2023/02/06(月) - 09:30
スペインを舞台にしたボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ最終日で、ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が今季2勝目。ボーナスタイム獲得によりジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)を逆転し、総合優勝に輝いた。
ヨーロッパにUCIプロシリーズの開幕を告げる第74回ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)は最終日を迎えた。5日間の大会を締めくくるのはパテルナから山岳地帯に向かい、港湾都市バレンシアを目指す93.2km。残り40kmから1級山岳ラ・フロンテラ(距離5.2km/平均9%)を駆け上がり、フィニッシュ地点はそこから下りと平坦路の先にあるため、登坂ペース次第では集団スプリントや総合争いも勃発する展開の読みづらいレイアウトだ。
総合リーダージャージを着用するジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)と前日勝者で総合2位テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は4秒差。総合17位までが30秒差にひしめく僅差のなか、サムエーレ・バティステッラ(アスタナ・カザフスタン)とアレッサンドロ・デマルキ(ジェイコ・アルウラー)ら3名のイタリア人が逃げグループを形成した。
最初の2級山岳オロネトを越え、順調にタイム差を拡げていく逃げ集団だったが、1級山岳ラ・フロンテラを前にボーラ・ハンスグローエがペースを上げるとその差が一気に縮小する。そしてこの日最後の登坂に入り、重要な山岳アシストであるレナード・ケムナ(ドイツ)を体調不良で欠くボーラ・ハンスグローエの隊列からアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)が飛び出した。
大会2連覇を目指すウラソフの加速に反応できたのは、チッコーネやゲイガンハートなどの総合上位勢。逃げグループではバティステッラが2人を引き離したものの、すぐにウラソフら先鋭集団に吸収され、9名がラ・フロンテラの頂上を通過した。
残り8km地点に設定されたボーナスタイム付きの中間スプリントを、総合3位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)がトップで通過して-3秒を獲得。だがゲイガンハートが2着(-2秒)、チッコーネが3着(-1秒)で通過したためバーチャルの総合順位は変わらず、そのままバレンシアの市街地に突入した。
ビルバオを除き、登りで遅れたバーレーン・ヴィクトリアスがスプリントに長けたフレッド・ライト(イギリス)のため先頭を追走したものの届かない。そして先頭集団から残り2kmでテイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)がアタックし、それに11日前のトロフェオ・カルビアで3年ぶりの勝利を飾り、この時点で総合6位(14秒遅れ)のルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が追従した。
バティステッラとマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)の2人が追いかけ、総合争いをするチッコーネやビルバオ、ゲイガンハートは協調が取れず先頭との差が拡がっていく。そして先頭固定でも構わずフィニッシュを目指したコスタが、マッチスプリントでアレンスマンを下し区間優勝を飾った。
「アンテルマルシェ・サーカス・ワンティに移籍してからフレッシュな勢いを感じている。このチームは僕を信じ、それが大きなモチベーションに繋がっている。今日のショートステージは予想通り高強度な争いになった。狙いは最終盤にアタックし、コーナーで差をつけることだった」と勝利を振り返ったコスタ。
またコスタはボーナスタイム-10秒を獲得し、21秒遅れでフィニッシュしたチッコーネを総合で逆転。「総合優勝のことは考えておらず、とても満足の大会となった」と語るコスタが、2017年のアブダビ・ツアー以来となるステージレース総合優勝に輝いた。
逆転負けを喫したチッコーネはポイント賞を獲得し、ヤングライダー賞には総合6位だったユンボ・ヴィスマ期待の若手トーマス・グローグ(イギリス)が輝いている。
ヨーロッパにUCIプロシリーズの開幕を告げる第74回ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)は最終日を迎えた。5日間の大会を締めくくるのはパテルナから山岳地帯に向かい、港湾都市バレンシアを目指す93.2km。残り40kmから1級山岳ラ・フロンテラ(距離5.2km/平均9%)を駆け上がり、フィニッシュ地点はそこから下りと平坦路の先にあるため、登坂ペース次第では集団スプリントや総合争いも勃発する展開の読みづらいレイアウトだ。
総合リーダージャージを着用するジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)と前日勝者で総合2位テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)は4秒差。総合17位までが30秒差にひしめく僅差のなか、サムエーレ・バティステッラ(アスタナ・カザフスタン)とアレッサンドロ・デマルキ(ジェイコ・アルウラー)ら3名のイタリア人が逃げグループを形成した。
最初の2級山岳オロネトを越え、順調にタイム差を拡げていく逃げ集団だったが、1級山岳ラ・フロンテラを前にボーラ・ハンスグローエがペースを上げるとその差が一気に縮小する。そしてこの日最後の登坂に入り、重要な山岳アシストであるレナード・ケムナ(ドイツ)を体調不良で欠くボーラ・ハンスグローエの隊列からアレクサンドル・ウラソフ(ロシア)が飛び出した。
