2023/03/04(土) - 13:45
砂埃舞う「白い道」ことストラーデビアンケが、本日3月4日(土)に開催される。前回覇者ポガチャルやファンアールトが不在の中、ファンデルプールやピドコックが出場。同日開催の女子レースも合わせてプレビューします。
2007年に初開催され今年で第16回目と歴史が浅いにもかかわらず、いまやモニュメント(5大クラシック)に並ぶ人気と格式を誇るワンデーレースが「ストラーデビアンケ(UCI1.UWT)」。イタリア語で「白い道」と意味するレース名の通り、砂が舞い小石が転がる未舗装路区間、今風に言うところの「グラベル」がコースの34%を占める。
コースはイタリア中部トスカーナ州のシエナを発着点に、周辺の丘陵地帯を反時計回りに巡る184km。合計11ヶ所設定された未舗装路区間は全長63kmに及び、パンクや落車のリスクはもちろん、急勾配区間でトラクションを掛けながら登るテクニックも要求される。
スタートして僅か11kmから始まる未舗装路区間の中で注目すべきは、昨年の覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が仕掛けた残り54km地点のセクター8「モンテ・サンテ・マリエ(全長11.5km)」。またセクター9「モンテ・アペルティ(全長0.8km)」や、セクター11「レ・トルフェ(全長1.1km)」も例年アタックが生まれる見逃せないポイントだ。
グラベル区間を終えた選手たちは最後、シエナ旧市街に続く急勾配(最大16%)の石畳坂を駆け上がり、『世界一美しい』と呼ばれるカンポ広場にフィニッシュする。昨年はポガチャル、一昨年はマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、2019年はジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が歴代勝者に並ぶことからも、パンチャー系オールラウンダーにチャンスのあるレースとなっている。
現地当日の天気予報は晴れ。また風も少ないため、選手たちによって白き砂埃が舞い上がるお馴染みのシーンが見られそうだ。
前回覇者ポガチャル&ファンアールトが不在の2023年
昨年50kmの独走で初出場&初優勝を挙げたポガチャルは、その翌日開幕するパリ〜ニースを優先したため不在。また、2020年大会を制したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)も体調不良を理由に3月6日開幕のティレーノ〜アドリアティコを選んでいる。
しかし第17回大会には、2019年王者のジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)を含む5名の歴代優勝者が出場。その中でも優勝候補の筆頭に挙げられるのは自身2度目の優勝を狙うファンデルプールだろう。
2月5日のシクロクロス世界選手権で5度目のチャンピオンに輝いたファンデルプールはこれがロードレースの今季開幕戦。ワールドツアー昇格後いまだ未勝利と低迷するチームを鼓舞するべく、ゼッケン1をつけたファンデルプールの意気込みは高い。
チーム力で言えばアラフィリップに分があるか。2015年覇者のゼネク・スティバル(チェコ)はジェイコ・アルウラーへ移籍したものの、マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー)とアンドレア・バジオーリ(イタリア)という勢いある若手に加え、カスパー・ピーダスン(デンマーク)も揃うなどその布陣に隙はない。
春のクラシックを2連勝と好スタートを切ったユンボ・ヴィスマは、ファンアールトの代わりに2018年覇者で直近のクールネ~ブリュッセル~クールネを制したティシュ・ベノート (ベルギー)で優勝を狙う。また昨年は体調不良で出場できなかった前シクロクロス王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も2021年の5位を更新するべく出場する。
女子は好調コペッキーが2連覇なるか
同日開催の女子レースは距離こそ138kmと男子レースよりも50kmほど短いものの、激しい起伏のある未舗装路区間は共通しており、レースカレンダー屈指の難易度を誇る。
未舗装路区間は合計8セクターで、残り24kmから始まるセクター6:モンテ・アペルティ(全長0.8km)、セクター7:コッレ・ピンツート(全長2.4km)、セクター8:レ・トルフェ(全長1.1km)は男子と同じレイアウト。最後は昨年アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が仕掛けたサンタカテリーナ通りの石畳坂を登り、カンポ広場でフィニッシュする。
優勝候補筆頭はオンループ・ヘットニュースブラッド女子レースを制したロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)。今年減量を成功させ、登坂に磨きがかかった前回王者にはデミ・フォレリング(オランダ)という強力な仲間もいるため2連覇の可能性は高い。
対するのは、3度目の制覇を狙う世界王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)。現役最後の「白い道」をリアヌ・リッパート(ドイツ)のアシストを受けたファンフルーテンがどこでアタックするのか。この2人による争いが女子レースの軸となる。
