2023/03/29(水) - 12:19
3月24日(金)に大阪府堺市で日本学生自転車競技連盟主催のセーフティライド研修会「ロードバイク集団走行安全講習会」が開催された。国内外のレースを転戦した元プロロードレーサーの中根英登と渡邉歩が講師を務め、レースを安全に走るための実践的なアドバイスを受けられる機会となった。中根からの発信でその模様を紹介する。
3月24日(金)に大阪府堺市にて開催された日本学生自転車競技連盟主催のセーフティライド研修会「ロードバイク集団走行安全講習会」におきまして、中根英登と渡邉歩が講師を担当しました。
今年から日本学生自転車競技連盟では大会参加にあたり、落車事故等を減らし安全に競技に参加してもらいたい事から講習会への参加を選手に義務付けています。
関東圏では既に何度か開催されていますが西日本地域での開催は今回が初めてということで、日本学生自転車競技連盟からの依頼を受け、講師として日本学生自転車競技連盟に加盟する大学の選手へ講習と実技指導を行いました。
翌25日に全日本学生自転車競技新人戦(トラック)、JBCF主催レース(袋井)が開催されたことから参加者は少数となりましたが、一人一人としっかりコミュニケーションを取る事が出来てとても有意義な講習会となりました。
講習会では2列並走から7つのステップに段階を分けて指導し、最終的には4列並走やレースを想定したローテーション走行の方法まで実施。
元プロロードレーサーとして国内外のレースに参戦してきた中根・渡邉も集団の中に入り、レースにおける集団での走り方を実践的に学生たちへ指導・再確認させていただきました。
中根英登コメント
「私も中京大学時代に学連のレースを走っておりましたが、実際に集団走行をする、特にレースでの集団走行やローテーションなどはぶっつけ本番でした。それでも私は恵まれていた方で、チームユーラシアの橋川さんから学ぶ機会やチームNIPPOの学生選手としてヨーロッパのプロレースを走らせてもらえていたお陰でそれらを実践を通して学べたものの、稀な事例です。
昨今パワーメーターを使ったトレーニング方法を教えることができる専門コーチが日本でも増えてきており誰もが気軽に取り入れられるようになってきておりますが、そのような質の良いトレーニングをしてきた事を発揮するレースの場で、レースを想定した集団走行を学べる場面はシクリズムジャポン・浅田さんが実施されていた以外にはあまり行われていないように感じていました。
そんな中、日本学生自転車競技連盟から西日本の学生向けの集団走行に関する講習会の講師依頼をいただき、レースに参加する学生選手らがより安全に競技を行えるようになればという思いで引き受けさせていただきました。また、東日本で行われている講習会とズレてはならないので浅田さんから資料提供をして頂き参考にさせていただきました。
国内外問わず集団走行に慣れているプロ選手でもトレーニング中・レース中に落車が起きてしまう事がありますが、密集度が物凄く高くアベレージスピードも速い集団で年間に何十とレースを走るプロ選手は頻繁に落車を起こしません。
最低限の体力レベルを備えている事を条件として、プロ・アマ問わず欧州では普段のトレーニングから並列集団走行を経験していることで隣にいる選手・前後斜めに位置する選手との距離感や接触した時の対処方法、コースライン取りを心得ている事は大きな差。日常的に沢山開催されているレースに参戦することで得られる集団走行経験や様々な路面状況での走行に慣れている事もあるかと思います。
一方で日本では学生をはじめとする多くの一般ライダーにおいてレースが毎週のようにある訳ではなく、また国内で並走等の集団走行経験が得られる場が限られている為、集団の密度が高い中で走る・集団内でバイクコントロールをする経験をレース以外でも学ぶ・確認できる環境は必要であると感じております。
例え危険なコースレイアウトや悪天候による様々なネガティブ要素があったとしても、集団での走り方・バイクコントロール技術が備わっていれば大きな事故に繋がってしまうような落車を減らす事は可能です。普段から多少の接触に慣れておくこと、自分の周りにいる選手らの動きを感じ取る事、集団密度が高くなっても自分の走行ラインを守る事を心がけることがレースを走る上でとても大切です。
レース以外で2列以上の集団走行を経験できる場というのは日本ではほとんどありません。今回のような講習会が全国で定期的に開催され、学生だけでなくレースを走るすべての選手たちが集団内での走り方を学べる・確認できる機会を増やして一つでも落車の数が減ってくれればと思います。」
また今回のセーフティライド研修会においてEFエデュケーションジャパンから中根英登特別留学奨学金制度の立ち上げが発表された。これは研修会に参加した大学の部内関係者を対象に、留学を希望する学生が活用できる奨学金制度となる。
「学生のうちに様々な国の文化・語学・スポーツなど実際に自分の目で見て肌で感じて価値観・世界観を広げてほしいという思いをイー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンと相談する中で、今回の奨学金制度の企画が立ち上がりましました。
選手の場合は留学先に欧州を選択することで、特に長期留学として欧州へ留学すれば長期滞在VISA取得のハードルも幾分か下げる事ができ、EFが持つ現地学校に通いながら欧州の自転車ロードレースにも長期間で参戦出来る環境を整えることができます。学校で学びながらレース経験と力を付けるという、海外(欧州)チャレンジの選択肢の一つとして今回の奨学金制度を是非活用して頂けたらと思います。」
