2023/02/27(月) - 10:00
石畳クラシックの2戦目となったクールネ~ブリュッセル~クールネでユンボ・ヴィスマがワンツーフィニッシュ。小集団からフィニッシュ手前で飛び出したティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ)が勝利し、チームにクラシック2連勝をもらたした。
ディラン・ファンバーレ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が独走勝利を飾ったオンループ・ヘットニュースブラッドの翌日、セミクラシック第2戦であるクールネ〜ブリュッセル〜クールネ(UCI1.Pro)が開催された。その名の通りベルギー・フランドルのクールネを発着するクラシックレースで、選手たちは首都ブリュッセルの手前でUターンし、オースト=フランデレン州のいわゆる「フレミッシュ・アルデンヌ」を駆け巡る。
「オウデ・クワレモント」こそ無いものの、合計13の急坂や石畳区間が登場するコースだが、前日のオンループと比べると終盤は平坦基調。「スプリンタークラシック」と称されるレースには前回覇者ファビオ・ヤコブセン(オランダ、スーダル・クイックステップ)やアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)、アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)などピュアスプリンターたちが集結した。
気温5度と寒いながらも晴天。風の強い193.1kmレースで逃げたのはダニエル・オス(イタリア、トタルエネルジー)や2年連続逃げのタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)ら6名。一時は7分のリードを奪った逃げグループだったが、ワウト・ファンアールト(ベルギー)不在ながらも強力なメンバーを揃えるユンボ・ヴィスマがプロトンの牽引を始めると、その差は縮小することに。
途中、ペースアップとフレミッシュ特有の強風によりアルペシン・ドゥクーニンクのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)やパリ〜ルーベ2位の実績を持つシルヴァン・ディリエ(スイス)が落車。1時間に渡る追走も届かずレースを降りている。
僅か15kmで30秒差まで逃げを追い詰めたユンボは、ル・ルブルリケ(残り82km)の登りでナータン・ファンホーイドンクとティシュ・ベノート (共にベルギー)、ヤン・トラトニク(スロベニア)をアタックさせる。その3名にはマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)とティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)も追従して逃げ集団に合流を果たす。そこにペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)の姿もあったが、力及ばず一人メイン集団に吸収された。
9番目の石畳登坂「モンサンローラン」でウェレンスの飛び出しにモホリッチとベノート、そしてコロンビア合宿で力を増したファンデルホールンが反応。遅れてファンホーイドンクも合流し、残り78kmを残して強力な5名がフィニッシュを目指し突き進んだ。
それを2連覇を狙うヤコブセンのスーダル・クイックステップやデリーを擁するロット・デスティニーらスプリンターチームが中心に追ったものの、タイム差は1分15〜30秒で推移したまま縮まらない。またこの集団にはスプリンターであるクリストフ・ラポルト(フランス)が残ったため、ユンボ・ヴィスマは必勝体制を作り出すことに成功した。
そして全ての急坂&石畳区間を終えた先頭集団がちょうど1分差で1度目のフィニッシュライン(残り13km地点)を通過し、勝負は先頭でローテーションを回す5名に絞られた。
数的有利なユンボはファンホーイドンクが幾度も加速を試みるものの、その都度モホリッチがチェックに入る。フラムルージュ(残り1km)手前でベノートが仕掛け、今度はウェレンスが反応したため決まらない。しかし直後にもう一度アタックしたべノートに対し、ウェレンスやモホリッチは遂に白旗。べノートがガッツポーズでフィニッシュラインを通過した。
2位スプリントはファンホーイドンクが先着し、ユンボがワンツーフィニッシュを達成。前日のオンループ・ヘットニュースブラッドに続くクラシック開幕戦で2連勝と、絶対エースのファンアールト不在にも関わらず最高のスタートダッシュを決めた。
「2戦2勝と最高の結果だ。レースの前半から仕掛ける作戦で、ル・ルブルリケのアタックはプラン通りだった。この勝利をガールフレンドと娘に捧げたい。数年に渡る困難を乗り越え、今日この走りができたのは彼女たちのおかげだからね」と喜んだべノートは、昨年トレーニング中の落車で首の骨を骨折し、これが復帰2戦目だった。
そして見事に勝利のお膳立てをしたファンホーイドンクは「数的なアドバンテージを最大に活用することができた。春のクラシックに向け努力してきたので、まるで夢のようなスタートとなった。チームにとって最高のレースだ」とコメントしている。
また、43秒遅れでフィニッシュした追走集団もラポルトがデリーやヤコブセンを下して先着(6位)し、べノートの勝利に華を添えた。
ディラン・ファンバーレ(オランダ、ユンボ・ヴィスマ)が独走勝利を飾ったオンループ・ヘットニュースブラッドの翌日、セミクラシック第2戦であるクールネ〜ブリュッセル〜クールネ(UCI1.Pro)が開催された。その名の通りベルギー・フランドルのクールネを発着するクラシックレースで、選手たちは首都ブリュッセルの手前でUターンし、オースト=フランデレン州のいわゆる「フレミッシュ・アルデンヌ」を駆け巡る。
「オウデ・クワレモント」こそ無いものの、合計13の急坂や石畳区間が登場するコースだが、前日のオンループと比べると終盤は平坦基調。「スプリンタークラシック」と称されるレースには前回覇者ファビオ・ヤコブセン(オランダ、スーダル・クイックステップ)やアルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー)、アレクサンダー・クリストフ(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)などピュアスプリンターたちが集結した。
気温5度と寒いながらも晴天。風の強い193.1kmレースで逃げたのはダニエル・オス(イタリア、トタルエネルジー)や2年連続逃げのタコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)ら6名。一時は7分のリードを奪った逃げグループだったが、ワウト・ファンアールト(ベルギー)不在ながらも強力なメンバーを揃えるユンボ・ヴィスマがプロトンの牽引を始めると、その差は縮小することに。
途中、ペースアップとフレミッシュ特有の強風によりアルペシン・ドゥクーニンクのヤスペル・フィリプセン(ベルギー)やパリ〜ルーベ2位の実績を持つシルヴァン・ディリエ(スイス)が落車。1時間に渡る追走も届かずレースを降りている。
僅か15kmで30秒差まで逃げを追い詰めたユンボは、ル・ルブルリケ(残り82km)の登りでナータン・ファンホーイドンクとティシュ・ベノート (共にベルギー)、ヤン・トラトニク(スロベニア)をアタックさせる。その3名にはマテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス)とティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ)も追従して逃げ集団に合流を果たす。そこにペテル・サガン(スロバキア、トタルエネルジー)の姿もあったが、力及ばず一人メイン集団に吸収された。
9番目の石畳登坂「モンサンローラン」でウェレンスの飛び出しにモホリッチとベノート、そしてコロンビア合宿で力を増したファンデルホールンが反応。遅れてファンホーイドンクも合流し、残り78kmを残して強力な5名がフィニッシュを目指し突き進んだ。
それを2連覇を狙うヤコブセンのスーダル・クイックステップやデリーを擁するロット・デスティニーらスプリンターチームが中心に追ったものの、タイム差は1分15〜30秒で推移したまま縮まらない。またこの集団にはスプリンターであるクリストフ・ラポルト(フランス)が残ったため、ユンボ・ヴィスマは必勝体制を作り出すことに成功した。
そして全ての急坂&石畳区間を終えた先頭集団がちょうど1分差で1度目のフィニッシュライン(残り13km地点)を通過し、勝負は先頭でローテーションを回す5名に絞られた。
数的有利なユンボはファンホーイドンクが幾度も加速を試みるものの、その都度モホリッチがチェックに入る。フラムルージュ(残り1km)手前でベノートが仕掛け、今度はウェレンスが反応したため決まらない。しかし直後にもう一度アタックしたべノートに対し、ウェレンスやモホリッチは遂に白旗。べノートがガッツポーズでフィニッシュラインを通過した。
2位スプリントはファンホーイドンクが先着し、ユンボがワンツーフィニッシュを達成。前日のオンループ・ヘットニュースブラッドに続くクラシック開幕戦で2連勝と、絶対エースのファンアールト不在にも関わらず最高のスタートダッシュを決めた。
「2戦2勝と最高の結果だ。レースの前半から仕掛ける作戦で、ル・ルブルリケのアタックはプラン通りだった。この勝利をガールフレンドと娘に捧げたい。数年に渡る困難を乗り越え、今日この走りができたのは彼女たちのおかげだからね」と喜んだべノートは、昨年トレーニング中の落車で首の骨を骨折し、これが復帰2戦目だった。
そして見事に勝利のお膳立てをしたファンホーイドンクは「数的なアドバンテージを最大に活用することができた。春のクラシックに向け努力してきたので、まるで夢のようなスタートとなった。チームにとって最高のレースだ」とコメントしている。
また、43秒遅れでフィニッシュした追走集団もラポルトがデリーやヤコブセンを下して先着(6位)し、べノートの勝利に華を添えた。
クールネ~ブリュッセル~クールネ2023結果
1位 | ティシュ・ベノート (ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | 4:32:25 |
2位 | ナータン・ファンホーイドンク(ベルギー、ユンボ・ヴィスマ) | +0:01 |
3位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
4位 | タコ・ファンデルホールン(オランダ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | |
5位 | ティム・ウェレンス(ベルギー、UAEチームエミレーツ) | |
6位 | クリストフ・ラポルト(フランス、ユンボ・ヴィスマ) | +0:43 |
7位 | アルノー・デリー(ベルギー、ロット・デスティニー) | |
8位 | ヨルディ・メーウス(ベルギー、ボーラ・ハンスグローエ) | |
9位 | ファビオ・ヤコブセン(オランダ、スーダル・クイックステップ) | |
10位 | ヤスペル・ストゥイヴェン(ベルギー、トレック・セガフレード) |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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