、クライマーのダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)とセルヒオ・イギータ(コロンビア、ボーラ・ハンスグローエ)らの走りにも注目だ。
text:Sotaro.Arakawa
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