2023/02/23(木) - 20:43
7日間で約850kmを走るスリランカ縦断サイクリングツアー「Ride Sri Lanka2023」を走った池田祐樹のレポート後編。同行の仲間たちとも打ち解け、中央高地を抜けて南端の街を目指した。スリランカがアウトドアスポーツの聖地となるポンテシャルについても紹介する。(前編はこちら)
5日目 エラからティッサマハラマへの105km、470mアップ。高地エリアから下り、再び30℃以上の熱帯気候へ戻ってきた。途中では以前から見てみたかった壮大なラバナ滝を拝み、涼を取ることもできた。ライドペースはすごく速いが、レースではないので、こういった絶景スポットでは臨機応変に止まったり、記念写真も撮れたりするのが今回のツアーライドの嬉しいポイントでもあった。
6日目 ティッサマハラマから157km、850mアップで、いよいよスリランカ最南端の町ガルへ。サーフィンでも有名なビーチタウンが点在する美しいコーストラインを横目に走ったり、ポリスの先導で高速道路を贅沢にライドしたり、アトラクションに富んだ縦断ツアーを締めくくる最後のライドに相応しいルートだった。
7日目 スリランカ最大都市コロンボで名所を巡る55kmの観光ライド。南アジアで一番高い『ロータス・タワー』、『国立博物館』、『市庁舎』、『ガンガラマヤ寺院』など巡り、現地サイクリストがガイドをしてくれた。終始談笑しながらリラックスして、最高のリカバリーライドとなった。
最高のご当地フィードステーション
1日に2〜3箇所、大会が補給ステーションを用意してくれた。毎回その充実ぶりに感動させられた。パイナップルやスイカ、バナナ、パパイヤなどの新鮮なフルーツ、ココナッツウォーター、水、淹れたてのセイロンティー、茹でとうもろこし、手作りチャパティ(全粒粉のパン)など、超がつくほどヘルシーで豪華な現地の食べ物と飲み物で迎えてくれた。
私のサイクリストにお勧め補給はずばりココナッツ。特にこのスリランカ名産のオレンジ色の『キングココナッツ』は通常のココナッツと比べてアミノ酸の含有量も豊富で栄養価もキングといわれている。
ココナッツウォーターにはカリウムなど電解質が豊富で天然のスポーツドリンクと言われるほど。さらに今回のように生の状態だと、生きた酵素・抗酸化作用物質も含まれるので、筋肉などの炎症も抑えてくれる働きも期待できる。できれば割って内側に付いている白い果肉もぜひ食べてもらいたい。この果肉にもビタミン、食物繊維、カリウム、鉄分、葉酸、MCTオイルで知られる中鎖脂肪酸も豊富に含むスーパーフードなのだ。ちなみにキングココナッツ一個を路上販売で買うと大体100〜200ルピー(36〜72円)で買えてしまう安さ。
国際ライダー達から学んだこと
とにかく参加ライダー達一人一人のキャラが濃く、笑いが絶えない1週間だった。世界チャンピオンだったり、ナショナルチャンピオンだったり、すごいメンバーだったが、誰一人傲る人はいなく、お互いをリスペクトしていた。特に印象的だったのは、アフリカの強豪チーム「アマニ」から参加していたカリュキとハキジマナの二人。あまり喋らず無口なのだが、急に踊ったり、トゥクトゥクという現地を走っているタクシーのような乗り物とスピードを競ったりと皆を笑わせ、盛り上げてくれた。
彼らもそうだが、英語圏ではない国からの参加は私を含めて4人だった。皆問題なくコミュニケーションを取れるほど英語を流暢に話す。英語を学んだ理由を聞くと「インターナショナルで活躍したい」というのが一番の答えで、皆自発的に英語を学んだとのこと。日本から世界へ出ていきたい選手達も、トレーニングと同じくらいに英語を学ぶことに注力すると、もっと世界が近づき、チャンスが増えるのではないかと感じた。
あと興味深かったのはトップ選手達の食事へのこだわり。海外トップ選手の多くは、食に関してなにかしらの拘りや気をつけている選手が日本に比べて多いと感じている。今回参加した16人の世界トップクラスのライダー達と10日間くらい共に生活し、ビュッフェで何を食べるかをチョイスを観察するのがとても興味深かった。ヴィーガン、グルテンフリー、ベジタリアン。朝はフルーツとヨーグルトだけ、コーヒーの淹れ方、油の種類、白砂糖は摂らない、など各々の食へのこだわりが垣間見えた。欲しいものが無い場合は、シェフやスタッフに相談したりもする。逆に全く気にしないでスイーツや脂っこいものをひたすら食べる強い選手もいましたが(笑)、こだわりを持った選手が大半だった。
ライド スリランカ2023を終えて
スリランカの大自然に身を置き、自転車を乗りまくり、世界のトップライダーや地元の人達と仲を深め、美味しいものを食べ、正に夢のような1週間だった。
スリランカはサイクリングを始め、アウトドアスポーツの聖地となり得るほどにポテンシャルが非常に高い国だと改めて感じさせられた。特に日本(成田空港)からは直行便もあるので、アクセスのハードルは意外に低く、想像以上に手軽に海外ライドを楽しめるのではないだろうか。ちなみに時差は3時間半。