text:Sotaro.Arakawa
2007年に初開催され今年で第16回目と歴史が浅いにもかかわらず、いまやモニュメント(5大クラシック)に並ぶ人気と格式を誇るワンデーレースが「ストラーデビアンケ(UCI1.UWT)」。イタリア語で「白い道」と意味するレース名の通り、砂が舞い小石が転がる未舗装路区間、今風に言うところの「グラベル」がコースの34%を占める。
コースはイタリア中部トスカーナ州のシエナを発着点に、周辺の丘陵地帯を反時計回りに巡る184km。合計11ヶ所設定された未舗装路区間は全長63kmに及び、パンクや落車のリスクはもちろん、急勾配区間でトラクションを掛けながら登るテクニックも要求される。
スタートして僅か11kmから始まる未舗装路区間の中で注目すべきは、昨年の覇者タデイ・ポガチャル(スロベニア、UAEチームエミレーツ)が仕掛けた残り54km地点のセクター8「モンテ・サンテ・マリエ(全長11.5km)」。またセクター9「モンテ・アペルティ(全長0.8km)」や、セクター11「レ・トルフェ(全長1.1km)」も例年アタックが生まれる見逃せないポイントだ。
グラベル区間を終えた選手たちは最後、シエナ旧市街に続く急勾配(最大16%)の石畳坂を駆け上がり、『世界一美しい』と呼ばれるカンポ広場にフィニッシュする。昨年はポガチャル、一昨年はマチュー・ファンデルプール(オランダ、アルペシン・ドゥクーニンク)、2019年はジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が歴代勝者に並ぶことからも、パンチャー系オールラウンダーにチャンスのあるレースとなっている。
現地当日の天気予報は晴れ。また風も少ないため、選手たちによって白き砂埃が舞い上がるお馴染みのシーンが見られそうだ。
前回覇者ポガチャル&ファンアールトが不在の2023年
昨年50kmの独走で初出場&初優勝を挙げたポガチャルは、その翌日開幕するパリ〜ニースを優先したため不在。また、2020年大会を制したワウト・ファンアールト(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)も体調不良を理由に3月6日開幕のティレーノ〜アドリアティコを選んでいる。
しかし第17回大会には、2019年王者のジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)を含む5名の歴代優勝者が出場。その中でも優勝候補の筆頭に挙げられるのは自身2度目の優勝を狙うファンデルプールだろう。
2月5日のシクロクロス世界選手権で5度目のチャンピオンに輝いたファンデルプールはこれがロードレースの今季開幕戦。ワールドツアー昇格後いまだ未勝利と低迷するチームを鼓舞するべく、ゼッケン1をつけたファンデルプールの意気込みは高い。
チーム力で言えばアラフィリップに分があるか。2015年覇者のゼネク・スティバル(チェコ)はジェイコ・アルウラーへ移籍したものの、マウリ・ファンセヴェナント(ベルギー)とアンドレア・バジオーリ(イタリア)という勢いある若手に加え、カスパー・ピーダスン(デンマーク)も揃うなどその布陣に隙はない。
春のクラシックを2連勝と好スタートを切ったユンボ・ヴィスマは、ファンアールトの代わりに2018年覇者で直近のクールネ~ブリュッセル~クールネを制したティシュ・ベノート (ベルギー)で優勝を狙う。また昨年は体調不良で出場できなかった前シクロクロス王者トーマス・ピドコック(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)も2021年の5位を更新するべく出場する。
女子は好調コペッキーが2連覇なるか
同日開催の女子レースは距離こそ138kmと男子レースよりも50kmほど短いものの、激しい起伏のある未舗装路区間は共通しており、レースカレンダー屈指の難易度を誇る。
未舗装路区間は合計8セクターで、残り24kmから始まるセクター6:モンテ・アペルティ(全長0.8km)、セクター7:コッレ・ピンツート(全長2.4km)、セクター8:レ・トルフェ(全長1.1km)は男子と同じレイアウト。最後は昨年アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)が仕掛けたサンタカテリーナ通りの石畳坂を登り、カンポ広場でフィニッシュする。
優勝候補筆頭はオンループ・ヘットニュースブラッド女子レースを制したロッタ・コペッキー(ベルギー、SDワークス)。今年減量を成功させ、登坂に磨きがかかった前回王者にはデミ・フォレリング(オランダ)という強力な仲間もいるため2連覇の可能性は高い。
対するのは、3度目の制覇を狙う世界王者アネミエク・ファンフルーテン(オランダ、モビスター)。現役最後の「白い道」をリアヌ・リッパート(ドイツ)のアシストを受けたファンフルーテンがどこでアタックするのか。この2人による争いが女子レースの軸となる。
text:Sotaro.Arakawa
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