大会2連覇を目指すウラソフの加速に反応できたのは、チッコーネやゲイガンハートなどの総合上位勢。逃げグループではバティステッラが2人を引き離したものの、すぐにウラソフら先鋭集団に吸収され、9名がラ・フロンテラの頂上を通過した。
残り8km地点に設定されたボーナスタイム付きの中間スプリントを、総合3位ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス)がトップで通過して-3秒を獲得。だがゲイガンハートが2着(-2秒)、チッコーネが3着(-1秒)で通過したためバーチャルの総合順位は変わらず、そのままバレンシアの市街地に突入した。
ビルバオを除き、登りで遅れたバーレーン・ヴィクトリアスがスプリントに長けたフレッド・ライト(イギリス)のため先頭を追走したものの届かない。そして先頭集団から残り2kmでテイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ)がアタックし、それに11日前のトロフェオ・カルビアで3年ぶりの勝利を飾り、この時点で総合6位(14秒遅れ)のルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ)が追従した。
バティステッラとマルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ)の2人が追いかけ、総合争いをするチッコーネやビルバオ、ゲイガンハートは協調が取れず先頭との差が拡がっていく。そして先頭固定でも構わずフィニッシュを目指したコスタが、マッチスプリントでアレンスマンを下し区間優勝を飾った。
「アンテルマルシェ・サーカス・ワンティに移籍してからフレッシュな勢いを感じている。このチームは僕を信じ、それが大きなモチベーションに繋がっている。今日のショートステージは予想通り高強度な争いになった。狙いは最終盤にアタックし、コーナーで差をつけることだった」と勝利を振り返ったコスタ。
またコスタはボーナスタイム-10秒を獲得し、21秒遅れでフィニッシュしたチッコーネを総合で逆転。「総合優勝のことは考えておらず、とても満足の大会となった」と語るコスタが、2017年のアブダビ・ツアー以来となるステージレース総合優勝に輝いた。
逆転負けを喫したチッコーネはポイント賞を獲得し、ヤングライダー賞には総合6位だったユンボ・ヴィスマ期待の若手トーマス・グローグ(イギリス)が輝いている。
ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2023第5ステージ結果
1位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | 2:07:16 |
2位 | テイメン・アレンスマン(オランダ、イネオス・グレナディアーズ) | |
3位 | サムエーレ・バティステッラ(アスタナ・カザフスタン) | +0:07 |
4位 | マルク・ソレル(スペイン、UAEチームエミレーツ) | |
5位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:21 |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | |
8位 | フレッド・ライト(イギリス、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:30 |
9位 | マテイ・モホリッチ(スロベニア、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
10位 | オマール・フライレ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) |
個人総合成績
1位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | 19:10:06 |
2位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | +0:16 |
3位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:19 |
4位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:21 |
5位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:25 |
6位 | トーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) | +0:34 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:40 |
8位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | +0:45 |
9位 | アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター) | +0:46 |
10位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) |
山岳賞 | サムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) |
ヤングライダー賞 | トーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos
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