2023/03/16(木) - 14:30
石畳と急坂が設定されたセミクラシック「ノケレ〜クールセ」が開催された。男子はロングスプリントを決めたティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)が大会2連覇を飾り、女子はロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)が独走勝利を決めた。
3月15日(水)、ベルギーを舞台としたセミクラシックの一つであるノケレ〜クールセ(UCI1.Pro)が行われた。同大会はパリ〜ニース覇者であるジュール・ロヴィ氏の名前を冠し、1944年に初開催された歴史ある大会。コースはフランドルらしい短くも急勾配な坂や無数の石畳を越えるレイアウトだ。
同日開催のミラノ〜トリノが3日後に行われるミラノ〜サンレモの前哨戦ならば、こちらはE3サクソ・クラシック(3月24日)から本格的に始まるフランドル・クラシックの脚慣らし。そのためティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)やエドワルト・トゥーンス(トレック・セガフレード)、ヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)らベルギーの強豪選手たちが集結した。
序盤から7名の逃げが成立し、それを追うメイン集団では母国勝利を狙うロット・デスティニーが積極的に動く。逃げを捉えたプロトンからヤスペル・デブイスト(ベルギー、ロット・デスティニー)が飛び出し、そのカウンターで直前に落車したとカンペナールツがベルト・ファンレルベルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)とセップ・ファンマルケ(ベルギー、イスラエル・プレミアテック)と共にアタックした。
しかしこの飛び出しも長くは続かずスーダル・クイックステップが牽引するプロトンに吸収。サムエル・ワトソン(イギリス、グルパマFDJ)によるアタックも失敗に終わり、ひと塊のプロトンから登り基調のフィニッシュでティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がライバルたちを一蹴。圧巻のロングスプリントを披露したベルギー王者が、母国で大会2連覇を達成した。
「アタックが繰り返される混沌としたレースだった。そんな中でも素晴らしい走りを披露したチームに感謝したい。母国レースで2連覇は心から誇りに思う」とクイックステップに移籍後、早くも6勝目をマークしたメルリールはそう喜んだ。
女子レースは今季好調のコペッキーが独走勝利
男子レースに先んじて行われた女子レースには、大会2連覇を目論むロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)がロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)と共に出場した。また元世界王者エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)も出走したため、2人のトップスプリンターよる直接対決に注目が集まった。
レースは単独で逃げていたオード・ビアニック(フランス、モビスター)に対し、残り12km地点でプロトンから飛び出したコペッキーとエレオノラ・ガスパリーニ(イタリア、UAEチームADQ)が合流する。そしてフィニッシュまで7kmを残した地点で今季好調のコペッキーがアタック。ビアニックとガスパリーニを振り切り、単独走を開始した。
これをバルサモを擁するトレック・セガフレードなどが追走したものの、減量して走りに軽快さが加わったコペッキーに追いつくことはなかった。そしてコペッキーが、僅差の2位に終わった11日前のストラーデビアンケの悔しさを払拭する勝利を掴んだ。
「今日、自分自身の勝利は望んではいなかった。ただ自分の力を尽くしたかっただけ。今日の私はとても強く、兄もこの勝利には誇らしく思ってくれるだろう」と語ったコペッキーは、兄であるセップが数日前に死去。「何があってもレースに出場したかった。この数日間は心穏やかではなかったものの、ソファに座り落ち込むよりもレースに出る方が良い選択だと思った。実際にチームに合流した火曜日からは笑顔を取り戻し、あまりそのことを考えないようにすることができた」とコペッキーは語っている。
コペッキーから28秒遅れでやってきた集団ではウィーベスが先着して2位。そのため今季好調のSDワークスがワンツーフィニッシュに成功している。
3月15日(水)、ベルギーを舞台としたセミクラシックの一つであるノケレ〜クールセ(UCI1.Pro)が行われた。同大会はパリ〜ニース覇者であるジュール・ロヴィ氏の名前を冠し、1944年に初開催された歴史ある大会。コースはフランドルらしい短くも急勾配な坂や無数の石畳を越えるレイアウトだ。
同日開催のミラノ〜トリノが3日後に行われるミラノ〜サンレモの前哨戦ならば、こちらはE3サクソ・クラシック(3月24日)から本格的に始まるフランドル・クラシックの脚慣らし。そのためティム・メルリール(スーダル・クイックステップ)やエドワルト・トゥーンス(トレック・セガフレード)、ヴィクトル・カンペナールツ(ロット・デスティニー)らベルギーの強豪選手たちが集結した。
