2023/03/23(木) - 14:00
3日連続でレムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)と総合首位ログリッチの争いとなった第102回ボルタ・ア・カタルーニャ。残り200mでアタックしたエヴェネプールが勝利し、総合タイム差をゼロに戻した。
大会初日から総合勢による争いが繰り広げられている第102回ボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)。その第3ステージはオロストから1級と超級山岳を越え、1級山岳ラ・モリーナ(距離11.6km/平均4.3%)にフィニッシュする180.6km。獲得標高差が4,000mに迫る山岳ステージで3日連続となる総合争いが繰り広げられた。
2日連続で過酷な山岳ステージとなったこの日は、東京五輪の金メダリストであるリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が序盤から飛び出した。前日の最終山岳で早々と集団から遅れ、区間優勝に目標を切り替えたカラパスは、ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)やイタリア王者フィリッポ・ザナ(ジェイコ・アルウラー)と7名の逃げグループを形成した。
この強力な7名に対し、メイン集団ではリーダーチームのユンボ・ヴィスマではなくスーダル・クイックステップが牽引を担当。初日を2位、2日目は3位と勝利を目前で逃しているレムコ・エヴェネプール(ベルギー)のために、逃げに対し5分以上のリードを許さなかった。
前日も逃げに入ったシモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が最初の3級山岳を先頭通過し、続く超級山岳はマルタンが頂上に先着して26ポイントを加算する。マルタンらのペースに遅れたペティッリだったが、粘りを見せ4位通過で14ポイントを獲得。前日に叶わなかった山岳賞ジャージの着用に成功している。
そしていよいよ1級山岳ラ・モリーナ(距離11.6km/平均4.3%)に突入すると、3名となった逃げグループからカラパスが加速。マルタンを置き去りにしたカラパスだったがマキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)に追いつかれ、2人はハイペースで牽くクイックステップに残り8.5km地点で吸収された。
そしてイラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)の高速牽引によって一列棒状となった集団から、頂上まで4.6kmを残しエヴェネプールがアタックする。アルカンシエルではなく白地のヤングライダー賞ジャージを着るエヴェネプールの加速には、唯一総合リーダーのログリッチだけが反応。後方では総合5位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)のためアダム・イェーツ(イギリス)が先頭で追走したものの、その差は15秒まで一気に拡大した。
エヴェネプール先頭固定のままフィニッシュに突き進む2名に対し、マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)が単独で飛び出したものの合流は叶わず。そしてチーム一丸となって厳しいレース展開に持ち込んだエヴェネプールが、加速を繰り返してログリッチを引き離すことに成功。大会初日にログリッチ、2日目はチッコーネの勝利を目前で見たエヴェネプールが3日目の勝者に輝いた。
「この勝利が嬉しいと同時に、素晴らしい走りを見せてくれたチームメイトを誇りに思う。一日を通して完璧な走りによって僕を勝利へと導いてくれた。この勝利によって彼らの頑張りに報いることができ、本当に嬉しいよ」と喜ぶエヴェネプール。また、「脚の調子はよく、最終コーナーを先頭で突入することを意識していた。明日以降のレースへのモチベーションに繋がる勝利だ」とレースを振り返った。
そしてリーダージャージはその差を2秒と最小限に留めたログリッチがキープ。しかしボーナスタイム(エヴェネプール-10秒、ログリッチ-6秒)が加算されたことにより、両者のタイム差はゼロとなった。
敗れながらも総合首位を守ったログリッチは「今日のレムコは強く、勝利にふさわしい走りだった。今日の僕は絶好調ではなかったものの、何とか彼に食らいつくことができた。また怪我からの復帰途上であることも頭に入れておかなければならない。そうすればどんな結果だって喜ぶことができるからね。明日からも全力を尽くすだけだ」とコメントしている。
翌日の大会4日目は、逃げ切りや集団スプリントが予想される丘陵ステージ。序盤に1級を越えてその後2つの3級山岳をクリアするものの、フィニッシュまで約30kmは平坦路のため、厳しい山岳が続いた総合上位勢にとっては休息の一日となりそうだ。
大会初日から総合勢による争いが繰り広げられている第102回ボルタ・ア・カタルーニャ(UCIワールドツアー)。その第3ステージはオロストから1級と超級山岳を越え、1級山岳ラ・モリーナ(距離11.6km/平均4.3%)にフィニッシュする180.6km。獲得標高差が4,000mに迫る山岳ステージで3日連続となる総合争いが繰り広げられた。
2日連続で過酷な山岳ステージとなったこの日は、東京五輪の金メダリストであるリチャル・カラパス(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト)が序盤から飛び出した。前日の最終山岳で早々と集団から遅れ、区間優勝に目標を切り替えたカラパスは、ギヨーム・マルタン(フランス、コフィディス)やイタリア王者フィリッポ・ザナ(ジェイコ・アルウラー)と7名の逃げグループを形成した。
この強力な7名に対し、メイン集団ではリーダーチームのユンボ・ヴィスマではなくスーダル・クイックステップが牽引を担当。初日を2位、2日目は3位と勝利を目前で逃しているレムコ・エヴェネプール(ベルギー)のために、逃げに対し5分以上のリードを許さなかった。