ライド中も勝手に妄想していたが、競技者にとっての合宿地としても最適の場所かもしれないという点。暖かい気候に加え、平坦路から高地トレーニングもできる山岳地帯、そしてオンロードとオフロード両方ある環境は稀だ。物価も安く、食べ物も美味しいので長期滞在もしやすく、トレーニングフィールドとしての魅力を感じざるをえない。
今回のライド スリランカ2023のツアーは今後パッケージ化も計画されているので、商品化された折には日本からもぜひ多くの方達に参加してもらい、非日常的なエキゾチックライドを体験してほしい。
スリランカってどんな国? 池田祐樹が感じたスリランカの魅力
変化に富んだ大自然!
私の印象では、スリランカはバラエティに富んだ大自然がとても魅力的。年中温暖な沿岸部は綺麗なビーチが多く、象などの珍しい野生動物も多く住むジャングルも冒険心を掻き立てる。内陸部は標高も2000m近くあり、本格的な山岳エリアも楽しめる。一つの島で様々な大自然を満喫することができるのだ。
移住を考えてしまうほど美味しい食事
食べ物がとにかく美味しい。スパイスの効いたカレーは毎日食べても飽きないほどの種類の豊富さと美味しさ。南国ならではのココナッツやパパイヤなどの新鮮フルーツもたまらない。物価も安いので、日本では高価なアボカドなども10分の1程度の価格で購入できる。道端で売っているココナッツも一個30円ほどで、その場で割ってくれてココナッツウォーターを飲める。ココナッツには良質な電解質が入った天然のスポーツドリンクなのでライド中の補給にも最適なのだ。ライド後に町の定食屋さんでお腹いっぱいカレーライスを食べても300円ほどだ。
親日国でフレンドリー
日本とスリランカは国同士で助け合ってきた深い歴史もあるので、現地の人たちも基本親日家でとてもフレンドリー。町でも日系の会社がよく目に付き、乗用車やバス、自転車も日本製のものが多い。初めて会う現地の自転車友達もレースやイベント前後も快くグループライドを企画してくれたり、ローカルの案内をしてくれたりしてみんなホスピタリティに溢れている!
次のサイクリングトリップはスリランカで決まり?
あまり知られていないが自転車環境のポテンシャルも非常に高い。整った舗装路で島を一周することや縦断することも可能であり、オフロードもMTBステージレースが開催されるほど充実している。ひたすら続く平坦路もあれば、登りの長さや斜度も自由に選べる山岳地帯もあるので好みのライドが選びたい放題。日本(成田)からコロンボへの直行便もあるので、これから日本人にとっても要注目のサイクリングスポットとなる予感がしてならない。
今回の縦断ツアーの様子をまとめたムービーは、スリランカ航空の機内チャンネルと公式YouTubeチャンネルで放映予定。すでに私も参戦したMTBステージレース「ランブル イン ザ ジャングル」のハイライトムービーは機内で観られるので、スリラン航空をご利用の際には是非ご覧ください。
ショートバージョンの「ライド スリランカ2023」ハイライトムービーもすでにスリランカ航空公式YouTubeチャンネルで公開中なので是非ご覧ください。
スリランカ航空ウェブサイト:https://www.srilankan.com/en_uk/lk
スリランカ航空公式Instagram:https://www.instagram.com/srilankanairlinesofficial/
池田祐樹(プロマウンテンアスリート) プロフィール
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA 所属(MTB)
TEAM ALTRA所属(トレイルラン)
2011-2017年の7年間連続で、MTBマラソン世界選手権日本代表として参加。MTBの長距離、耐久レースの国内第一人者とされる。2019年から、MTB競技のみならず、トレイルランを本格的に始め、2種目のウルトラ競技(100マイルやステージレースなど)をトップレベルで戦う山の総合エンデュランスアスリート「マウンテンアスリート」の第一人者として活動中。
公式インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/yukiikeda/
公式ウェブサイト:https://yukiikeda.net/
5日目 エラからティッサマハラマへの105km、470mアップ。高地エリアから下り、再び30℃以上の熱帯気候へ戻ってきた。途中では以前から見てみたかった壮大なラバナ滝を拝み、涼を取ることもできた。ライドペースはすごく速いが、レースではないので、こういった絶景スポットでは臨機応変に止まったり、記念写真も撮れたりするのが今回のツアーライドの嬉しいポイントでもあった。
