アスタナ・カザフスタンに移籍したマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)の今季初レースとなった第1回マスカット・クラシック。JCL TEAM UKYOも出場したワンデーレースでイエンセ・ビールマンス(ベルギー、アルケア・サムシック)が勝利した。



アスタナ・カザフスタンに移籍後、初レースとなったマーク・カヴェンディッシュ(イギリス) photo:CorVos

2月11日(土)に開幕するツアー・オブ・オマーン(UCI.2.Pro)の前日に、その前哨戦となる第1回マスカット・クラシック(UCI.1.1)が開催された。舞台となるのは、その名の通りオマーンの首都マスカット。海辺の複合施設アル・モージ・マスカットをスタートしてアル・ブスタンに至る173.7kmコースの終盤には、短くも急勾配の6つの丘が登場する。

スタート地点に集まったのはマーク・カヴェンディッシュ(イギリス)が加わったアスタナ・カザフスタンを含む全17チーム。その中には10のワールドチームに加え、サウジ・ツアーを走り終えたJCL TEAM UKYOも翌日のツアー・オブ・オマーンを見据えて出場した。

レース序盤で逃げを打った石橋学(JCL TEAM UKYO) photo:A.S.O.

140kmに渡り単独で逃げ続けた石橋学(JCL TEAM UKYO) photo:A.S.O.

この日は序盤から石橋学(JCL TEAM UKYO)が逃げを打つ。2015年のジロ・デ・イタリア出場をはじめ、豊富な海外レース経験を持つ30歳の石橋は最大10分差のリードを奪うことに成功。この日最後から2つ目のハムリヤ山岳を前に吸収されたものの、石橋は約4時間、140kmの単独走行でチームの存在感を表した。

最終山岳アル・ジサーに入り、登坂のペースを上げるプロトンからはルイス・メインチェス(南アフリカ、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)のアタックをキッカケに30名程度の先頭集団に絞られる。そして緩勾配のスプリントをイエンセ・ビールマンス(ベルギー、アルケア・サムシック)が制した。

集団スプリントを制したイエンセ・ビールマンス(ベルギー、アルケア・サムシック) photo:CorVos

プロ初勝利を喜ぶイエンセ・ビールマンス(ベルギー、アルケア・サムシック) photo:CorVos

マスカット・クラシック2023表彰台:2位ヨルディ・ワルロップ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)、1位イエンセ・ビールマンス(ベルギー、アルケア・サムシック)、3位アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン) photo:CorVos

27歳にしてプロ初勝利を掴んだビールマンスは「とにかく信じられない!プロになって初めての勝利。2週間前のバレンシアナで初めての表彰台に立ったんだ。僕を信じてくれたチームメイトや監督のおかげだ」と喜びを涙ながらに語った。

JCL TEAM UKYOからは先頭集団に入ったベンジャミ・プラデス(スペイン)が最高位の32位フィニッシュ。日本人最高位は山本大喜の39位(1分16秒遅れ)だった。

マスカット・クラシック2023
1位 イエンセ・ビールマンス(ベルギー、アルケア・サムシック) 4:27:48
2位 ヨルディ・ワルロップ(ベルギー、スーダル・クイックステップ)
3位 アンドレア・ヴェンドラーメ(イタリア、AG2Rシトロエン)
4位 フランセスコ・ブサット(イタリア、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)
5位 マキシム・ファンヒルス(ベルギー、ロット・デスティニー)
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos