2023/03/27(月) - 17:30
男子レース同様、雨が落車を誘発したヘント〜ウェヴェルヘム女子レース。SDワークスに勝利をもたらしたのはコペッキーやウィーベスではなく、45kmを独走したマーレン・ローセル(スイス)だった。
ユンボ・ヴィスマがワンツーフィニッシュを飾った男子レースと同日、ウィメンズワールドツアー第9戦となるヘント〜ウェヴェルヘム女子レースが開催された。コースはイーペルをスタートし、後半に7箇所の急坂を越える162.5km。勝負所は男子レースと同じく、前後それぞれ1度ずつ登る最大勾配20%のケンメルベルグで、終盤の34kmの平坦路が各チームの思惑を左右する。
スタート地点である第一次世界大戦で戦死した兵士を弔う戦争記念碑「メニン門」には、SDワークスのロレーナ・ウィーベス(オランダ)とロッタ・コペッキー(ベルギー)という高い勝率を誇る2人が揃い踏み。エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)やマルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)などお馴染みの強豪選手たちが集結した。
先にスタートした男子レース同様この日は雨。3日前のクラシック・ブルッヘ〜デパンヌで横風が選手たちを襲ったモーレンベルグこそ静かに通過したものの、濡れた石畳に序盤から落車が多発する。残り63kmでは優勝候補の一人であるファイファー・ジョルジ(イギリス、チームDSM)が落車に巻き込まれたものの、集団復帰を果たしている。
逃げが決まらないままケンメルベルグに突入し、コペッキーとカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)、アンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)の3名が抜け出す。その後プロトンが散り散りとなったものの、距離を消化していくうちにまとまり、残り45kmで先頭の3名を吸収した。
再びひと塊となったプロトンの先頭でユンボ・ヴィスマがペースを作る最中、何もないアスファルトの直線路で大規模落車が発生する。この落車には集団復帰したジョルジをはじめ、UAEのエースであるバスティアネッリも含まれた。
雨のバッドコンディションによる落車とサバイバルな展開となったレースは、この日最後から2番目の急坂「バネベルグ」でマーレン・ローセル(スイス、SDワークス)がアタックする。落車直後で統制の取れないプロトンを尻目にリードを奪い、プロトンから1分10秒のリードのままケンメルベルグをクリア。独走体勢のまま平坦路を駆け、フィニッシュに向かって突き進んだ。
残り16kmでリードを2分12秒まで拡大したローセルに対し、プロトンからはシャリ・ボサイツ(ベルギー、キャニオン・スラム)の加速をきっかけに7名の追走集団が形成される。そこにはトロフェオ・アルフレッド・ビンダを制したシリン・ファンアンローイ(オランダ、トレック・セガフレード)や2度の落車に巻き込まれたジョルジがジョインした。
しかしスイスTT王者に4度輝き、TT世界選手権や五輪などで何度も表彰台に上がる独走力を披露したローセルとの差は縮まらない。残り5km地点でコースを間違うアクシデントをものともせず、十分なタイム差で独走をキープしたローセルがキャリアハイとなる勝利を掴み取った。
「あれはアタックではなかった」とバネベルグでの加速を振り返ったローセル。「踏み込んだだけなのに後続と差が生まれたので、そのまま一人で行くことにした。一定のペースで踏み続けたら差が拡大し、そこからはフルスピードに切り替えた。仮に私が追いつかれたとしても、プロトンには強力なチームメイトが控えていたからね。全く想定していなかった勝利だが、このチームでなければ45km独走は不可能だった」と、ローセルは喜びを語った。
2分42分遅れでやってきた2位争いは21歳の若手メーガン・ジャストラブ(アメリカ、チームDSM)が先着。3位はマイケ・ファンデルダイン(オランダ、キャニオン・スラム)が入った。
ユンボ・ヴィスマがワンツーフィニッシュを飾った男子レースと同日、ウィメンズワールドツアー第9戦となるヘント〜ウェヴェルヘム女子レースが開催された。コースはイーペルをスタートし、後半に7箇所の急坂を越える162.5km。勝負所は男子レースと同じく、前後それぞれ1度ずつ登る最大勾配20%のケンメルベルグで、終盤の34kmの平坦路が各チームの思惑を左右する。