序盤から7名の逃げが成立し、それを追うメイン集団では母国勝利を狙うロット・デスティニーが積極的に動く。逃げを捉えたプロトンからヤスペル・デブイスト(ベルギー、ロット・デスティニー)が飛び出し、そのカウンターで直前に落車したとカンペナールツがベルト・ファンレルベルフ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)とセップ・ファンマルケ(ベルギー、イスラエル・プレミアテック)と共にアタックした。
しかしこの飛び出しも長くは続かずスーダル・クイックステップが牽引するプロトンに吸収。サムエル・ワトソン(イギリス、グルパマFDJ)によるアタックも失敗に終わり、ひと塊のプロトンから登り基調のフィニッシュでティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ)がライバルたちを一蹴。圧巻のロングスプリントを披露したベルギー王者が、母国で大会2連覇を達成した。
「アタックが繰り返される混沌としたレースだった。そんな中でも素晴らしい走りを披露したチームに感謝したい。母国レースで2連覇は心から誇りに思う」とクイックステップに移籍後、早くも6勝目をマークしたメルリールはそう喜んだ。
女子レースは今季好調のコペッキーが独走勝利
男子レースに先んじて行われた女子レースには、大会2連覇を目論むロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス)がロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)と共に出場した。また元世界王者エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード)も出走したため、2人のトップスプリンターよる直接対決に注目が集まった。
レースは単独で逃げていたオード・ビアニック(フランス、モビスター)に対し、残り12km地点でプロトンから飛び出したコペッキーとエレオノラ・ガスパリーニ(イタリア、UAEチームADQ)が合流する。そしてフィニッシュまで7kmを残した地点で今季好調のコペッキーがアタック。ビアニックとガスパリーニを振り切り、単独走を開始した。
これをバルサモを擁するトレック・セガフレードなどが追走したものの、減量して走りに軽快さが加わったコペッキーに追いつくことはなかった。そしてコペッキーが、僅差の2位に終わった11日前のストラーデビアンケの悔しさを払拭する勝利を掴んだ。
「今日、自分自身の勝利は望んではいなかった。ただ自分の力を尽くしたかっただけ。今日の私はとても強く、兄もこの勝利には誇らしく思ってくれるだろう」と語ったコペッキーは、兄であるセップが数日前に死去。「何があってもレースに出場したかった。この数日間は心穏やかではなかったものの、ソファに座り落ち込むよりもレースに出る方が良い選択だと思った。実際にチームに合流した火曜日からは笑顔を取り戻し、あまりそのことを考えないようにすることができた」とコペッキーは語っている。
コペッキーから28秒遅れでやってきた集団ではウィーベスが先着して2位。そのため今季好調のSDワークスがワンツーフィニッシュに成功している。
ノケレ〜クールセ2023男子レース結果
1位 | ティム・メルリール(ベルギー、スーダル・クイックステップ) | 4:19:14 |
2位 | エドワルト・トゥーンス(ベルギー、トレック・セガフレード) | |
3位 | ミラン・メンテン(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
4位 | ティモ・キーリッヒ(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | 0:03 |
5位 | ルイス・アスキー(イギリス、グルパマFDJ) | |
6位 | セップ・ファンマルケ(ベルギー、イスラエル・プレミアテック) | |
7位 | ルイス・ブロウウェ(ベルギー、ビンゴール・パウェルスソースWB) | |
8位 | ローレンス・ピシー(ニュージーランド、グルパマFDJ) | |
9位 | クリストフ・ノッペ(ベルギー、コフィディス) | |
10位 | シュールト・バックス(オランダ、UAEチームエミレーツ) |
ノケレ〜クールセ2023女子レース結果
1位 | ロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス) | 3:15:03 |
2位 | ロレーナ・ウィーベス(オランダ、SDワークス) | +0:28 |
3位 | マルタ・バスティアネッリ(イタリア、UAEチームADQ) | +0:29 |
4位 | エリーザ・バルサモ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
5位 | アルレニス・シエラ(キューバ、モビスター) | |
6位 | ロッタ・ヘンッタラ(フィンランド、AGインシュランス・スーダル・クイックステップ) | |
7位 | ジュリー・デウィルデ(ベルギー、フェニックス・ドゥクーニンク) | |
8位 | アンナ・ヘンダーソン(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) | |
9位 | マルタ・ラッハ(ポーランド、セラティツィット・WNTプロサイクリング) | |
10位 | レティツィア・パテルノステル(イタリア、ジェイコ・アルウラー) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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