イタリアに本格的なロードシーズンの開幕を告げるトロフェオ・ライグエリアが行われ、ナンス・ペテルス(フランス、AG2Rシトロエン)が独走勝利。2位にアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア)が入りAG2Rのワンツーフィニッシュが決まった。



ミラノ〜サンレモでの成功を見据えるビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) photo:CorVos

イタリアのUCIプロシリーズの初戦となるトロフェオ・ライグエリアが、フランスとの国境にも近いライグエリアで開催された。初回大会が1964年と歴史あるレースは、終盤にミラノ〜サンレモでも通る2つの丘(コッラ・ミケリ、カーポ・メーレ)を4度越える201.3km。総獲得標高差が3,000mに迫るタフな丘陵レースだ。

サンレモにもほど近いライグエリアのスタート地点に集ったのは、9のワールドチームを含む20チーム。なかでもミラノ〜サンレモの優勝を狙うビニヤム・ギルマイ(エリトリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)やバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)、現役ラストシーズンを迎えたティボー・ピノ(フランス、グルパマFDJ)が出場した。

レースは序盤からUAEチームエミレーツがコントロールを担当した photo:CorVos

プロトンのペースを上げるUAEチームエミレーツ photo:CorVos

雨が降るなかイタリア人選手が中心となった9名が逃げグループを形成し、アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア)擁するUAEチームエミレーツがプロトン先頭で追う展開に。コッラ・ミケリとカーポ・メーレを含む10.8kmの周回コースに突入する前に逃げを捉え、ひと塊となったメイン集団からはブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン)が飛び出した。

このアタックをロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が捉える頃、先頭集団は16名まで縮小。雨で濡れた路面での小規模落車もありながら、ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)とエウェン・コステュー(フランス、アルケア・サムシック)のアタックを潰したナンス・ペテルス(フランス、AG2Rシトロエン)がカーポ・メーレでアタックした。

それをコーヴィやロータ、クレモン・シャンプッサン(フランス、アルケア・サムシック)などが追走したものの、同じ集団にいるAG2Rがアンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア)とブノワ・コスヌフロワ(フランス)が協調を崩す動きを披露。完全ウェットな路面でも力強く踏み続けたペテルスが、そのまま独走勝利を掴み取った。

独走体勢を築いたナンス・ペテルス(フランス、AG2Rシトロエン) photo:CorVos

単独でフィニッシュラインにたどり着いたナンス・ペテルス(フランス、AG2Rシトロエン) photo:CorVos

「普段勝利を挙げる機会が少ないため、喜びもひとしおだ。今日は調子が良く、単独走となってからも”終わりまで踏み続けろ”と自分に言い聞かせた。アンドレアとブノワの協力のおかげでもある勝利。この冬はコーチも変え、気持ち新たに臨んだシーズンで早速結果が得られ、本当に嬉しいよ」とペテルスは語った。

追走集団では脚を溜めていたヴェンドラーメが先着して2位に入ったため、AG2Rはワンツーフィニッシュを達成。3位にはコーヴィが入り、表彰台に上がっている。

トロフェオ・ライグエリア2023表彰台:2位アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)、1位ナンス・ペテルス(フランス、AG2Rシトロエン)、3位アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ) photo:CorVos
トロフェオ・ライグエリア2023結果
1位 ナンス・ペテルス(フランス、AG2Rシトロエン) 5:08:28
2位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン) +0:46
3位 アレッサンドロ・コーヴィ(イタリア、UAEチームエミレーツ)
4位 ロレンツォ・ロータ(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
5位 クレモン・シャンプッサン(フランス、アルケア・サムシック)
6位 ロマン・グレゴワール(フランス、グルパマFDJ)
7位 ジェフェルソン・セペダ(エクアドル、EFエデュケーション・イージーポスト) +0:50
8位 ブノワ・コスヌフロワ(フランス、AG2Rシトロエン) +1:33
9位 ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) +1:46
10位 ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) +1:55
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos

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