スタート地点である第一次世界大戦で戦死した兵士を弔う戦争記念碑「メニン門」には、SDワークスのロレーナ・ウィーベス(オランダ)とロッタ・コペッキー(ベルギー)という高い勝率を誇る2人が揃い踏み。エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)やマルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ)などお馴染みの強豪選手たちが集結した。
先にスタートした男子レース同様この日は雨。3日前のクラシック・ブルッヘ〜デパンヌで横風が選手たちを襲ったモーレンベルグこそ静かに通過したものの、濡れた石畳に序盤から落車が多発する。残り63kmでは優勝候補の一人であるファイファー・ジョルジ(イギリス、チームDSM)が落車に巻き込まれたものの、集団復帰を果たしている。
逃げが決まらないままケンメルベルグに突入し、コペッキーとカタジナ・ニエウィアドマ(ポーランド、キャニオン・スラム)、アンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)の3名が抜け出す。その後プロトンが散り散りとなったものの、距離を消化していくうちにまとまり、残り45kmで先頭の3名を吸収した。
再びひと塊となったプロトンの先頭でユンボ・ヴィスマがペースを作る最中、何もないアスファルトの直線路で大規模落車が発生する。この落車には集団復帰したジョルジをはじめ、UAEのエースであるバスティアネッリも含まれた。
雨のバッドコンディションによる落車とサバイバルな展開となったレースは、この日最後から2番目の急坂「バネベルグ」でマーレン・ローセル(スイス、SDワークス)がアタックする。落車直後で統制の取れないプロトンを尻目にリードを奪い、プロトンから1分10秒のリードのままケンメルベルグをクリア。独走体勢のまま平坦路を駆け、フィニッシュに向かって突き進んだ。
残り16kmでリードを2分12秒まで拡大したローセルに対し、プロトンからはシャリ・ボサイツ(ベルギー、キャニオン・スラム)の加速をきっかけに7名の追走集団が形成される。そこにはトロフェオ・アルフレッド・ビンダを制したシリン・ファンアンローイ(オランダ、トレック・セガフレード)や2度の落車に巻き込まれたジョルジがジョインした。
しかしスイスTT王者に4度輝き、TT世界選手権や五輪などで何度も表彰台に上がる独走力を披露したローセルとの差は縮まらない。残り5km地点でコースを間違うアクシデントをものともせず、十分なタイム差で独走をキープしたローセルがキャリアハイとなる勝利を掴み取った。
「あれはアタックではなかった」とバネベルグでの加速を振り返ったローセル。「踏み込んだだけなのに後続と差が生まれたので、そのまま一人で行くことにした。一定のペースで踏み続けたら差が拡大し、そこからはフルスピードに切り替えた。仮に私が追いつかれたとしても、プロトンには強力なチームメイトが控えていたからね。全く想定していなかった勝利だが、このチームでなければ45km独走は不可能だった」と、ローセルは喜びを語った。
2分42分遅れでやってきた2位争いは21歳の若手メーガン・ジャストラブ(アメリカ、チームDSM)が先着。3位はマイケ・ファンデルダイン(オランダ、キャニオン・スラム)が入った。
ヘント〜ウェヴェルヘム女子レース2023結果
1位 | マーレン・ローセル(スイス、SDワークス) | 4:16:47 |
2位 | メーガン・ジャストラブ(アメリカ、チームDSM) | +2:42 |
3位 | マイケ・ファンデルダイン(オランダ、キャニオン・スラム) | |
4位 | カーリーン・スウィンケルス(オランダ、ユンボ・ヴィスマ) | |
5位 | クリスティーナ・シュヴァインバーガー(オーストリア、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
6位 | マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ) | |
7位 | エリノア・バーカー(イギリス、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | |
8位 | クララ・コッポニ(フランス、FDJ・スエズ) | |
9位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) | |
10位 | シャリ・ボサイツ(ベルギー、キャニオン・スラム) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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