2023/03/30(木) - 09:30
ロンドに向けた最後の前哨戦、ドワーズ・ドール・フラーンデレンをユンボ・ヴィスマが制圧。3日前にヘントを優勝したクリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)が独走勝利を飾った。
ロンド・ファン・フラーンデレンを4日後に控えた3月29日(水)、19箇所の急坂と石畳を駆け抜けるドワーズ・ドール・フラーンデレン(UCIワールドツアー)が開催された。
ベルギー北西部フランドル地方のローセラーレからワレヘムを経由し、ベルジャンクラシックでお馴染み「ターイェンベルグ」や「ノケルベルグ」といった石畳の急坂をクリア。再びワレヘムに戻ってくる183.7kmは、昨年そのどちらも制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)のように、ロンドに向かう選手たちにとって最後の予行練習となる。
そのディフェンディング王者ファンデルプールやワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)というビッグスリーはスキップしたものの、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)をはじめとしたトップスプリンターが多数集結。ユンボは3日前のヘント〜ウェヴェルヘムを制したクリストフ・ラポルト(フランス)をエースに据え、脳震盪で戦線離脱をしていたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がロンドに向け実戦復帰している。
ヘントで降った雨が鳴りを潜めたこの日は、序盤からアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)が逃げを打つ。タイムトライアル用のエアロヘルメットを着用するクリストフは5名の逃げグループを形成し、それをマッズ・ピーダスン(デンマーク)で勝負したいトレック・セガフレードがメイン集団先頭で追いかけた。
レースが動き出したのはロンドにも登場するベルグ・テン・ホーテ(登坂距離1.1km/平均6%/最大21%)。昨年、勝利に繋がる動きが生まれたこの登坂でジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)がプロトンから加速したものの、チェーンが落ちる不運。また集団内にいたティム・メルリール(ベルギー)は落車して途中棄権するという、春のクラシックで不調のクイックステップに災難が襲った。
反対にこの春絶好調のユンボは、残り66kmからティシュ・ベノート (ベルギー)がアタック。この加速には今季シングルリザルトを連発する好調のニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)らが追従し、8名の第2集団が出来上がる。ここにはラポルトやシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)が入った一方で、トレックやクイックステップ、ロット・デスティニーなどが遅れをとった。
第2集団(8名)
クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
ティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)
ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)
ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)
第2集団がプロトンとの差を30秒と保つなか、先頭集団からは選手たちが続々と遅れ、最後まで粘ったクリストフと23歳のオイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター)も残り6kmで吸収。今年クイックステップからEFに移ったミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク)による仕掛けはベノートに潰され、残り4kmを示すバナーをくぐった直後にラポルトがアタックした。
逃げから遅れてきたクリストフを除けば集団内で随一のスプリント力を有するラポルトの虚を突く飛び出しに、残された選手たちの追走態勢は整わない。そしてラスカノとパウレスの2人追走も振り切ったラポルトが、そのまま先頭でフィニッシュラインを通過。オンループ・ヘットニュースブラッド、E3サクソ・クラシック、ヘント〜ウェヴェルヘムを制したユンボ・ヴィスマが、ワールドツアーの石畳クラシック全勝キープに成功した。
「信じられない勝利。チームにとって今日は再び最高の日となった。全員が素晴らしい走りを見せ、特にティシュ(ベノート)のアタックによって先頭集団が形成された。チーム最大の目標であるロンドとパリ〜ルーベに向け、良いコンディションを保てている 」と、ヘントに続く石畳での勝利をラポルトはそう喜んだ。
2位には序盤から逃げ、先鋭集団による吸収後も積極的な走りを見せたラスカノが入り、共に終盤に飛び出したパウレスが3位。メイン集団が追いつき、集団スプリントに持ち込まれた先頭はフィリプセンが先着している。
ロンド・ファン・フラーンデレンを4日後に控えた3月29日(水)、19箇所の急坂と石畳を駆け抜けるドワーズ・ドール・フラーンデレン(UCIワールドツアー)が開催された。
ベルギー北西部フランドル地方のローセラーレからワレヘムを経由し、ベルジャンクラシックでお馴染み「ターイェンベルグ」や「ノケルベルグ」といった石畳の急坂をクリア。再びワレヘムに戻ってくる183.7kmは、昨年そのどちらも制したマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)のように、ロンドに向かう選手たちにとって最後の予行練習となる。
そのディフェンディング王者ファンデルプールやワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)、タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)というビッグスリーはスキップしたものの、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)をはじめとしたトップスプリンターが多数集結。ユンボは3日前のヘント〜ウェヴェルヘムを制したクリストフ・ラポルト(フランス)をエースに据え、脳震盪で戦線離脱をしていたトーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がロンドに向け実戦復帰している。
ヘントで降った雨が鳴りを潜めたこの日は、序盤からアレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)が逃げを打つ。タイムトライアル用のエアロヘルメットを着用するクリストフは5名の逃げグループを形成し、それをマッズ・ピーダスン(デンマーク)で勝負したいトレック・セガフレードがメイン集団先頭で追いかけた。
レースが動き出したのはロンドにも登場するベルグ・テン・ホーテ(登坂距離1.1km/平均6%/最大21%)。昨年、勝利に繋がる動きが生まれたこの登坂でジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)がプロトンから加速したものの、チェーンが落ちる不運。また集団内にいたティム・メルリール(ベルギー)は落車して途中棄権するという、春のクラシックで不調のクイックステップに災難が襲った。
反対にこの春絶好調のユンボは、残り66kmからティシュ・ベノート (ベルギー)がアタック。この加速には今季シングルリザルトを連発する好調のニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)らが追従し、8名の第2集団が出来上がる。ここにはラポルトやシュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)が入った一方で、トレックやクイックステップ、ロット・デスティニーなどが遅れをとった。
第2集団(8名)
クインテン・ヘルマンス(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)
ティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)
クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ)
ジョナタン・ナルバエス(エクアドル、イネオス・グレナディアーズ)
シュテファン・キュング(スイス、グルパマFDJ)
ヴァランタン・マドゥアス(フランス、グルパマFDJ)
ミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク、EFエデュケーション・イージーポスト)
ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト)
第2集団がプロトンとの差を30秒と保つなか、先頭集団からは選手たちが続々と遅れ、最後まで粘ったクリストフと23歳のオイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター)も残り6kmで吸収。今年クイックステップからEFに移ったミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク)による仕掛けはベノートに潰され、残り4kmを示すバナーをくぐった直後にラポルトがアタックした。
逃げから遅れてきたクリストフを除けば集団内で随一のスプリント力を有するラポルトの虚を突く飛び出しに、残された選手たちの追走態勢は整わない。そしてラスカノとパウレスの2人追走も振り切ったラポルトが、そのまま先頭でフィニッシュラインを通過。オンループ・ヘットニュースブラッド、E3サクソ・クラシック、ヘント〜ウェヴェルヘムを制したユンボ・ヴィスマが、ワールドツアーの石畳クラシック全勝キープに成功した。
「信じられない勝利。チームにとって今日は再び最高の日となった。全員が素晴らしい走りを見せ、特にティシュ(ベノート)のアタックによって先頭集団が形成された。チーム最大の目標であるロンドとパリ〜ルーベに向け、良いコンディションを保てている 」と、ヘントに続く石畳での勝利をラポルトはそう喜んだ。
2位には序盤から逃げ、先鋭集団による吸収後も積極的な走りを見せたラスカノが入り、共に終盤に飛び出したパウレスが3位。メイン集団が追いつき、集団スプリントに持ち込まれた先頭はフィリプセンが先着している。
ドワーズ・ドール・フラーンデレン2023結果
1位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) | 4:06:20 |
2位 | オイエル・ラスカノ(スペイン、モビスター) | +0:15 |
3位 | ニールソン・パウレス(アメリカ、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
4位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
5位 | マッズ・ピーダスン(デンマーク、トレック・セガフレード) | |
6位 | アルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
7位 | ダヴィデ・バッレリーニ(イタリア、スーダル・クイックステップ) | |
8位 | アンドレア・パスクアロン(イタリア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
9位 | ギヨーム・ボワヴァン(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
10位 | ニルス・ポリッツ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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