※ワールドチームのEFエデュケーション・イージーポストと今回の制度は無関係となります。
text:Itaru Mitsui
photo:日本学生自転車競技連盟&Hideto Nakane
3月24日(金)に大阪府堺市にて開催された日本学生自転車競技連盟主催のセーフティライド研修会「ロードバイク集団走行安全講習会」におきまして、中根英登と渡邉歩が講師を担当しました。
今年から日本学生自転車競技連盟では大会参加にあたり、落車事故等を減らし安全に競技に参加してもらいたい事から講習会への参加を選手に義務付けています。
関東圏では既に何度か開催されていますが西日本地域での開催は今回が初めてということで、日本学生自転車競技連盟からの依頼を受け、講師として日本学生自転車競技連盟に加盟する大学の選手へ講習と実技指導を行いました。
翌25日に全日本学生自転車競技新人戦(トラック)、JBCF主催レース(袋井)が開催されたことから参加者は少数となりましたが、一人一人としっかりコミュニケーションを取る事が出来てとても有意義な講習会となりました。
講習会では2列並走から7つのステップに段階を分けて指導し、最終的には4列並走やレースを想定したローテーション走行の方法まで実施。
元プロロードレーサーとして国内外のレースに参戦してきた中根・渡邉も集団の中に入り、レースにおける集団での走り方を実践的に学生たちへ指導・再確認させていただきました。
中根英登コメント
「私も中京大学時代に学連のレースを走っておりましたが、実際に集団走行をする、特にレースでの集団走行やローテーションなどはぶっつけ本番でした。それでも私は恵まれていた方で、チームユーラシアの橋川さんから学ぶ機会やチームNIPPOの学生選手としてヨーロッパのプロレースを走らせてもらえていたお陰でそれらを実践を通して学べたものの、稀な事例です。
昨今パワーメーターを使ったトレーニング方法を教えることができる専門コーチが日本でも増えてきており誰もが気軽に取り入れられるようになってきておりますが、そのような質の良いトレーニングをしてきた事を発揮するレースの場で、レースを想定した集団走行を学べる場面はシクリズムジャポン・浅田さんが実施されていた以外にはあまり行われていないように感じていました。
そんな中、日本学生自転車競技連盟から西日本の学生向けの集団走行に関する講習会の講師依頼をいただき、レースに参加する学生選手らがより安全に競技を行えるようになればという思いで引き受けさせていただきました。また、東日本で行われている講習会とズレてはならないので浅田さんから資料提供をして頂き参考にさせていただきました。
国内外問わず集団走行に慣れているプロ選手でもトレーニング中・レース中に落車が起きてしまう事がありますが、密集度が物凄く高くアベレージスピードも速い集団で年間に何十とレースを走るプロ選手は頻繁に落車を起こしません。
最低限の体力レベルを備えている事を条件として、プロ・アマ問わず欧州では普段のトレーニングから並列集団走行を経験していることで隣にいる選手・前後斜めに位置する選手との距離感や接触した時の対処方法、コースライン取りを心得ている事は大きな差。日常的に沢山開催されているレースに参戦することで得られる集団走行経験や様々な路面状況での走行に慣れている事もあるかと思います。
一方で日本では学生をはじめとする多くの一般ライダーにおいてレースが毎週のようにある訳ではなく、また国内で並走等の集団走行経験が得られる場が限られている為、集団の密度が高い中で走る・集団内でバイクコントロールをする経験をレース以外でも学ぶ・確認できる環境は必要であると感じております。
例え危険なコースレイアウトや悪天候による様々なネガティブ要素があったとしても、集団での走り方・バイクコントロール技術が備わっていれば大きな事故に繋がってしまうような落車を減らす事は可能です。普段から多少の接触に慣れておくこと、自分の周りにいる選手らの動きを感じ取る事、集団密度が高くなっても自分の走行ラインを守る事を心がけることがレースを走る上でとても大切です。
レース以外で2列以上の集団走行を経験できる場というのは日本ではほとんどありません。今回のような講習会が全国で定期的に開催され、学生だけでなくレースを走るすべての選手たちが集団内での走り方を学べる・確認できる機会を増やして一つでも落車の数が減ってくれればと思います。」
また今回のセーフティライド研修会においてEFエデュケーションジャパンから中根英登特別留学奨学金制度の立ち上げが発表された。これは研修会に参加した大学の部内関係者を対象に、留学を希望する学生が活用できる奨学金制度となる。
「学生のうちに様々な国の文化・語学・スポーツなど実際に自分の目で見て肌で感じて価値観・世界観を広げてほしいという思いをイー・エフ・エデュケーション・ファースト・ジャパンと相談する中で、今回の奨学金制度の企画が立ち上がりましました。
選手の場合は留学先に欧州を選択することで、特に長期留学として欧州へ留学すれば長期滞在VISA取得のハードルも幾分か下げる事ができ、EFが持つ現地学校に通いながら欧州の自転車ロードレースにも長期間で参戦出来る環境を整えることができます。学校で学びながらレース経験と力を付けるという、海外(欧州)チャレンジの選択肢の一つとして今回の奨学金制度を是非活用して頂けたらと思います。」
※ワールドチームのEFエデュケーション・イージーポストと今回の制度は無関係となります。
text:Itaru Mitsui
photo:日本学生自転車競技連盟&Hideto Nakane
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