6日目 ティッサマハラマから157km、850mアップで、いよいよスリランカ最南端の町ガルへ。サーフィンでも有名なビーチタウンが点在する美しいコーストラインを横目に走ったり、ポリスの先導で高速道路を贅沢にライドしたり、アトラクションに富んだ縦断ツアーを締めくくる最後のライドに相応しいルートだった。
7日目 スリランカ最大都市コロンボで名所を巡る55kmの観光ライド。南アジアで一番高い『ロータス・タワー』、『国立博物館』、『市庁舎』、『ガンガラマヤ寺院』など巡り、現地サイクリストがガイドをしてくれた。終始談笑しながらリラックスして、最高のリカバリーライドとなった。
最高のご当地フィードステーション
1日に2〜3箇所、大会が補給ステーションを用意してくれた。毎回その充実ぶりに感動させられた。パイナップルやスイカ、バナナ、パパイヤなどの新鮮なフルーツ、ココナッツウォーター、水、淹れたてのセイロンティー、茹でとうもろこし、手作りチャパティ(全粒粉のパン)など、超がつくほどヘルシーで豪華な現地の食べ物と飲み物で迎えてくれた。
私のサイクリストにお勧め補給はずばりココナッツ。特にこのスリランカ名産のオレンジ色の『キングココナッツ』は通常のココナッツと比べてアミノ酸の含有量も豊富で栄養価もキングといわれている。
ココナッツウォーターにはカリウムなど電解質が豊富で天然のスポーツドリンクと言われるほど。さらに今回のように生の状態だと、生きた酵素・抗酸化作用物質も含まれるので、筋肉などの炎症も抑えてくれる働きも期待できる。できれば割って内側に付いている白い果肉もぜひ食べてもらいたい。この果肉にもビタミン、食物繊維、カリウム、鉄分、葉酸、MCTオイルで知られる中鎖脂肪酸も豊富に含むスーパーフードなのだ。ちなみにキングココナッツ一個を路上販売で買うと大体100〜200ルピー(36〜72円)で買えてしまう安さ。
国際ライダー達から学んだこと
とにかく参加ライダー達一人一人のキャラが濃く、笑いが絶えない1週間だった。世界チャンピオンだったり、ナショナルチャンピオンだったり、すごいメンバーだったが、誰一人傲る人はいなく、お互いをリスペクトしていた。特に印象的だったのは、アフリカの強豪チーム「アマニ」から参加していたカリュキとハキジマナの二人。あまり喋らず無口なのだが、急に踊ったり、トゥクトゥクという現地を走っているタクシーのような乗り物とスピードを競ったりと皆を笑わせ、盛り上げてくれた。
彼らもそうだが、英語圏ではない国からの参加は私を含めて4人だった。皆問題なくコミュニケーションを取れるほど英語を流暢に話す。英語を学んだ理由を聞くと「インターナショナルで活躍したい」というのが一番の答えで、皆自発的に英語を学んだとのこと。日本から世界へ出ていきたい選手達も、トレーニングと同じくらいに英語を学ぶことに注力すると、もっと世界が近づき、チャンスが増えるのではないかと感じた。
あと興味深かったのはトップ選手達の食事へのこだわり。海外トップ選手の多くは、食に関してなにかしらの拘りや気をつけている選手が日本に比べて多いと感じている。今回参加した16人の世界トップクラスのライダー達と10日間くらい共に生活し、ビュッフェで何を食べるかをチョイスを観察するのがとても興味深かった。ヴィーガン、グルテンフリー、ベジタリアン。朝はフルーツとヨーグルトだけ、コーヒーの淹れ方、油の種類、白砂糖は摂らない、など各々の食へのこだわりが垣間見えた。欲しいものが無い場合は、シェフやスタッフに相談したりもする。逆に全く気にしないでスイーツや脂っこいものをひたすら食べる強い選手もいましたが(笑)、こだわりを持った選手が大半だった。
ライド スリランカ2023を終えて
スリランカの大自然に身を置き、自転車を乗りまくり、世界のトップライダーや地元の人達と仲を深め、美味しいものを食べ、正に夢のような1週間だった。
スリランカはサイクリングを始め、アウトドアスポーツの聖地となり得るほどにポテンシャルが非常に高い国だと改めて感じさせられた。特に日本(成田空港)からは直行便もあるので、アクセスのハードルは意外に低く、想像以上に手軽に海外ライドを楽しめるのではないだろうか。ちなみに時差は3時間半。
ライド中も勝手に妄想していたが、競技者にとっての合宿地としても最適の場所かもしれないという点。暖かい気候に加え、平坦路から高地トレーニングもできる山岳地帯、そしてオンロードとオフロード両方ある環境は稀だ。物価も安く、食べ物も美味しいので長期滞在もしやすく、トレーニングフィールドとしての魅力を感じざるをえない。
今回のライド スリランカ2023のツアーは今後パッケージ化も計画されているので、商品化された折には日本からもぜひ多くの方達に参加してもらい、非日常的なエキゾチックライドを体験してほしい。
スリランカってどんな国? 池田祐樹が感じたスリランカの魅力
変化に富んだ大自然!
