南仏を舞台にしたワンデーレース、フォーン・ドローム・クラシック(1.Pro)でアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)が40kmの独走。アラフィリップら強豪選手を抑え、母国勝利を飾った。



前日勝者のジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ) photo:CorVos

ジュリアン・アラフィリップ(フランス、スーダル・クイックステップ)が復活勝利を飾ったフォーン・アルデシュ・クラシック(1.Pro)の翌日、その兄弟レースであるフォーン・ドローム・クラシック(1.Pro)が開催された。コースは南仏の山岳から一転、難易度の低い丘が連続するレイアウトで、前日とほぼ同じ140名がスタートラインに並んだ。

クリスティアン・ロドリゲス(スペイン、アルケア・サムシック)らクライマー寄りの脚質をもつ6名による逃げが決まり、それを地元フランスでの勝利がほしいコフィディスが中心となり追う展開に。プロトンとの差が縮小していくと逃げに選手を送っているアルケア・サムシックが高速牽引を始め、人数を絞りながら残り86km地点で早くもレースは振り出しに戻った。

スーダル・クイックステップも集団コントロールに加わったプロトン photo:CorVos

こうしてアラフィリップや前日に僅差で敗れたダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ)、ロマン・バルデ(フランス、チームDSM)ら強豪選手を含む35名の先頭グループが形成される。グラン・リミテ山(残り41km地点)の登りに入ると、スプリンターをふるい落としたいアラフィリップが飛び出した。

この動きをキッカケに先頭集団は活性化。アタック合戦の末にアントニー・ペレス(フランス、コフィディス)が単独アタックを決め、独走体勢を築き上げる。協調が取れないアラフィリップやゴデュら追走集団を尻目に、ペレスはリードを1分30秒差まで拡大。後続を振り切ったペレスがそのままフィニッシュラインを通過した。

笑顔でフィニッシュラインにやってきたアントニー・ペレス(フランス、コフィディス) photo:CorVos

40kmの逃げ切り勝利を飾ったアントニー・ペレス(フランス、コフィディス) photo:CorVos

「最後までリードを守ることができて本当に嬉しい。タイムトライアルのトレーニングを積み、自分の力をマネジメントするのには自信があった。今日は寒く、風も強い難しい日だったが、今年は既にフランスのステージレースで良い感触を掴んでいた。だからこの勝利は更に嬉しい結果だよ」とペレスは語った。

ペレスは2016年にコフィディスでプロデビューを果たした31歳。近年はツール・ド・フランスの山岳ステージで逃げる姿が印象的なフレンチクライマーだ。

1分11秒遅れでやってきた追走集団の争いでは、今季好調のルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が先着して2位。3位にはアンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ)が入り、表彰台に上がっている。

フォーン・ドローム・クラシック2023表彰台:2位ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)、1位アントニー・ペレス(フランス、コフィディス)、3位アンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ) photo:Drome Classic

フォーン・ドローム・クラシック2023結果
1位 アントニー・ペレス(フランス、コフィディス) 4:57:26
2位 ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) +1:11
3位 アンドレア・バジオーリ(イタリア、スーダル・クイックステップ)
4位 ダヴィド・ゴデュ(フランス、グルパマFDJ) +1:13
5位 クイン・シモンズ(アメリカ、トレック・セガフレード)
6位 マティアス・スケルモース(デンマーク、トレック・セガフレード) +1:34
7位 ゲオルク・ツィマーマン(ドイツ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) +1:38
8位 サイモン・クラーク(オーストラリア、イスラエル・プレミアテック) +1:41
9位 コービン・ストロング(ニュージーランド、イスラエル・プレミアテック) +1:43
10位 ドリアン・ゴドン(フランス、AG2Rシトロエン) +1:48
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos