2023/02/05(日) - 09:29
5つのカテゴリー山岳を越え、イネオス・グレナディアーズの牽引から飛び出したテイオ・ゲイガンハート(イギリス)が勝利。ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ総合優勝に王手をかけた。
佳境を迎えた第74回ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)の総合争い。最終日を翌日に控えた第5ステージは山岳がたっぷり組み込まれた181.6kmで、総獲得標高差は3,600mに達する。出発地点のボリアナから3つのカテゴリー山岳を越え中盤に2級山岳、最後は2級山岳アルト・デ・コヴァ・サンタナ(距離8.1km/平均4.8%)を駆け上がるレイアウトは、急勾配の登りこそ登場しないものの総合成績に変動をもたらすには十分な難易度だ。
レース序盤、アタックの末に形成されたのはバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)やワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)、オマール・フライレ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)という強者が揃う23名のグループ。それを逃げに複数人を送り込めなかったモビスターとボーラ・ハンスグローエ率いるメイン集団が追走した。
モレマが総合で僅か30秒遅れ(16位)ということもあり、4分以上のリードを許さなかったプロトンは逃げ集団からこぼれ落ちてくる選手を次々とキャッチしていく。チームDSMからイネオス・グレナディアーズに加入したテイメン・アレンスマン(オランダ)が最後まで抗ったものの、最終山岳の登坂が始まる直前に捉えられた。
フィニッシュの待つ2級山岳アルト・デ・コヴァ・サンタナ(距離8.1km/平均4.8%)に入ると、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア)の総合2連覇を目論むボーラ・ハンスグローエがペースアップを開始。残り3kmからジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)が先頭に上がり、牽引を引き継いだローレンス・デプルス(ベルギー)のペースで一気にプロトンの人数から絞られた。
残り1kmを過ぎ、一度トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)を挟んだ先頭はカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)へ。全盛期のチームスカイを彷彿とさせるイネオス・トレインから、残り150mでテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がスプリントを開始した。
複雑に入り組むフィニッシュまでのコーナーを巧みに利用したゲイガンハート。追いかけるトーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)やリーダージャージを着るジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)を振り切り、先頭でフィニッシュラインを通過した。
総合優勝を飾った2020年ジロ・デ・イタリア第20ステージ以来の勝利を挙げたゲイガンハート。「テイメン(アレンスマン)が逃げてくれたおかげでプロトンで力を溜めることができた。残り15kmでのパンクは想定外だったが焦ることはなく、オマール(フライレ)が僕を集団まで戻してくれた。最後は向かい風に緩い勾配と厳しい条件の中、チームメイトが最良の展開を作ってくれた。チームに感謝したい。本当に嬉しいよ」と、ゲイガンハートは3年振りの勝利をそう振り返った。
「プロでの勝利は本当に難しいよね。ワールドツアーではないもののとても高いレベルのレースで挙げた勝利だ。ここ数年は病気や落車に苦しめられていたので、今回の勝利は特別な気持ちがするよ」とも。
総合首位は区間3位でボーナスタイム-4秒を加算したジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がキープ。区間優勝によって-10秒を加算したゲイガンハートは、総合8位から4秒差に2位とチッコーネに迫っている。
大会最終日の第5ステージはパテルナから港湾都市バレンシアを目指す93.2km。序盤に2級山岳を越え、残り40kmから1級山岳ラ・フロンテラ(距離5.2km/平均9%)を駆け上がる。フィニッシュ地点はそこから下りと平坦路の先にあるため、区間優勝はもちろん総合優勝の行方も読みづらいレイアウトだ。
佳境を迎えた第74回ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ(UCI2.Pro)の総合争い。最終日を翌日に控えた第5ステージは山岳がたっぷり組み込まれた181.6kmで、総獲得標高差は3,600mに達する。出発地点のボリアナから3つのカテゴリー山岳を越え中盤に2級山岳、最後は2級山岳アルト・デ・コヴァ・サンタナ(距離8.1km/平均4.8%)を駆け上がるレイアウトは、急勾配の登りこそ登場しないものの総合成績に変動をもたらすには十分な難易度だ。
レース序盤、アタックの末に形成されたのはバウケ・モレマ(オランダ、トレック・セガフレード)やワウト・プールス(オランダ、バーレーン・ヴィクトリアス)、オマール・フライレ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)という強者が揃う23名のグループ。それを逃げに複数人を送り込めなかったモビスターとボーラ・ハンスグローエ率いるメイン集団が追走した。
モレマが総合で僅か30秒遅れ(16位)ということもあり、4分以上のリードを許さなかったプロトンは逃げ集団からこぼれ落ちてくる選手を次々とキャッチしていく。チームDSMからイネオス・グレナディアーズに加入したテイメン・アレンスマン(オランダ)が最後まで抗ったものの、最終山岳の登坂が始まる直前に捉えられた。
フィニッシュの待つ2級山岳アルト・デ・コヴァ・サンタナ(距離8.1km/平均4.8%)に入ると、アレクサンドル・ウラソフ(ロシア)の総合2連覇を目論むボーラ・ハンスグローエがペースアップを開始。残り3kmからジョナタン・カストロビエホ(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)が先頭に上がり、牽引を引き継いだローレンス・デプルス(ベルギー)のペースで一気にプロトンの人数から絞られた。
残り1kmを過ぎ、一度トースタイン・トレーエン(ノルウェー、ウノエックス・プロサイクリングチーム)を挟んだ先頭はカルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ)へ。全盛期のチームスカイを彷彿とさせるイネオス・トレインから、残り150mでテイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ)がスプリントを開始した。
複雑に入り組むフィニッシュまでのコーナーを巧みに利用したゲイガンハート。追いかけるトーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ)やリーダージャージを着るジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)を振り切り、先頭でフィニッシュラインを通過した。
総合優勝を飾った2020年ジロ・デ・イタリア第20ステージ以来の勝利を挙げたゲイガンハート。「テイメン(アレンスマン)が逃げてくれたおかげでプロトンで力を溜めることができた。残り15kmでのパンクは想定外だったが焦ることはなく、オマール(フライレ)が僕を集団まで戻してくれた。最後は向かい風に緩い勾配と厳しい条件の中、チームメイトが最良の展開を作ってくれた。チームに感謝したい。本当に嬉しいよ」と、ゲイガンハートは3年振りの勝利をそう振り返った。
「プロでの勝利は本当に難しいよね。ワールドツアーではないもののとても高いレベルのレースで挙げた勝利だ。ここ数年は病気や落車に苦しめられていたので、今回の勝利は特別な気持ちがするよ」とも。
総合首位は区間3位でボーナスタイム-4秒を加算したジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード)がキープ。区間優勝によって-10秒を加算したゲイガンハートは、総合8位から4秒差に2位とチッコーネに迫っている。
大会最終日の第5ステージはパテルナから港湾都市バレンシアを目指す93.2km。序盤に2級山岳を越え、残り40kmから1級山岳ラ・フロンテラ(距離5.2km/平均9%)を駆け上がる。フィニッシュ地点はそこから下りと平坦路の先にあるため、区間優勝はもちろん総合優勝の行方も読みづらいレイアウトだ。
ボルタ・ア・ラ・コムニタ・バレンシアナ2023第4ステージ結果
1位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | 4:32:00 |
2位 | トーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) | |
3位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | |
5位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
6位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
7位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | |
8位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) | |
9位 | ディエゴ・ウリッシ(イタリア、UAEチームエミレーツ) | |
10位 | ブランドン・マクナルティ(アメリカ、UAEチームエミレーツ) | +0:06 |
個人総合成績
1位 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) | 17:02:46 |
2位 | テイオ・ゲイガンハート(イギリス、イネオス・グレナディアーズ) | +0:04 |
3位 | ペリョ・ビルバオ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | +0:07 |
4位 | アレクサンドル・ウラソフ(ロシア、ボーラ・ハンスグローエ) | +0:08 |
5位 | トーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) | |
6位 | ルイ・コスタ(ポルトガル、アンテルマルシェ・サーカス・ワンティ) | +0:14 |
7位 | ミケル・ランダ(スペイン、バーレーン・ヴィクトリアス) | |
8位 | アレクサンデル・アランブル(スペイン、モビスター) | +0:20 |
9位 | アントン・チャーム(デンマーク、ウノエックス・プロサイクリングチーム) | |
10位 | カルロス・ロドリゲス(スペイン、イネオス・グレナディアーズ) |
その他の特別賞
ポイント賞 | ジュリオ・チッコーネ(イタリア、トレック・セガフレード) |
山岳賞 | サムエーレ・ゾッカラート(イタリア、グリーンプロジェクト・バルディアーニCSF・ファイザネ) |
ヤングライダー賞 | トーマス・グローグ(イギリス、ユンボ・ヴィスマ) |
チーム総合成績 | UAEチームエミレーツ |
text:Sotaro.Arakawa
photo:CorVos
photo:CorVos