私の印象では、スリランカはバラエティに富んだ大自然がとても魅力的。年中温暖な沿岸部は綺麗なビーチが多く、象などの珍しい野生動物も多く住むジャングルも冒険心を掻き立てる。内陸部は標高も2000m近くあり、本格的な山岳エリアも楽しめる。一つの島で様々な大自然を満喫することができるのだ。
移住を考えてしまうほど美味しい食事
食べ物がとにかく美味しい。スパイスの効いたカレーは毎日食べても飽きないほどの種類の豊富さと美味しさ。南国ならではのココナッツやパパイヤなどの新鮮フルーツもたまらない。物価も安いので、日本では高価なアボカドなども10分の1程度の価格で購入できる。道端で売っているココナッツも一個30円ほどで、その場で割ってくれてココナッツウォーターを飲める。ココナッツには良質な電解質が入った天然のスポーツドリンクなのでライド中の補給にも最適なのだ。ライド後に町の定食屋さんでお腹いっぱいカレーライスを食べても300円ほどだ。
親日国でフレンドリー
日本とスリランカは国同士で助け合ってきた深い歴史もあるので、現地の人たちも基本親日家でとてもフレンドリー。町でも日系の会社がよく目に付き、乗用車やバス、自転車も日本製のものが多い。初めて会う現地の自転車友達もレースやイベント前後も快くグループライドを企画してくれたり、ローカルの案内をしてくれたりしてみんなホスピタリティに溢れている!
次のサイクリングトリップはスリランカで決まり?
あまり知られていないが自転車環境のポテンシャルも非常に高い。整った舗装路で島を一周することや縦断することも可能であり、オフロードもMTBステージレースが開催されるほど充実している。ひたすら続く平坦路もあれば、登りの長さや斜度も自由に選べる山岳地帯もあるので好みのライドが選びたい放題。日本(成田)からコロンボへの直行便もあるので、これから日本人にとっても要注目のサイクリングスポットとなる予感がしてならない。
今回の縦断ツアーの様子をまとめたムービーは、スリランカ航空の機内チャンネルと公式YouTubeチャンネルで放映予定。すでに私も参戦したMTBステージレース「ランブル イン ザ ジャングル」のハイライトムービーは機内で観られるので、スリラン航空をご利用の際には是非ご覧ください。
ショートバージョンの「ライド スリランカ2023」ハイライトムービーもすでにスリランカ航空公式YouTubeチャンネルで公開中なので是非ご覧ください。
スリランカ航空ウェブサイト:https://www.srilankan.com/en_uk/lk
スリランカ航空公式Instagram:https://www.instagram.com/srilankanairlinesofficial/
池田祐樹(プロマウンテンアスリート) プロフィール
TOPEAK ERGON RACING TEAM USA 所属(MTB)
TEAM ALTRA所属(トレイルラン)
2011-2017年の7年間連続で、MTBマラソン世界選手権日本代表として参加。MTBの長距離、耐久レースの国内第一人者とされる。2019年から、MTB競技のみならず、トレイルランを本格的に始め、2種目のウルトラ競技(100マイルやステージレースなど)をトップレベルで戦う山の総合エンデュランスアスリート「マウンテンアスリート」の第一人者として活動中。
公式インスタグラムアカウント:https://www.instagram.com/yukiikeda/
公式ウェブサイト:https://yukiikeda.net/
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