前日も逃げに入ったシモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が最初の3級山岳を先頭通過し、続く超級山岳はマルタンが頂上に先着して26ポイントを加算する。マルタンらのペースに遅れたペティッリだったが、粘りを見せ4位通過で14ポイントを獲得。前日に叶わなかった山岳賞ジャージの着用に成功している。
そしていよいよ1級山岳ラ・モリーナ(距離11.6km/平均4.3%)に突入すると、3名となった逃げグループからカラパスが加速。マルタンを置き去りにしたカラパスだったがマキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)に追いつかれ、2人はハイペースで牽くクイックステップに残り8.5km地点で吸収された。
そしてイラン・ファンウィルデル(ベルギー、スーダル・クイックステップ)の高速牽引によって一列棒状となった集団から、頂上まで4.6kmを残しエヴェネプールがアタックする。アルカンシエルではなく白地のヤングライダー賞ジャージを着るエヴェネプールの加速には、唯一総合リーダーのログリッチだけが反応。後方では総合5位のジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ)のためアダム・イェーツ(イギリス)が先頭で追走したものの、その差は15秒まで一気に拡大した。
エヴェネプール先頭固定のままフィニッシュに突き進む2名に対し、マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)が単独で飛び出したものの合流は叶わず。そしてチーム一丸となって厳しいレース展開に持ち込んだエヴェネプールが、加速を繰り返してログリッチを引き離すことに成功。大会初日にログリッチ、2日目はチッコーネの勝利を目前で見たエヴェネプールが3日目の勝者に輝いた。
「この勝利が嬉しいと同時に、素晴らしい走りを見せてくれたチームメイトを誇りに思う。一日を通して完璧な走りによって僕を勝利へと導いてくれた。この勝利によって彼らの頑張りに報いることができ、本当に嬉しいよ」と喜ぶエヴェネプール。また、「脚の調子はよく、最終コーナーを先頭で突入することを意識していた。明日以降のレースへのモチベーションに繋がる勝利だ」とレースを振り返った。
そしてリーダージャージはその差を2秒と最小限に留めたログリッチがキープ。しかしボーナスタイム(エヴェネプール-10秒、ログリッチ-6秒)が加算されたことにより、両者のタイム差はゼロとなった。
敗れながらも総合首位を守ったログリッチは「今日のレムコは強く、勝利にふさわしい走りだった。今日の僕は絶好調ではなかったものの、何とか彼に食らいつくことができた。また怪我からの復帰途上であることも頭に入れておかなければならない。そうすればどんな結果だって喜ぶことができるからね。明日からも全力を尽くすだけだ」とコメントしている。
翌日の大会4日目は、逃げ切りや集団スプリントが予想される丘陵ステージ。序盤に1級を越えてその後2つの3級山岳をクリアするものの、フィニッシュまで約30kmは平坦路のため、厳しい山岳が続いた総合上位勢にとっては休息の一日となりそうだ。
ボルタ・ア・カタルーニャ2023第3ステージ
1位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 4:40:43 |
2位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | +0:02 |
3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:13 |
4位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
8位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
10位 | ロマン・バルデ(フランス、チームDSM) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 12:42:17 |
2位 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | |
3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:19 |
4位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:44 |
5位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | ジャイ・ヒンドレー(オーストラリア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:48 |
7位 | マイケル・ウッズ(カナダ、イスラエル・プレミアテック) | |
8位 | エステバン・チャベス(コロンビア、EFエデュケーション・イージーポスト) | |
9位 | キアン・アイデブルックス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:58 |
10位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | +1:12 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | シモーネ・ペティッリ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) |
ヤングライダー賞 | レムコ・エヴェネプール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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