2023/03/13(月) - 13:30
今大会3度目となる集団スプリントでヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が区間2勝目をマーク。同タイムでフィニッシュしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)が自身2度目となるティレーノ〜アドリアティコ総合優勝に輝いた。
パリ〜ニースでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が総合優勝に輝いた同日、イタリアではティレーノ〜アドリアティコの第7ステージが行われた。大会最終日はアドリア海に面したサン・ベネデット・デル・トロントから山岳地帯に進み、再びサン・ベネデット・デル・トロントに戻ってくる154km。レース後半は14.6kmの平坦コースを5周回するため、豪華スプリンターたちによる今大会3度目のスプリントバトルが繰り広げられた。
この日は第5ステージを短縮化させた風はなく、前日の落車による影響で出走しなかったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)らを除く150名がスタートを切る。序盤から今年スーダル・クイックステップからEFエデュケーション・イージーポストに加入したミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク)らが飛び出し、遅れてヘンリ・ファンデナビーレ(ベルギー、チームDSM)が合流。8名の逃げ集団が形成された。
今大会で既に1勝ずつを挙げているスーダル・クイックステップとアルペシン・ドゥクーニンクが牽引に対し、逃げグループはショートステージゆえ3分半のリードしか許されなかった。途中、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)がヘリコプターの近さをコミッセールに訴えるシーンがありながら、レースはサン・ベネデット・デル・トロントに設定された周回コースへと突入した。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がボトル運びをしたことにより、スプリントに参加しないと判断したプロトンは残り3.5kmでようやく逃げを吸収する。フラムルージュ(残り1km)を過ぎ、狭く入り組んだコーナーでフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がトレインをぶつけ合いながら最終ストレートへ。
ガンナが下がりファンデルプールが先頭に出たものの、背後にヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)の姿はない。コーナーで各チームのスプリンターが番手を下げ、ファンデルプールからリードアウトを引き継いだスーダル・クイックステップもエースのファビオ・ヤコブセン(オランダ)が後方に埋もれるなか、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が120mからスプリントを開始した。
フィリプセンの背後についていたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)が残り20mで並んだものの、フィリプセンのトップスピードには敵わない。好調だった昨年から一転、今年の序盤は不振が続くアルペシン・ドゥクーニンクにフィリプセンが再び勝利をもたらした。
第3ステージに続く区間2勝目を掴んだフィリプセンは、「勝利した3日目からモチベーションは一層高まり、今日はその再現ができると分かっていた。チームの皆はもちろん、マチュー(ファンデルプール)が素晴らしい働きを見せてくれた」とコメント。また3月18日に開催されるミラノ〜サンレモについては「今年はスプリントに持ち込まれないと思うが、何が起こるか分からないのでチャンスを待つだけだ」と語っている。
一方、2月にシクロクロス世界選手権を制し、本格的にロードシーズンへと移行したファンデルプールは「この1週間、長時間に及ぶレースはかなり辛かった。だがこれによってミラノ〜サンレモで戦える身体に仕上がったと思う」と意欲を口にした。
そして総合優勝は先頭と同タイムでフィニッシュしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)の手に。2019年大会以来2度目のトライデント・トロフィーを獲得したログリッチは、同時にポイント賞と山岳賞にも輝いた。
「最高の形でプロトンに戻ってくることができた。今大会の目的はレースのリズムに身体を慣れさせ、苦しさを味わうことだった。その両方を達成し、更に区間3勝と総合優勝まで獲得できた。間違いなく期待以上の結果だよ」と、肩の手術からの復帰レースを大成功で終えたログリッチは語っている。
パリ〜ニースでタデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が総合優勝に輝いた同日、イタリアではティレーノ〜アドリアティコの第7ステージが行われた。大会最終日はアドリア海に面したサン・ベネデット・デル・トロントから山岳地帯に進み、再びサン・ベネデット・デル・トロントに戻ってくる154km。レース後半は14.6kmの平坦コースを5周回するため、豪華スプリンターたちによる今大会3度目のスプリントバトルが繰り広げられた。
この日は第5ステージを短縮化させた風はなく、前日の落車による影響で出走しなかったウィルコ・ケルデルマン(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)らを除く150名がスタートを切る。序盤から今年スーダル・クイックステップからEFエデュケーション・イージーポストに加入したミッケルフレーリク・ホノレ(デンマーク)らが飛び出し、遅れてヘンリ・ファンデナビーレ(ベルギー、チームDSM)が合流。8名の逃げ集団が形成された。
今大会で既に1勝ずつを挙げているスーダル・クイックステップとアルペシン・ドゥクーニンクが牽引に対し、逃げグループはショートステージゆえ3分半のリードしか許されなかった。途中、マーク・カヴェンディッシュ(イギリス、アスタナ・カザフスタン)がヘリコプターの近さをコミッセールに訴えるシーンがありながら、レースはサン・ベネデット・デル・トロントに設定された周回コースへと突入した。
ワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)がボトル運びをしたことにより、スプリントに参加しないと判断したプロトンは残り3.5kmでようやく逃げを吸収する。フラムルージュ(残り1km)を過ぎ、狭く入り組んだコーナーでフィリッポ・ガンナ(イタリア、イネオス・グレナディアーズ)とマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)がトレインをぶつけ合いながら最終ストレートへ。
ガンナが下がりファンデルプールが先頭に出たものの、背後にヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)の姿はない。コーナーで各チームのスプリンターが番手を下げ、ファンデルプールからリードアウトを引き継いだスーダル・クイックステップもエースのファビオ・ヤコブセン(オランダ)が後方に埋もれるなか、ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク)が120mからスプリントを開始した。
フィリプセンの背後についていたディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー)が残り20mで並んだものの、フィリプセンのトップスピードには敵わない。好調だった昨年から一転、今年の序盤は不振が続くアルペシン・ドゥクーニンクにフィリプセンが再び勝利をもたらした。
第3ステージに続く区間2勝目を掴んだフィリプセンは、「勝利した3日目からモチベーションは一層高まり、今日はその再現ができると分かっていた。チームの皆はもちろん、マチュー(ファンデルプール)が素晴らしい働きを見せてくれた」とコメント。また3月18日に開催されるミラノ〜サンレモについては「今年はスプリントに持ち込まれないと思うが、何が起こるか分からないのでチャンスを待つだけだ」と語っている。
一方、2月にシクロクロス世界選手権を制し、本格的にロードシーズンへと移行したファンデルプールは「この1週間、長時間に及ぶレースはかなり辛かった。だがこれによってミラノ〜サンレモで戦える身体に仕上がったと思う」と意欲を口にした。
そして総合優勝は先頭と同タイムでフィニッシュしたプリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ)の手に。2019年大会以来2度目のトライデント・トロフィーを獲得したログリッチは、同時にポイント賞と山岳賞にも輝いた。
「最高の形でプロトンに戻ってくることができた。今大会の目的はレースのリズムに身体を慣れさせ、苦しさを味わうことだった。その両方を達成し、更に区間3勝と総合優勝まで獲得できた。間違いなく期待以上の結果だよ」と、肩の手術からの復帰レースを大成功で終えたログリッチは語っている。
ティレーノ〜アドリアティコ2023第7ステージ結果
1位 | ヤスペル・フィリプセン(ベルギー、アルペシン・ドゥクーニンク) | |
2位 | ディラン・フルーネウェーヘン(オランダ、ジェイコ・アルウラー) | |
3位 | アルベルト・ダイネーゼ(イタリア、チームDSM) | |
4位 | フィル・バウハウス(ドイツ、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
5位 | シモーネ・コンソンニ(イタリア、コフィディス) | |
6位 | ジャコモ・ニッツォーロ(イタリア、イスラエル・プレミアテック) | |
7位 | ヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | |
8位 | クレモン・ルッソ(フランス、アルケア・サムシック) | |
9位 | ルカ・コルナーギ(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) | |
10位 | フェルナンド・ガビリア(コロンビア、モビスター) |
個人総合成績
1位 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) | 28:38:57 |
2位 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) | +0:18 |
3位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:23 |
4位 | レナード・ケムナ(ドイツ、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:34 |
5位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:37 |
6位 | エンリク・マス(スペイン、モビスター) | +0:41 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:56 |
8位 | ヒュー・カーシー(イギリス、EFエデュケーション・イージーポスト) | +0:57 |
9位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +1:10 |
10位 | ティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ) | +1:11 |
その他の特別賞
ポイント賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
山岳賞 | プリモシュ・ログリッチ(スロベニア、ユンボ・ヴィスマ) |
ヤングライダー賞 | ジョアン・アルメイダ(ポルトガル、UAEチームエミレーツ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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